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子どもの甲状腺検査活動に全国各地で取り組みます

 生活クラブは12月から1月にかけて、子どもの甲状腺検査活動に全国各地で取り組みます。目的は福島県で行われている子どもたちの甲状腺検査の結果を市民の立場から比較検証すること、そして、福島県外でも不安を抱えて暮らしている親子の早期検診のためです。

福島県による甲状腺検査の問題点

 東京電力福島第一原発の事故によって、私たちは被曝に対する不安のなかで日々生活しています。チェルノブイリ原発事故では、放射性ヨウ素の影響で、事故の5年後から子どもたちに甲状腺がんが増加したことがわかっています。
 福島県が県内の子どもたち全員を対象にして甲状腺検査を始めたところ、受診者80,174人(2012年8月現在)の約39%にあたる31,579人が「A2」判定となりました。

<A2判定とは?>

判定 説明 対応
A1 結節(しこり)や嚢胞(液体がたまった袋のようなもの)を認めなかったもの 二次検査必要なし(次回の検査は2年後)
A2 5.0㎜以下の結節や20.0㎜以下の嚢胞を認めたもの
5.1㎜以上の結節や20.1㎜以上の嚢胞を認めたもの 二次検査実施
甲状腺の状態等から判断して、直ちに二次検査を要するもの

 A2判定を受けた親子に対して、県は「小さな結節(しこり)やのう胞(液体がたまった袋のようなもの)がありますが、二次検査の必要はありません」と書かれた、何の説明もない一片の通知を送付するのみだったため、多くの親子が不安に陥りました。県のこのような対応に対して市民からの苦情や問い合わせが殺到したため、県は「甲状腺検査 A2判定結果の追加説明のお知らせ」を追加送付しましたが、市民の不安は解消されていません。「A2判定が39%って、ちょっと多すぎない?」という素朴な疑問に答えるための比較データが存在しないからです。
 不安にかられセカンド・オピニオンを求めて、県外の医療機関を訪ねる親子もいます。しかし、他の医療機関にかかるにあたり、県民は自分のカルテや検査の画像を入手することが困難な状況に置かれています。県は「条例にもとづき情報公開請求しなければ開示できない」と対応しているからです。県のこのような対応に対しても、市民からの批判が相次いでいます。
 また、医師・医療機関がセカンド・オピニオンを自粛する動きも県内外ですでにみられます。県による検査を指揮しているのは、福島県立医科大学の山下俊一副学長ですが、彼は日本甲状腺学会長でもあります。彼は、「日本甲状腺学会 会員の皆様へ」という通知上で、セカンド・オピニオンを求める親子への対応について、「追加検査が必要ないことをご理解いただき、十分にご説明いただきたく存じます。」と、全国の医療機関・医師に対して要請していました。「自粛を招いたのはこの通知が原因だ」との批判が市民から相次いだため、彼は「他の医療機関での検査を否定しているものではございません」という再通知を発信せざるを得なくなりました。
 このように、県による検査はさまざまな問題を抱えています。子どもたちの健康を守ることも、そのために自分の子どもに関する情報を知る権利も、二重の意味で福島県民は厳しい状況に置かれています。

福島の子どもと知る権利を守るための活動

 生活クラブ連合会は、生活クラブふくしまからの呼びかけに応え、「福島の子どもと知る権利を守るための活動」にグループで取り組むことを決めました。
 生活クラブのある各都道府県で、子どもたちの甲状腺検査活動に取り組みます。福島県と比較できるデータを、国の調査※を待たずに市民自らが集めようという取組みです。個人情報を保護したうえで、合計750人以上の参加規模をめざしています。国の調査では、福島県と同様の問題を抱える恐れがあるからです。調査結果は、2013年3月頃にとりまとめる予定です。現在、この活動に協力してくれる医療機関のリスト化を各地で進めています。このリストは、福島の子どもたちのセカンド・オピニオンのためにも今後役立つはずです。この活動に必要な費用450万円は、生活クラブ組合員から寄せられた復興支援第2次カンパ金の一部から充てて活用します。
 なお、具体的な活動方法は都道府県ごとに異なりますので、詳しい情報は各地の生活クラブから組合員のみなさんに対してお知らせします。

※    国(内閣府)は、比較のためのデータを集めるために、長崎県・山梨県・青森県で計4,500人規模の比較検査を実施すると発表しました。(11月20日 長浜環境相の記者会見)

 
 

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