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<災害対策・第27報>「あれから1カ月」 震災直後の生活クラブ事務局の活動 その1

 3月11日金曜日の午後2時46分。あれから早くも1カ月が経ちました。地震発生直後から生活クラブ連合会は緊急対策本部を設置して対策・対応を行ってきましたが、配達センターやデポー、消費材をセンターに届ける大型車での物流などさまざまな現場でも一人ひとりの職員などが活動を行ってきました。
 組合員と生産者をつながりのなかで、生活クラブ事務局がどのような取組みを行ってきたのかを3回に分けてご報告します。
 1回目は組合員に最も身近な配送センターの職員の一人、神奈川県の
湘南生活クラブ・小田原センター職員の岡本 原(げん)さんからのレポートです。小田原センターは震源地から遠く離れているものの、全国の配送センターと同じように、「計画停電」など組合員のみなさんに消費材を届けるためにさまざまな困難がありました。

組合員と生産者のつながりの強さを実感

 配達のなかった私は小田原センターで倉庫作業を終え、事務所で新年度に向けて配達の際の注意事項などの引継ぎ事項をパソコンで入力していました。揺れは最初すぐにおさまると思いじっとしていたのですが、しだいに揺れが強まってきたので事務所にいた職員・ワーカーズ10数人で非常階段から外へ避難しました。
 一度は揺れがおさまったと思い事務所へ。しかし、また強い揺れがあり二度目の避難。その後、地震情報を見て驚きました。震源は神奈川県から遠く離れた東北沖にもかかわらず、津波警報が発令されたのです。
 小田原センターは相模湾沿いにあり、すぐそばを通る西湘バイパスは通行止めになりました。その影響で国道は大渋滞。通常なら午後5時にはほとんどのメンバーが配達を終えてセンターに帰着するのですが、その日の最終に帰ってきた者は夜9時を回っていました。電車も停まり、国道は大渋滞。多くの先輩同僚が帰宅できずセンターに深夜まで残こり、インターネット上で報道される震災の様子にただただ驚くばかりでした。

 週が明けて3月14日月曜日、まず困ったのが通勤です。電車が運休になっているので職員間で連絡を取り合い、自動車通勤の人に拾ってもらい出勤しました。
 次に困ったのがガソリンです。スタンドが長蛇の列。でも、ガソリンがなくては配達できません。これもみんなで連絡を取り合い、どこのスタンドが今開いている、あそこのスタンドは比較的待ち時間が少ないなど情報交換をしてなんとかしのぎました。
 一方、週の始めの配達は想像以上にスムーズにスタートしました。組合員のみなさんも自宅にいる方が多くなり、いくつかの欠品があるものの、通常通り配達が来たことに驚かれたり、感謝されました。
 欠品や配達遅れについても「こんな時だから」と理解を示してくれます。「ありがとう」、「気を付けてね」というやさしい言葉もたくさんいただきました。いつも仕事のために配達時に不在で、電話もなかなかつながらない組合員の方からも「いつも受取できなくてごめんなさい。こんな大変な時に配達ありがとう。」という手紙をいただいたのも嬉しい出来事でした。
 また、重茂漁業協同組合や(株)高橋徳治商店など被災地の生産者を心配する声も多く、組合員と生産者のつながりの強さを改めて感じました。
 困ったことはやはり放射能の影響を心配する質問です。生活クラブの現在の対応状況を説明するのですが、それ以上詳しいことを聞かれると私も専門家ではないので答えられません。でも、組合員、消費者として不安な気持ちも理解できます。その一方で提携生産者のことも考えると……。組合員と生産者をつなぐ私たち職員はどう対応すれば良いのかと考えると言葉に窮してしまいました。

 「組合員と対話をして何ができるかを一緒に考えたい」

 3月16日頃からは後震災による物流上のトラブルや計画停電の影響が日増しに大きくなっていきました。欠品になる品目がどんどん増え、それと比例してセンターへの電話問い合わせも増えていきます。朝礼で欠品情報は確認するのですが、その量が多すぎてとても把握しきれません。
 計画停電により埼玉県にある飯能デリバリーセンター(3月21日第8報3月29日第16報)での仕分け作業が進まず、配達する消費材がセンターに入荷しない、もしくは仕分けがされていない状態で入荷や、翌週に延期などその日ごとに状況が異なり、配達前日の夜に入る「物流連絡」と朝の倉庫の状態を見て対応を判断しなければなりません。3月17日木曜日には、夕方に配達から帰着するとセンター長に、金曜日は急きょ配達は休みで土曜日にその分を配達することを告げられました。

 配達時にくばるニュースも差し替えのたびに対応に追われます。ふだんは配達伝票どおり荷降ろしすればよいのですが、それができません。
 「常温品はお米しかなく、冷蔵品は一部欠品があるのでニュースで確認してください。冷凍品はこれとこれだけで、季節品は来週に遅配です。あとこれは先週分の……」という具合で伝えるほうも、聞く組合員もだんだん分からなくなってきます。
 さらにタイミングが悪いことに、3月21日月曜日からの第12週は新年度コースへの切り替わりに当たります。毎年この時期は配達の効率を上げるため、配達コースの編成を行います。配達する担当者やコースの回り順が変わった新コースになるのです。組合員が不在の場合の消費材の荷物の置き場所や、共同購入申込書(OCR用紙)の置いてある場所、トラックを停める位置など、引き継ぎはするものの最初はどうしても分からないので、どうしても時間がかかります。
 追い打ちをかけるように夕方ようやく配達を終えてセンターに帰着したら計画停電で、パソコンも電話も不通。暗い中、懐中電灯を片手に回収したOCR用紙のチェックをする日もありました。また、停電復旧後は冷凍・冷蔵庫の温度チェックや、翌日の「物流連絡」の確認があります。


 震災から1カ月が経ちますが、現在の状況のなかで「私に何ができるのだろうか」と考えています。
震災直後は重茂漁協や高橋徳治商店を始めとする東北の生産者や、福島や岩手の生活クラブ単協のことが心配でしたが、被害はそれだけではありませんでした。原発の放射能漏れによる北関東への影響。北関東は農産、畜産、酪農、水産など、生活クラブに限らず首都圏の食生活には欠かせないはずです。生産者とのつながりを大切にしてきた生活クラブは、なおさらこの問題に正面から取り組んでいかなければならないと思います。
 生活クラブは今までも一般市場の「常識」や政府方針、マスコミ報道などにとらわれず、自分たちの価値観をもとに運動を進めてきました。これまで育んできた組合員、生産者、職員の“絆”の強さがこれから試されるのかもしれません。
 東北の復興にはまだかなりの時間を要するでしょうし、原発の状況も予断を許しませんが、まずは自分の足元の仕事であるセンターの配送業務をしっかりとこなしながら、配達先の組合員の方とできるだけ多く対話をして、自分たちに何ができるかを一緒に考えていきたいと思います。

 




 小田原センターの岡本原さん

 

 




配達に向けて倉庫作業をする小田原センターの様子

 

 

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