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ワシントンDCの食品安全センターを訪問。遺伝子組み換え食品の義務表示が、ようやく米国でも!

 生活クラブ連合会は、アメリカ産NON-GM(非遺伝子組み換え)トウモロコシの長期種子供給協定の調印式へ参加するため、10月4日~12日にかけて米国に代表団を派遣しました。

 この訪米の際、10月6日にワシントンDCへ立ち寄り、ホワイトハウスから車で10分の最寄りに事務所を構える食品安全センターを訪問しました。同センターは、全米に50万人の会員を持つ市民団体で、連邦政府議会や各州の州議会に対して、GM表示法の成立を求める全米の運動の中心役を果たしてきました。

遺伝子組み換え食品の義務表示が、ようやく米国でもはじまる!
オレゴン州の住民投票のゆくえ

 11月4日に米国で中間選挙(国会議員選挙)が行なわれました。この選挙と同時に、米国各州では、さまざまな州法案の住民投票が実施されました。このうちオレゴン州とコロラド州では、遺伝子組み換え食品の義務表示制度(“GMO labeling”、以下「GM表示」)を導入するための州法案について、住民投票が行なわれました。
 コロラド州の結果は、GM表示の州法案が大差で否決されました。一方、オレゴン州の州法案(Measure 92)は、成立の可能性が残されています。現地時間12月8日現在の開票状況は、開票率95%で、GM表示制度の導入に賛成が752,720票(50.0%)、反対が753,537票(50.0%)と、わずか800票程度の差となっています。(同州政府ホームページより)

僅差時の規定によって全票の数え直しとなったため、最終結果はまだ発表されていません。

バーモント州は2016年にGM表示を義務化、その影響は?

 すでにバーモント州では、2014年5月に「遺伝子組み換え食品の表示に関する法律」が州議会で成立し、2016年7月に施行されることになりました。全米ではじめて、GM表示が法で義務化されます。
 この州法が適用される範囲は同州内ですが、全米に影響を与えると見られています。同州法に則って表示された食品が、全米各地に出回ることになるでしょう。同州以外にも広く食品を出荷している生産者や製造業者が、同州に出荷する製品だけを区分してGM表示をするのは事業効率が悪く、非現実的なためです。
 以前、日本でも同様のケースがありました。2008年の中国産冷凍餃子の中毒事件をきっかけに、「東京都消費生活条例」にもとづいて東京都が調理冷凍食品の原料原産地表示を都内で義務付けたところ、国内で製造・流通される調理冷凍食品はすべて、この義務にそって表示が改善されたケースです。
 バーモント州法の影響によって、遺伝子組み換え食品の表示が、ようやく米国でも広がる見通しです。遺伝子組み換え種子の世界最大の開発企業であるモンサント社は、この法律によって損害を受けるとして、同州政府を相手取り8月に訴訟を起こしました。同州法の及ぼす影響の大きさを物語るできごとです。州政府はこの訴訟費用に対応するための基金を造成しつつ、同法の施行に向けて法令の準備をすすめている状況です。
 実は、バーモント州に先立ち、近隣のメーン州・コネティカット州でもGM表示の州法が成立していました。しかし、このような訴訟のリスクを懸念してか、他の州でも同様の法律が施行されることを、施行の条件とした条件付きの成立でした。バーモント州がこの訴訟を無事に乗り越えて予定どおり州法を施行できれば、他の州政府も後に続くのではと見られています。

継続して情報と意見を交換することで合意

左から、ジェディー・ハンソン氏、コリン・オニール氏、中井孝子 連合消費委員(生活クラブ千葉理事)、福岡良行 連合会専務理事 食品安全センターを訪問した当日は、同センター上級政策分析担当のジェディー・ハンソン氏と、ロビー活動(政府への働きかけ)担当のコリン・オニール氏のお二人が出迎えてくださりました。日米両国のGM表示をめぐる動きと消費者意識などについて情報交換し、今後にむけて連帯の必要性を確認し合いました。
 同センターは、2011年に140万人の署名を集め、連邦政府へGM表示義務化を求める請願を60数団体の連名で行ないました。しかし、連邦政府・議会の反応が芳しくなかったことから、活動を各州政府への働きかけに切り替え、今日に至るとのことでした。

 ミーティングのなかで、ハンソン、オニール両氏から伺った話のトピックは次のとおりです。

  • 2012年カリフォルニア州、2013年ワシントンDCでの住民投票の結果、いずれも49:51の僅差で敗北したが、半数近い市民がGM表示を求めていることが顕在化したのは大きな成果だ。
  • 大手事業者などのGM食品の表示反対派が、住民投票の際にテレビCMなどを使って大々的にネガティブ(反対)キャンペーンを行なっている。2012年のカリフォルニア州では4,600万ドル、2013年のワシントンDCでも2,200万ドルもの資金が投入された。
  • テレビCMの内容は、「GM表示すれば、食費が年400ドル値上がりする」、「危険なものであれば、そもそも食品になっていない」、「アルコール飲料では表示不要なのに、なぜ他の食品で必要なのか」など。ちなみに、オレゴン州の試算では、GM表示に関する消費者負担は日に1セント足らずとのこと。
  • 今後、ニューヨーク州、マサチューセッツ州、ニュージャージー州議会でも、州法の議決が検討されている。
  • GM表示に賛意を表す連邦議員が倍増しているが、州での立法を恐れて連邦法で州の立法に制限をかけようとする動きもあり、注視している。
  • アメリカ国内でNON-GMOを広げる活動として、スターバックスやチェリオなどに不使用や自主表示を求めている。食品関連企業に、消費者の声として要望を届ける活動を推進している。事業者と市民団体による緩やかなネットワーク運動「Just Lavel It」(「ちゃんと表示しよう」の意)を2011年に設立し、食品安全センターも参加している。

食品安全センターとのミーティング
日米両国のGM表示制度が、GM作物・食品の広がりのゆくえを大きく左右するであろうとの考えにもとづき、ミーティングの終わりに、日米の市民が連帯して、継続して情報と意見を交換することを合意しました。

 
 

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