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<災害情報・第16報>「計画停電」とたたかう飯能デリバリー・センターの奮闘

一つでも多く、一人でも多くの組合員に消費材を届けたい

 地震の発生から2週間以上が経ち、共同購入を進めるうえで最大の障壁となっているのは、じつは「計画停電」です。全国の生産者から消費材が集まり小分けして配送センターに出荷する飯能デリバリーセンター(埼玉県)は、計画停電で作業時間が大幅に制限され、センターへの出荷時間までに組み込み作業が終了できない状態が続いています。入荷しながらも出荷できない―欠品や遅配が多数発生しているのはこのためです。
作業時間の延長や単協職員の応援体制などの対応をとっている飯能DCの現状を報告します。

飯能デリバリーセンター

 「組合員の方々の申込みに100%応えることができず、悔しい気持ちでいっぱいです」 
埼玉県飯能市にある飯能デリバリーセンター(以下、飯能DC)の責任者である生活クラブ連合会・物流管理部の水野隆将副部長は、苦渋に満ちた表情でこのように話します。 
飯能DCには青果を除いた常温や冷蔵、冷凍の消費材が生産者から納品されます。それを組合員からの申込みごとに袋に小分けして、配送センター別に仕分けをするのが飯能DCの役割。生活クラブの消費材物流のいわば“心臓部”で、組合員と生産者をつなぐ重要な機能を担っています。それが今回の原発事故による計画停電の影響で、消費材の組み込みに大きな支障が生じています。 
「飯能DCは計画停電の《第2グループ》に区分され、日よっては2回実施されるので、日中にあわせて5時間ほど電気が止まることがあります。生産者の努力もあって消費材の約8割は飯能DCに届いているのですが、その仕分けが滞っているのです」(水野副部長)

▲3月26~27日には首都圏の単協職員も組み込み作業の応援にかけつけてくれました。おかげで月・火コースの欠品は大幅に減らすことができました。

 飯能DCでは被災した組合員もいる福島県や岩手県はもとより、青森県から愛知県までの生活クラブの物流を担っています。配送センター数は55センターに及び、1日に組み込む消費材は35万点以上に達します。その消費材をふだんなら午前8時半から午後6時半までの間に、約270人が実働8時間で組み込んでいました。それが計画停電のために作業が夜間にずれ込んだり、各センターへの配送に間に合わない状態になっています。水野副部長は飯能DCの現状を次のように明かします。
「計画停電は1回3時間ですが、停電に備えてコンピューター・サーバーのシャットダウンや大型冷凍庫の停止などの準備をする必要があります。そのために停電の30分前から業務を停止しなければなりません。実際には当日になって停電が中止になることもあるのですが、停電があることを前提に前日に準備しているので、パートさんなど労力の確保が間に合わず、組み込み作業ができないことも何度かありました」

計画停電により大幅に制約される組み込み作業。作業を前倒しして100%組み込みをめざしましたが、システムの起動や労働力不足で欠品にせざるを得ないコースも多数発生。これを回避するため週末には単協の職員にも出勤してもらい応援を得ました。

▲飯能デリバリーセンター

 「それでも飯能DCでは被災した東北地方の生活クラブの配達を最優先にしています。また、組み込みが各センターへの出荷に間に合わない場合でも、食の基本であるお米は必ず組合員の方々に届くようにしています」
停電中でもお米を配達コースごとに仕分ける作業は行っていますが、暗がりでの仕事は難航しています。また、冷凍品や冷蔵品の品質を保持するために、冷凍庫や冷蔵庫は停電中に開閉を一切しないことにしています。そのため冷凍庫は停電後でもマイナス30℃を保っているのですが、組み込み作業はまったくできない状態です。 
生活クラブでは計画停電がないと見込まれる土・日曜日に、各単協からの職員応援を70人体制で組んで作業の前倒しを行っています(3月21日第8報)。
ですが、倉庫スペースの限度もあり、1週間ごとの申込みすべてに対応できていません。 
飯能DCは消費材の組み込みのほかに申込用紙のコンピューター読み込みや、申込カタログ類を組み込む業務も担っています。これらの業務も計画停電のために不規則な時間での対応を余儀なくされています。
また、飯能DCは物流の“心臓部”であるため、被災地への支援物資の拠点の役割をも担っています(3月25日第14報)。
「全国の提携生産者や九州のグリーンコープ連合から届けられた緊急支援物資などの窓口になっています。共同購入の消費材と明確に区分し、迅速に被災地などに輸送できるようにしています」
緊急支援物資への対応をこのように説明する水野副部長は、今後の見通しについて次のように続けます。
「計画停電が実施されて2週間が経ち、対処のしかたが見えてきました。計画停電の当初の予定である4月末までは各単協や連合会からの職員応援を受けながら対応していきます。合わせて1年間など中長期的な計画停電に対する体制づくりについても検討を始めました。私は『物流にはその組織の意思が表れる』と思っています。困難な状況が続きますが、私たちは“一つでも多く、一人でも多くの組合員に”消費材を届けようと意地でも頑張るつもりです。“注文しても届かないのからアテにならない”という皆さんの落胆が、私たちにとっても一番辛いのです。飯能DCにいる270人は全員このような考えを持って、仕事に取り組んでいます」

▲停電の影響でほとんど全量が欠品となってしまう場合も、「主食」である米だけは届けられるよう手作業で積み出しをしました。

 

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