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TPP批准に反対・関連法案の強行採決に抗議します 生活クラブ生協連合会が見解を発表

生活クラブ生協連合会は、あらためてTPP批准に反対し、衆院特別委員会での強行採決に抗議する見解を11月10日に発表しました。


衆議院TPP(環太平洋連携協定)特別委員会での実質審議が充分に尽くされていないなか、11月4日に委員長職権で開催された特別委員会でTPP承認(批准)案と関連11法案の採決が強行され、与党(自民党・公明党)と日本維新の会の賛成多数で可決しました。今後、衆議院本会議で可決され、参議院で送付後30日の間に議決できなかった場合、または、参議院が否決し両院協議会で成案が得られなかった場合、条約に関する衆議院の優越規定に従って、批准案は成立してしまいます。

自民党は、「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」というスローガンをポスターにして、2012年の衆院選で政権に復帰し、現在の第二次安倍政権が発足しました。そして、2013年のTPP交渉参加の際に全会一致で挙げた国会決議※を守らなかったにも関わらず、国会答弁では嘘と詭弁を繰り返して国民を欺き続けており、関係大臣が失言をくり返しても責任を取らせぬままです。先のスローガンに照らせば、“ウソついた。TPP断固賛成。ブレまくり。”と言わざるを得ず、容認することはできません。

※「農林水産物の重要品目について、引き続き再生産可能となるよう除外又は再協議の対象とすること。」や「交渉により収集した情報については、国会に速やかに報告するとともに、国民への十分な情報提供を行い、幅広い国民的議論を行うよう措置すること。」等。

私たちはこの間くり返し、食と農・暮らし・生命そして地域を守るために、この国のかたちのゆくえを大きく左右するTPPに反対する意見を表明してきました。現在、「TPP協定を今国会で批准しないことを求める緊急署名」(「TPPを批准させない!全国共同行動」が呼びかけた国会請願署名)にも取り組んでいます。

私たちは、情報公開と実質審議を避けようとする政府・与党による性急な国会運営に反対し抗議します。政府・与党は審議を急ぐ理由として、11月8日の米国大統領選挙前に衆議院を通さなければならないと説明してきましたが、性急な国会運営や大臣の失言の結果、間に合いませんでした。そもそも、米国の大統領選に勝利したトランプ氏はTPPに反対しており、就任初日(来年1月)に離脱すると表明しています。TPP署名12か国のGDP(国内総生産)合計に対して、合わせて85%以上の国が批准しなければTPPは発効しません。約60%を占める米国が離脱すれば、TPPは座礁します。日本政府は、オバマ大統領の残された任期中に米国の批准を促すためだとして、採決を急ぐ理由の辻褄を合わせようとしていますが、米議会で過半数を占めた共和党の重鎮マコネル上院院内総務は選挙後の記者会見で「TPPが年内に議会に提出されることは確実にない」と述べています。米国を理由に審議を急ぐ理由はもはや無くなりました。衆議院本会議ならびに参議院で性急な審議・採決が繰り返されぬよう求め、以下のとおり見解を表明します。

1.きちんと情報公開されず、国民的な議論も合意形成もないまま、批准すべきではありません。

●共同通信社が10月29・30日に実施した世論調査によれば、TPP承認案・関連法案について、「今国会で成立させるべきだ」は17.7%、「成立させる必要はない」が10.3%、「今国会にこだわらず慎重に審議すべきだ」が66.5%の結果となりました。世論の大半は、慎重審議を求めています。

●協定全文の翻訳が未だなされないまま、すなわち、協定全文を読んだ国会議員がほとんどいないまま批准しようとする国会のあり方は、異常と言わざるを得ません。米国をはじめ交渉参加12カ国を見渡しても、慌てて批准しようとしている国は日本の他にありません。

●きちんと情報公開されず、国民的な議論も合意形成もないまま、性急な審議・採決によってTPPを批准すべきではありません。

2.なぜ、民主主義をおろそかにして、慌てて批准しようとするのでしょうか?


●今国会では、急ぐべきパリ協定(2015年の国連・気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で締結)の批准審議よりも、米国大統領選挙前に間に合わせるとしてTPPの批准審議を優先してしまった結果、11月7日に開会した同会議(COP22)への正式参加が間に合わないという国際的な失態を演じてしまいました。また、国連総会(第一委員会)で10月27日に「核兵器禁止条約」の交渉開始決議案が賛成多数で採択されましたが、日本は唯一の被爆国でありながら米国などとともに反対票を投じ、国内外から多くの批判・疑念の声が寄せられました。

●英国の国民投票によるEU離脱や、米国大統領選での“トランプ旋風”そしてトランプ氏の勝利などを見ると、グローバリズム一辺倒の新自由主義への疑念や拒否感が世界中で広がっていると言えます。政府・与党は、このような世界の趨勢を見ずして、米国そして多国籍資本への追従の姿勢を露呈していると言わざるを得ません。

3.TPPは日本の地域社会の土台を破壊する恐れの強い協定だと言わざるを得ません。

●TPPは、政府が「食料・農業・農村基本計画」で掲げている「自給力向上」政策に反しており、食料安全保障政策を放棄するものだと言わざるを得ません。日本の第一次産業およびその関連産業に、壊滅的な打撃をもたらす恐れがあります。中山間地農業や小規模家族農業を淘汰し、民間資本の導入による大規模農業化へ農政をシフトしようとする政府・規制改革推進会議の狙いは、TPPでめざす農政のあり方と表裏一体のものと言えます。現在進められている農協改革という名の農協規制も、生乳指定団体制度や飼料用米制度などへのこれから強まるであろう見直しも、この文脈のなかにあります。さらなる価格破壊・規制破壊・生産破壊によって、全国の志ある生産者ならびに自覚的消費者が、この国にますます存在しにくくなります。

●食料・農業問題に限らず、地域経済(金融、保険、医療など)に広範に与える悪影響も深く懸念されます。東日本大震災と福島第一原子力発電所の過酷事故からの復興をめざす東北地域をはじめ、日本の地域社会の土台を破壊する恐れの強い協定です。

●政府・与党はTPPなどをつうじて、この国を対価無しにどころか“お土産”付きで米国そして多国籍資本へ売り渡そうとしていると言わざるを得ません。

4.以上の理由から、私たちはあらためて、TPPの批准について反対を表明します。

以上

【2016年11月10日掲載】

 
 

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