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原子力発電の廃炉費用および東京電力福島第一原発事故の賠償費用を電気の託送料金へ上乗せすることについて、生活クラブ生協連合会が意見書を提出

生活クラブは、原発のない社会をめざして、自然エネルギーによる電気の共同購入やさまざまな活動に取り組んでいます。
現在、政府では、託送料金(電力を供給する送電線の利用料金)に廃炉費用や賠償費用を上乗せすることが検討されています。電力自由化により、新しく電気事業を開始した団体も原子力発電所を所有する大手電力会社と同様に、託送料金を送電会社に支払いが生じます。
生活クラブ連合会は、託送料金および料金の内訳の公開について、11月29日に意見書を経済産業省あてに提出しました。
 
生活クラブ連合会が提出した意見書は以下のとおりです。

2016年11月29日

経済産業省
世耕 弘成 大臣
 
生活クラブ事業連合生活協同組合連合会
会長 加藤好一
 
原子力発電の廃炉費用に関する意見書
 
原子力発電の廃炉費用については、経済産業省総合資源エネルギー調査会「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」及びその下に設置された「財務会計ワーキンググループ」で、原発の廃炉費用および福島第一原発事故被災者への損害賠償を電気の託送料金に転嫁し、新電力を含めたすべての利用者に負担させることを検討しています。
電力を供給する場合、送電線は使わざるを得ず、託送料金に上乗せされるとその分のコストは、電気料金に上乗せされ、新電力の経営を圧迫しかつ公正な競争を阻害することにつながります。このような制度は、原発を持っている大手電力会社への優遇策と言わざるをえません。また、原発による電源ではなく新電力を希望する消費者も、最終的に原発に関わる費用を負担せざるを得ない状況は、利用者から理解を得られるものではありません。
電力自由化により総括原価方式が廃止され、市場が価格を決めることが原則となりました。今回の政策は、この点からも電力自由化に反する考え方です。原子力発電に大きな費用がかかるのならば、原子力を推進する2014年4月策定の「エネルギー基本計画」を見直し、再生可能エネルギーの拡大を目指すべきです。
今回の政策に対し、以下の通り、見直しを要望します。
 
 
1.託送料金に廃炉費用および福島第一原発事故の賠償費用を上乗せしないでください。
 
託送料に原発の廃炉費用および事故損害の賠償費用を上乗せすることは、原発を持つ電力会社の負担を軽くすることであり、結果的に原発の優遇策であり、推進策です。託送料に上乗せされた費用は、新電力の負担となり、事業を圧迫し、公正な競争が行われなくなる可能性があり、電力自由化の理念に反します。
この間、廃炉費用は発電事業者の責任で積み立てきており、今後もそのようにすべきです。廃炉に必要な費用は、原発を所有している電力会社とその利用者が負担することが基本であると考えます。廃炉に必要な費用を確保できなければ、売電価格に反映し原発による電気の利用者が負担するべきと考えます。
原発事故に伴う損害賠償は、原子力発電事業者がその責任において負担すべきです。これまで電力事業者は、原発事業で利益を得てきました。事故責任をあいまいにし、事業の清算もしないまま、この費用を発電事業と関係のない託送料に計上して広く利用者から負担させることは、消費者の理解を得られません。
 
 
2.託送料金は、送配電事業に関わる費用に限定し、料金の内訳を明らかにしてください。
 
送電網は、社会的なインフラでありその利用・運用は公正・中立でなければなりません。大手電力会社のために、廃炉費用など直接送電に関係ない費用を計上すべきではありません。あわせて送電線の公正・中立的な運用を確保するためにその料金の内訳などを公開するなどして透明性を高めていくことを求めます。
 
以上
 
【2016年12月16日掲載】

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