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<災害対策・第160報>「放射能学習会」を全国で開催

放射能汚染について信頼に足る情報が十分に得られない現在、生活クラブでは全国17都道府県で「放射能学習会」を開催しています。
7月21日には放射線量が比較的高いとされる福島県福島市で緊急に行われました。
この学習会の参加料は無料で、講師の交通費などはすべて現在募っているカンパで賄う予定です。(9月2日掲載)

チェルノブイリに匹敵する史上最悪の原発事故

槌田博・生活クラブ連合会品質管理部長「福島第一原発の事故から4カ月が経ちましたが、原子炉内の核燃料はどういう状態なのかまったく分からない状況です。今後、もし大きな余震が起こったら、放射能汚染が拡大する恐れは否定できません」

講師を務める生活クラブ連合会の槌田博品質管理部長は学習会に参加した約20人を前に、福島第一原発事故の現状をこのように説明し「非常事態が続いている」と話します。

国土の広範囲にわたる放射能汚染という未曾有の事態が起こり、一人ひとりが自ら判断、選択して生きなければいけない状況に日本は陥りました。しかし、その決断を下すにあたり信頼できる情報は少ないといえます。そこで生活クラブは全国17都道府県で、今回の原発事故の実態やそれに対する生活クラブの対応方針などについて学習会を開催しています。講師の槌田部長は工学博士で、環境汚染の専門家。この日は生活クラブふくしまの福島支部に招かれて2時間以上にわたり講演を行いました。

放射能問題について活発な質問が参加者から寄せられました「文部科学省などによる航空機モニタリングでの各地のセシウム蓄積量と、チェルノブイリ原発事故による放射能汚染地図を見比べると、汚染範囲はほぼ変わらないといえます。、チェルノブイリ事故では5年後から子どもの甲状腺がんが増えました。私たちはこれから5年後の未来を覚悟しなければなりません」

このように話す槌田部長を食い入るように見つめる参加者は幼い子どもを連れた人が多く、なかには涙ぐむ人もいます。国や東京電力に対する憤り、やるせなさが会場を包みます。

「ベクレル」や「シーベルト」を分かりやすく解説

国は100ミリシーベルト程度までの放射線被ばくについては人体への影響は判別できない、だからあまり心配はないという姿勢です。一方、生活クラブはどんな微量の被ばくでもそれに比例して確率的に発がん性や発達障害などの影響があるという態度で臨んでいます。しかしながら福島第一原発事故により汚染のない食材だけを調達することはできなくなったので、ほぼ全品目の消費材の簡易放射能検査を実施し情報公開をするなかで、考えて食べようというスタンスです。これは国などの「規制値以下なので、安心して食べてください」という姿勢とは明確に異なります。

槌田部長は被ばくとがんによる死亡の関係について次のように語ります。

幼い子どもを連れた参加者も「1ミリシーベルト被ばくすると1万人に1人の割合でがんが増え、その半分ががんで死亡すると言われています。20ミリシーベルトの被ばくを1万人の子どもがすると20人ががんを発病し、そのうち10人が死亡する計算です。一方、被ばくによらないがんによる死亡数は、1万人当たり3000人と推計されています。たしかに被ばくによる死亡は10人かもしれませんが、きっと3010人のお母さんが『今回の原発事故による被ばくで、子どもが死んだ』と思うでしょう」

このような大きな悲しみが原発事故にはつきまといます。

新聞では毎日、各地の環境放射線量などが発表されています。ところが、そのほとんどは1時間当たりの数値で、年間にどれくらい被ばくするのか換算しにくい側面があります。また、食品の放射性物質の検査結果は「ベクレル」という数値で表されます。これも食べることでどのくらい被ばくするのかよく分かりません。

これらの疑問に対し、槌田部長は次のようにアドバイスします。

司会を務めたふくしま単協理事の竹田京子さん「1年はおよそ1万時間ですから、毎時の空間線量を表すマイクロシーベルトの値を10倍し、単位をミリシーベルトにすれば大まかな年間の外部被曝量が換算できます。たとえば0.3マイクロシーベルト/時のところで1年暮らすと、3ミリシーベルト/年という計算です。また、『ベクレルを50で割るとマイクロシーベルトになる』というのが、おおよそのベクレルとシーベルトの換算です。ですから1kg当たり200ベクレルの食品を100g食べるとすると、0.4マイクロシーベルトの被ばくになるといえるでしょう」

放射線量が比較的高い福島市で暮らし続けなければならない参加者に対し、同じ市内で東部から西部に移ることでも外部被ばくが変わることや、外部被ばくが多いのだから食べものによる内部被ばくを少なくするなどのアドバイスがありました。

講演後、参加者からは甲状腺がんや道路の除染の方法などさまざまな質問があり、子どもの予防検診が今後重要になること、アスファルトの除染は洗浄だけでは足りず、表面を薄く削る必要があるとの指摘が槌田部長からありました。

このような槌田部長を講師にした放射能学習会は無料で行われています。この学習会の費用はカンパで賄う予定です。現在、全国の生活クラブでは第2次カンパを募っていますので、ご理解ご協力をお願いします。

 

<災害対策・第147報>重茂に船を送ろう!消費材の放射能検査をすすめよう!東日本大震災復興支援第2次カンパのお願い

 <災害対策・第144報>生活クラブふくしま報告No.10

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