生産者リレーエッセイ

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vol.7

小林 利明さん提携先共生食品(株)

提携品目 Sマークむし焼そば

Sマークむし焼きそば」は、組合員の皆さんの声と我々の思いが一杯詰まった消費材です。

小林 利明さん


 
 

むし焼そば

共生食品は、神奈川県の北西部に位置する相模原市に生産拠点としての本社工場を持ち、そこで主たる消費材である「むし焼そば」や「冷凍ゆでうどん」などの製造を行っています。創業当初より相模原の地で製造していましたが、当社の製造品目は水を多く使うため、その水を求めて段々と水源に近い西に移動してきており、現在の場所は4ヵ所目となります。
当社の製品は冷蔵品であることから、かつての生活クラブの共同購入では冷蔵・冷凍品の取組みがされていないとのことで、取組みが出来ない状況にありました。しかし、地元の生活クラブ神奈川でデポーという新たな取組み形態が始まり、そこでなら取組むことが可能とのお話をいただき、1982年、生活クラブ神奈川すすき野デポーの開所とともに、取組みが始まりました。その後、共同購入でも取組みが開始され、現在では麺類だけではなく、「餃子の皮」や「春巻の皮」などの皮類、そしてあまり麺類の製造とは結びつきませんが「豆腐類」の製造もさせていただいており、一部の単協で取組んでいただいています。
「むし焼そば」の取組みにあたっては、「かんすいを使用しない」「着色料などの添加物は使用しない」などは今も変わっていませんが、当初、小麦粉に関しては輸入小麦を使用していました。「むし焼そば」など中華麺類と呼ばれるものは、準強力粉と言われる比較的蛋白質の高い小麦が使用されますが、国産の小麦にはなかなか適した小麦がなかったため、輸入小麦が使われるのが一般的でした。そのような中、添加物を使用していないだけで、やろうと思えば誰にでも出来てしまう「むし焼そば」では、消費材としての力として弱いとの危機感から、国産の小麦に変更することを目指し、試作や試食を繰り返し行い、原料小麦の国産化が出来るようになりました。
しかし、課題はまだありました。一般市販品に比べれば特長のある消費材にはなりましたが、何か物足りなさを感じる部分がありました。それは「むし焼そば」が加工品であったからです。お米やお肉、基礎調味料などとは違い、原料の元の形を変えたものであり、普段必ず食卓にのぼるものではないため、あまり目立たない存在であったことです。交流会などでは、「小麦粉が国産なのは良いが、副原料の卵は何を使っているの?食塩はどこのを使っているの?」という質問をいただき、「できれば生活クラブの消費材を使って作れるといいのにね」というご意見などもいただきましたが、その当時は生活クラブ提携生産者の方々の原料は使用しておらず、また一部は輸入品を使用していたため、まだまだ消費材としては未完成だと感じていました。
「もっと組合員の皆さんに近づいた消費材にしたい」。その思いから生活クラブ提携生産者の方々の原料に切替えできるものは切替え、提携生産者の方々から手当できないものは、他社の物であっても国産のものに切り替えるようにしました。しかし、そこには食味の変化や価格問題など、あらたな課題が多く発生したのですが、試作や試食、協議を積み重ね、ようやくリニューアルが出来ました。そして一昨年、組合員要望で「原材料から卵を抜いてほしい」との要望があり、その要望に応えるため、卵抜きの「むし焼そば」を開発しました。(しかし、卵入りの他の製品も製造しているため、製造工程で卵が混ざる可能性の問題が残っているので、完全なアレルギー対応とはなっていません。)

むし焼そば


このように「むし焼そば」は、生活クラブ組合員の皆さんとの関わりから一緒に作り上げてきた、言わば組合員の声と、我々の思いが一杯詰まった消費材となっています。今年、「新Sマークマーク消費材」として「むし焼そば」が認定されましたが、そのようなところもご評価いただいてのことだと思っています。また、国産農産物を積極的に利用する企業や団体を紹介する農林水産省のホームページ・「こくさん通信」でも、この夏、当社が取り上げられました。


ここ2~3年、原料である小麦の価格が上昇し続けています。様々な要素がありますので一概には言えませんが、価格だけではなく自給率の問題なども含め、まだまだ課題はたくさんあると思っています。このような問題に対処していくためには、生活クラブの皆さんとの関係性を、より強固にしていかなければならないと思っています。そしてもっと組合員の皆さんの思いを感じ、我々の思いを届けられるように、これからも生活クラブの皆さんとともに、考え、学び、協力し合っていきたいと思っています。


【次回生産者】

Sマーク戸隠そばの生産者、(株)おびなたの三浦和彦さんの予定です。お楽しみに。

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