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<災害対策・第32報>「あれから1カ月」 震災直後の生活クラブ事務局の活動 その2

 3月11日金曜日の午後2時46分。あれから早くも1カ月が経ちました。地震発生直後から生活クラブ連合会は緊急対策本部を設置して対策・対応を行ってきましたが、配達センターやデポー、消費材をセンターに届ける大型車での物流など、さまざまな現場でも一人ひとりの職員などが活動を行ってきました。
 組合員と生産者をつながりのなかで、生活クラブ事務局がどのような取組みを行ってきたのかを3回に分けてご報告します。
 2回目は生活クラブ千葉の浦安デポーの活動です。デポーは千葉、神奈川、東京の各単協が取り組む生活クラブのお店ですが、浦安デポーは今回の震災で液状化の被害があった地域にあります。デポー自体も液状化の被害を受けたのですが、「こんな時こそ店を開けて地域に役立とう」と震災の翌日から営業を始めました。


 地震直後は来店していた組合員や働いていたワーカー、陳列された消費材などにとくに被害はありませんでした。ところが2回目の大きな揺れの後、泥水がにわかに湧き出し浦安デポーの入口や荷物搬入口から店内に押し寄せてきたのです。
 「荷物搬入口と地面とは約30センチメートルの段差があるのですが、それにもかかわらず店内に泥水が入ってきました。また、一部は地面が隆起し、近所ではブロック塀がくずれたり、電信柱が傾くなどの被害がありました」と、浦安デポーの店長を務める布施久代さんは当時の模様を語ります。
 地震により浦安デポーでは電気は通じるもののガスや水道が止まるとともにレジが動かなくなり、コンピュータや電話も通じなくなったために外部との連絡がまったく取れない状態になりました。
 一夜明けて浦安デポーをあらためて見ると、フロアの床は泥だらけ。デポーのワーカーや生活クラブ千葉のベイセンターの職員が泥を必死でかき出しているにもかかわらず、歩くとジャリジャリ音がする状態でした。
 臨時休業を検討したのですが、それでも「こんな時こそお店を開いて、みんなのために店舗のある生協だからこそできることをやりたい」とワーカーの思いが一致。レジが動かないことに対しては、来店した組合員と購入品を確認しながら手書きの伝票をつくることで対応しました。
 「近くには大型スーパーもあるのですが臨時休業でした。ですから、来所した組合員の方からは『たいへん助かりました』などの声をいただきました。また、みなさん慌てている様子で、何を購入してよいか迷っている方もいらっしゃいます。各家庭ではガスと水道が止まり調理もままなりませんから、チキンピラフや非常用の即席麺・中華風などをお薦めしました」と布施さんは振り返るとともに、地域に役立つことを目的のひとつに掲げる生活クラブのデポーとしての取組みを次のように話します。
 「デポーは生活クラブの組合員のためのお店ですが、浦安は被災した方も多くいらっしゃりまさに非常時です。ですから組合員でない方にも、分けることなく買い物をしてもらいました。地震から2日後くらいからは復旧工事に従事する人を見かけるようになったので、惣菜や飲み物がある旨の声かけしました。いつもならコンビニなどで買うようですが、コンビニも飲み物などが店頭から姿を消したので困っていたようです」
 地域では現在も水道やガスが通じていない家が多く、惣菜が重宝されます。消費材でつくられた惣菜の浦安デポーへの入荷は通常週2回なのですが、浦安の状況を説明して毎日入荷に変更することが可能になりました。
 また、震災から10日近く過ぎても「お店が開いているとは思わなかった」という感想をもらす組合員が多いことを受けて20日、21日に組合員に電話かけを実施。浦安デポーが開店していることを知らせました。
 このような浦安デポーの取組みについて、生活クラブ千葉・京葉ブロックの当事の責任者である片桐浩章さんは次のように評価します。
 「デポーが開所できたのは、ひとえにワーカーのみなさんの頑張りのおかげです。ワーカーのなかにも当然、自宅ではガスや水道が止まっている人もいます。つまり自分も被災者なのにそれにかまわず、被害にあった地域の人たちのためにデポーを続けようとしたのです。本当に頭がさがります」
 店長の布施さんも自宅ではまだ水道が通じていません。そのため近くに住む親戚のうちからデポーに通っています。そんな浦安デポーで働くワーカーの人たちの励みになっているのは、組合員からの差し入れです。
 「買い物にいらっしゃる組合員の方々は、私たちも被災していることを察しています。ですから買い物だけでなく、働く私たちが食べられるようにと差し入れなどのお見舞いを持ってきてくれるのです。私もこのようなつながりがある生活クラブの組合員で本当によかったと思います」
 一人ひとりの組合員が他の人を思って行動する生活クラブ。人のつながりが地域をつくります。

 

 

 

 

 

 

(写真)(左)外装の工事中に震災があった浦安デポー。正面玄関前に液状化現象の痕/(右上)レジが動かなかった時の青色の「手書き伝票」。復旧してから改めてレジに入力しました。

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