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<災害対策・第161報>消費材全品目の放射能検査に向け、生産者説明会を開催

生活クラブ連合会は消費材の放射能検査の対象品目を拡充するため、2つのデリバリーセンター(消費材全般の飯能DC、青果物の戸田DC)に新たな食品放射能測定装置を自前で配備し、9月からほぼ全品目を対象とする生活クラブ消費材放射能検査を開始します。
それに先立った8月3日と26日の両日、一般の消費材と青果の提携生産者に向けて、9月からの放射能検査の説明会を開催し、生産者とともに放射能汚染に立ち向かうために消費材の原材料や製品の自主検査を生産者に求めました。(9月2日掲載)

組合員が自分で判断できるよう、すべての検査結果を公表

3日の説明会には約200人の生産者が集まりました遺伝子組み換え食品や不要な食品添加物の排除を生活クラブは生産者と一体となって進めてきました。また、国内自給力の向上に力を注ぎ、地域の畜産や農産物、食品加工の生産者と横断的にネットワークを組んで循環型の産地づくりに取り組んできました。

このようにさまざまな食の問題に対し生産者と車の両輪のように活動をしてきた生活クラブにとって、今回の原発事故による放射能汚染はこれまでの組合員と生産者の努力を台無しにしかねない事態を招く恐れがあり、強い憤りを感じています。

しかし、改めて生産者とともにこの未曾有の放射能汚染に立ち向かうため、生活クラブは9月から実施する全品目の放射能検査の概要と、生産者に放射能の自主検査を要請する説明会を8月3、26日の両日にわたって開催しました。3日の説明会には約200人の生産者が、そして26日の青果の生産者への説明会には約100人が参加しました。

生活クラブ連合会の加藤好一会長生活クラブ連合会の加藤好一会長は、次のように生活クラブの方針を強調しました。

「福島第一原発事故にともなう生活クラブの対応方針はあくまでも暫定です。なぜ暫定かといえば、1986年のチェルノブイリ原発事故以来堅持してきた放射性セシウムは国の基準の10分の1の37ベクレル/時という自主基準を、現在は非常事態だからやむなく運用を停止しているからです。生活クラブは国の暫定規制値でよいとはけっして考えていません。私たちはチェルノブイリ事故後、他の団体とともに市民による放射能測定室を開設し、20数年来消費材の検査を続けてきました。しかし、検査できる品目は1日当たり3点が精一杯で、チェルノブイリ事故に匹敵する今回の史上最悪の原発事故に対し、組合員が不安に思うのは当然です。放射能被ばくに『これ以下なら安全』といえる『しきい値』はありません。そこで、消費材全般を扱う飯能デリバリーセンター(DC)と青果物の戸田DCの2カ所に自前で放射能測定器を設置してほぼすべての品目を対象に消費材の放射能検査を実施するとともに、その結果を公表することとしました。行政など他が公表しないものを明らかにすることで、風評被害を招く懸念や新たなコストがかかります。ですが、この未曾有の事態に対し、組合員一人ひとりが判断するためにぜひご理解をいただきたい」

加藤会長はチェルノブイリ事故では8000km離れた三重県のお茶でも放射能が観測されたことを例に挙げ、“放射能との長期的な闘い”になると述べました。

生産者に原材料などの自主検査を要請

チェルノブイリ原発事故との比較をする槌田博品質管理部長放射能検査の責任者である生活クラブ連合会品質管理部の槌田博部長は、検査の意義を提携生産者にこう訴えました。

「厚生労働省は放射能検査の規制値などをつくりますが、検査は地方で行うよう通達をするだけです。一方地方はといえば放射能汚染を公表することで悪い風評を起こしたくないので、検査をいまだにしないところもあるのが実態です。また、検査を実施していても極力きれいにきれいに洗うなどして放射能が測定されないようにしていることが容易に想像されます。これでは組合員をはじめ消費者が知りたい真の情報とはいえません。国があてにならないなかで、生活クラブが全品検査を実施する意義はここにあると思います」

1週間の取組み消費材は約600品目あります。これを2つのDCで1日それぞれ60品目ずつ検査し、連合会のホームページで結果を掲載する方針です。このことにより組合員は消費材が配達される週に、すべての検査結果を知ることができるようになります。

しかし、生活クラブは組合員が申し込む時に、一人ひとりが判断する材料として検査結果が分かることをめざすため、生産者の自主検査が不可欠です。

生産者に自主検査の要請をする吉田弘之事業部長生活クラブ連合会の吉田弘之事業部長は、生産者にこう呼びかけました。

「コメは玄米への影響を事前に見極めるために土壌、稲、籾米、玄米の各段階で自主検査を要請します。畜産物は牧草や飼料について、水産物や加工食品、酒は原材料の検査をお願いしたいと思います。また、野菜は各産地の土壌を、果実はもっとも出荷の早い品目の自主検査をお願いします」

加工食品の原料や青果の対象エリアは静岡県・長野県・富山県以東の本州で生産されたもの、水産物は東北から太平洋沖で漁獲されたものなど食品によって検査対象は異なります。しかし、いずれにせよ生産者には新たな負担が伴います。

生産者からは「たとえ国の規制値以下でも放射能が検出されれば、組合員は利用しなくなるのではないか」など危惧する声も挙がりました。

同様に「組合員の要望に応えて努力して消費材をつくってきた自負がある。それに対し“数字”だけ一人歩きする恐れもある。生活クラブは生産者の取組みをもっと組合員に伝える必要があるのではないか」との意見がありました。

また、「生活クラブも生産者も風評被害などの損害を、東電に対し積極的に賠償請求すべき」という呼びかけもありました。

青果の生産者である(有)丸エビ倶楽部の海老沢衛社長そして青果の生産者説明会では生産者代表として茨城県の(有)丸エビ倶楽部の海老沢衛社長から、次のような挨拶が最後にありました。

「私たちは化学合成農薬や化学肥料を極力つかわず、土づくりを重視して野菜をつくってきました。その土が原発事故によって汚染された恐れがあります。今後、どこが汚染されているのか調査していきますが、放射性セシウムの半減期は30年です。放射能とまさに長期的な闘いをしなければならなくなりました。しかし、この闘いは次世代に農地を引き継ぐために避けて通れません。生活クラブの組合員のみなさんと一緒に歩んでいきたいと思います」

生活クラブ連合会は今回の震災、原発事故による消費材の放射能対策などの情報をよりていねいに組合員に届けるため、9月上旬よりホームページをリニューアルする予定です。

 

26日の青果の生産者説明会ではNHKの取材がありました3日の説明会で挨拶をする生活クラブ親生会会長である(株)平田牧場の新田嘉七社長

 

 

 

 

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