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アジアの主食「コメ」とナスの原産地を守るために遺伝子組み換え作物の現状と課題を共有

 生活クラブも参加している「食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク」(略称:食農市民ネット)では、国連が定めた国際生物多様性の日(5月22日)にあわせたシンポジウムを毎年開催しています。今年は5月24日(土)に、フィリピンとバングラデシュからゲストをお招きし、国際シンポジウム「大丈夫?食べものと生物多様性~アジアにおける遺伝子組み換えの現状と課題」を東京で開催しました。

フィリピン「ゴールデンライス」とバングラデシュ「Btナス」

 フィリピンでは、ベータカロチンを多く含むイネ「ゴールデンライス」の商業栽培への懸念が高まっています。「フィリピン稲研究所が、2013年1月に試験栽培終了を宣言し、現在は承認申請の準備中です」と「第三世界ネットワーク」のリー・アリウェロさん。第三世界ネットワークは、フィリピンとマレーシアで遺伝子組み換え作物がアジアに入ってくることを食い止めるための活動を展開しています。

 一方、州政府ではGMOフリーゾーン(遺伝子組み換え作物栽培拒否地域)を宣言する動きもあります。たとえば西ネグロス州と東ネグロス州では、両州の知事が2005年に「ネグロス・オーガニックアイランド」構築の合意書に署名。「島全体で統一して持続可能な農業による農村開発を目指すことで合意しました」(アリウェロさん)。両州は合意書の発効後に「遺伝子組み換え動植物の入島、導入、輸入を禁止する」条例を採択しました。アリウェロさんらは、政策提言の戦略として、まず有機農業条例の可決を目指し、それを足掛かりに遺伝子組み換え作物禁止条例をつくる活動を展開していると言います。
 バングラデシュでは、今年になって害虫抵抗性の遺伝子組み換えナス(Btナス)の商業栽培が始まりました。「バングラデシュはナスの原産地の中心に位置し、ナスの野生の近縁種が広く見られます」とSHISUKのサキウル・モルシェドさん。SHISUKは、「教育・健康・開発プログラム」の略で、自助にもとづく持続可能な地域開発をモットーとするNGO(非政府組織)です。ナスの原産地であり、数百年にわたって248品種ものナスが栽培されてきたバングラデシュでは、ナス農家が自家採種してナスの品種を保存してきました。そのような国に遺伝子組み換えナスが導入されることに反対し、モルシェドさんらは最高裁判所に対し、商業栽培の前に広範な研究を求める請願を提出するなどの活動を繰り広げています。
 「私たちは、この遺伝子組み換えナスが作り出す殺虫毒素を食品として利用してきた経験がありません。生物多様性条約のカルタヘナ議定書(遺伝子組み換え作物の国際取引が生物多様性に与える悪影響を防ぐための国際条約)に加盟している国々に、遺伝子組み換え生物が環境に広がるのを阻止するよう呼びかけたい」とモルシェドさんは講演を締めくくりました。 

カルタヘナ議定書締約国会議に向けた韓日の連帯

 カルタヘナ議定書の第7回目の締約国会議(MOP7)が韓国のピョンチャンで9月29日から開催されます。生物多様性の日記念シンポジウムには、「MOP7韓国市民ネットワーク」から連帯のメッセージが寄せられました。このネットワークには現在、農民団体、生協、市民団体、研究所、学校給食団体など21団体が参加し、MOP7に向けた市民の動きを準備しています。食農市民ネットは、この韓国の動きと連帯し、遺伝子組み換え作物から生物多様性を守る活動を展開していきます。

 
 

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