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<災害対策・第23報>74人全員の生存を確認-高橋徳治商店

生活クラブ ・岩手 専務理事 大木敏正

4月1日。高橋徳治商店の「油にまみれたヘドロ」出し活動終盤の14時頃、高橋常務(高橋社長の奥さん)から呼び止められました。満面の笑顔で「たった今、連絡がつかなかった最後の従業員と電話で話せました・・・」という吉報でした。これで従業員・役員全員74人と連絡が取れました。あの会社工場の状況を見るにつけ、そしてすぐ近くには高い場所がないことを見るにつけ、奇跡に近い全員無事のニュースです。

 3月11日の地震直後の停電で機械は止まりました。工場長は直ちに火の点検を指示し、そして迅速に全員を集めました。「直ちに解散。全員高いところに避難・・・」と命令し、従業員はバラバラに逃げました。集団で避難していなかったので21日間もかかった全員との連絡です。

 同時刻、高橋社長一家は自宅でお母さんの49日の法要でした。従業員の避難を確認後、家族全員が車に乗り込み、5つの位牌を持って出ました。しかし途中で渋滞に巻き込まれ、高橋さんは車を捨てて高いところに逃げろ。という素早い決断です。必死に走った・・・、と言ってました。息子さんから聞いたところ、すぐ背中まで水が迫ってきていたそうです。30秒、1分の違いで、後から来る人たちは津波にのまれた。と話していました。悔しそうに「何もできなかった」と津波に飲み込まれた人たちに対して、懺悔の気持を込めて語っていました。その位牌を乗せた車は、まだ発見できていません。

本社工場のヘドロ出しと機械の救出

 

 

 

 

 

 

 

 

牧山社務所での避難所生活を続けていた社長は、本社工場から水が引けるのを待ち望んでいました。そして3月25日頃だったと記憶していますが、初めて工場に足を踏み込む事ができました。鉄筋コンクリートの本社と工場は流されず残りましたが、中はグジャグジャで手がつけられません。当時の高橋さんの二番目の願いは「実印」確保でした。これは後日、ヘドロの中に手を入れて探り当てた・・・、と語っていました。

 この油混じりのヘドロ除去作業は3月30日から開始しました。油混じりの真っ黒なヘドロはともかく臭くて重い。これをスコップでひとかき、ひとかき、大きなバケツのような桶に入れて運び出す気が遠くなるような作業の開始です。合羽を着た胸に、腹に、足にヘドロは絡みつき、足元はスケートリンクに近い滑りようです。そして、工場は製造のど真ん中での震災なので、原料の魚や半加工のすり身が溢れ、3週間をも経過したその臭いは想像以上です。ヘドロ自体の強烈な匂いにプラスの魚の腐敗臭。これを4月1日に屋外に撤去しました。これは生活クラブの全国から来てくれたメンバーと共に挑みました。大きな水槽にイワシの膨大な量。そして袋に入ったすり身や他の魚。何度も吐きそうになりながらの作業でした。でも見える所の魚は撤去したのですが、後から聞いた話では、まだまだ原料の魚は中に閉じ込められている、という事です。2日後の4月3日に行った時にも臭いの変化はありませんでした。

 社屋の近隣には誰も住んでいません。だから多少臭っても極端な迷惑はかけません。でも高橋さんの使命感は「地域に迷惑をかけたくない」そして「救える機械は救いたい」この想いからのヘドロ出し作業は継続しています。完了は未定です。

<お知らせ>

生活クラブグループの皆さんのお陰で、4月1日よりホームページ岩手版がスタートしました。細かな情報などはここに掲載しますのでご覧ください。これの管理や更新は全て組合員が行っています。

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