なくせ!ダイオキシン汚染監視運動

ダイオキシンとは?

ダイオキシンは、「ごみ」や「産業廃棄物」を焼却するところで主に発生する強い毒性をもった物質です。大気や水、土壌を汚染し、さらにプランクトンや魚に食物連鎖も通して取り込まれていくことで、わたしたち人間の体内にも蓄積されていくと考えられています。

発ガン性や、胎児への影響、環境ホルモンと似た働きをすることによる生殖異常など、人や動植物にも影響を及ぼす危険のある物質として注目されていますが、日本における行政の取り組みは、欧米にくらべて10年以上遅れているといわれています。

所沢のダイオキシン問題がマスコミを賑わせた頃、生活クラブでも、ダイオキシン問題は所沢だけの問題ではなく、自分たちの地域の問題であり、自分たちの暮らしの問題であると感じていました。しかし、地域のダイオキシン汚染を知りたくても、行政の調査報告がなければ何もわかりませんでした。

そこで、生活クラブでは、地域のダイオキシン汚染の実態を、市民が自ら参加して測定することで、汚染の削減に向けた市民や消費者としての役割の認識や、ごみを出来るだけ出さないライフスタイルへの変換のきっかけとするために、また、行政データをうのみにしてダイオキシン問題を頭を悩ませるだけの状況から、行政や事業者に緊張感をもって適正なダイオキシン対策を進めてもらうための強い武器となると考え「なくせ!ダイオキシン、汚染監視運動」をスタートさせました。

「松の針葉」を環境指針とするダイオキシン汚染調査

自分が住む町の長期的平均的なダイオキシン濃度の測定を松の針葉を使って測定する調査です。

運動の実施手順

実施手順は、各地域の実施団体で異なりますので全国運動の基本設計を説明します。

●ステップ1 市民が調べる

市町村などの地域毎に実行委員会を組織して、この調査活動に参加する市民を募ります。 参加する市民が松葉とカンパを持ち寄り、1検体分の松葉と検査費用(約15万円)を作ります。 たとえば300人が参加すると、1口500円のカンパで1検体を作ることができます。
松葉の採取と同時に、地域のダイオキシン発生施設の位置や状況を調べます。行政へのダイオキシン対策ヒアリングを実施した地域もあります。

集められた試料は、(株)環境総合研究所(東京)に集めて、カナダの分析機関(MAXXAM社)でダイオキシン類の測定分析を行いました。測定は、摂南大学宮田研究室の手法に準拠し、国際的な比較評価ができる精度を求めました。

●ステップ2 市民が提案する

測定調査結果を元に、汚染マップを作成して、自分たちの住む町の汚染状況を把握するとともに、行政や事業者、消費者への提案をします。 (提言)

●ステップ3 市民が実践する

生産・流通・消費・廃棄という一連の消費行動の仕組みと影響を理解し、ダイオキシン発生に加担しない暮らしを実践するために、生活クラブ生協やグリーンコープなどの共同購入への参加を呼びかけます。

●ステップ4 市民がつなぐ

この監視運動の成果を元に、地球規模の視点をもった市民の活動の輪をつなぎながら、これからの経済・社会・文化を「循環・共生型社会」へと転換する活動を広げていきます。

ダイオキシン汚染監視運動の結果

今年の汚染監視運動は、約3万人が参加して、北海道から鹿児島まで200検体以上のダイオキシン大気汚染レベルを全国的なスケールで描き出しました。この測定活動により、松葉のダイオキシン濃度に相対目盛が振られました。松葉(クロマツの葉)を指標植物とすることで、今後はいつでも、測定結果をこの目盛と比較しながら、大気汚染レベルの評価をし、地域のダイオキシン大気汚染が生物に与える影響を客観的に相対化できます。どの一つの測定値をとっても、そこには何百人もの意思が込められています。思いがけず高濃度であった地域や予想通りの測定結果という地域、周辺よりも低い濃度であった地域など結果は様々です。数字に一喜一憂し、あるいは、場当たり的に回避したり、安全宣言するような行動をとっているだけでは、ダイオキシンをなくすことは永遠にできません。測定結果は活動のお仕舞いではなく、現実を知ることが本当の活動の始まりです。ダイオキシンゼロを目指して、私たちは以下の提言をするとともに、原因をひとつ一つ潰していく実践的な活動を継続していきます。

2000年度の測定活動

全国松葉ダイオキシン調査活動は、事務局を(株)環境総合研究所に移して、 松葉の汚染マップがない地域や、問題になる排出源がある地域の調査を継続します。