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高浜原発再稼働に関する意見を提出

生活クラブ連合会は、「関西電力株式会社高浜発電所3号炉及び4号炉の発電用原子炉設置変更許可申請書に関する審査書案」についてパブリックコメントを提出しました。

原子力規制委員会は、高浜発電所3・4号炉の原子炉設置変更許可申請書について審査結果を12月17日にとりまとめ、規制基準に適合しているとしました。新規制基準に基づく審査としては川内原子力発電所に続き2例目となります。
これに対し、生活クラブ連合会は1月16日、審査結果の問題点について、パブリックコメントを提出しました。

全文は以下の通りです。

意  見

◆ 1ページ(本審査書の位置付け)、430ページ(審査結果)

  • 原子力規制委員会の田中俊一委員長は、この審査書について「安全を保証するものではない」と述べています。そうであれば、それを審査書の位置付け明記し、審査結果においても説明すべきです。
  • 川内原発の審査書案では、寄せられた意見と反映の仕方について、原子力規制委員会の定例会合で簡単な報告があっただけで、多くの意見が反映されませんでした。少なくとも適合性審査の会合を開いて、反映の仕方について公開で議論すべきです。また、審査書案の確定の前に、住民からの意見を直接聞く公聴会を合わせて開催すべきです。
  • 新規制基準では、重大事故対策が新たに加わっていますが、本審査書案では、MOX燃料を用いた場合の解析がなく、ウラン燃料を用いる通常の運転と同じ扱いとなっており、プルサーマル運転の危険性について考慮されていません。MOX燃料はウラン燃料とは異なり、燃料が溶融する温度が低く溶融しやすい、制御棒の効きが悪い、臨界に達しやすいなどの危険性があります。MOX燃料の場合、長寿命核種の影響で、重大事故で放出される放射能はウラン燃料よりも多くなり、被害が拡大します。このような危険性について検討されていない本審査書案は、不適切と考えます。
  • 重大事故を想定した避難計画を含む原子力防災計画が適切で実効性のあるものかどうかを確認する法的な手続きがなく、適合性審査でも検討の対象となっていないのは重大な欠陥です。福井県・京都府の避難先となっている兵庫県内の避難所の多くが、土砂災害等の危険区域に設定されています。避難所が危険区域にあることは、改正された災害対策基本法及び原子力災害対策特別措置法に抵触します。

◆16~18ページ(地震動評価)

  • 震源を特定して策定する地震動について、本審査書案では、強震動予測手法(レシピ)を用いた評価を行い、基準地震動を設定しています。高浜原発の基準地震動の加速度をもたらす基となる地震モーメント(地震の規模)は入倉・三宅式を用いて計算されていますが、入倉・三宅式で計算するのは世界中の地震の平均値であり、日本に固有の地震だけを集めて平均をとった武村式では、入倉・三宅式の4.7倍になります。断層モデルについて、日本の地震の特性を考慮すれば、約4倍の規模のものを想定すべきです。
  • 199~203ページ(水蒸気爆発の危険性)
  • 水蒸気爆発について、本審査書案では、「発生の可能性が極めて低いとしていることは妥当」としていますが、その判断根拠とされた諸実験結果は、実際の原子炉に適用可能であるか確かめられていません。実験での溶融物の量は実際の原子炉の千分の1以下と小規模であり、実際に適用できるかどうか疑問です。大規模確証試験を公開で実施すべきです。

◆365~412ページ(重大事故対策)

  • 適合性審査では、福島第一原発で現に起きている汚染水事故(格納容器下部が破損して冷却水が漏れ、汚染水となって外部に放射能が大量に拡散している)について検討しておらず、防止策もとられていません。これは、格納容器が破損した場合でも、放射能の大量の拡散を防止する策を講ずるよう要求する新規制基準に違反します。

◆430ページ(審査結果)

  • 福島第一原発事故から4年近く経過しようとする現時点でも、10万人を超える放射能汚染被害者が避難生活を継続しており、福島第一原子力発電所サイトからの放射能の流出が止まらない状況が継続しています。この現実を現代科学技術が解決できないままに、電力会社から提出された原発再稼働のための許可申請書を審議すること自体が、著しく非科学的な行動です。まず、現代科学の敗北を認め、原子力を放棄することこそが、科学的な選択です。その上で、放射能汚染の被害者を完全に救済し、安全に原発の廃炉と核廃棄物の保全を推進することに、科学者の皆さんは全力で取り組んでください。

 

以上

 

 
 

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