生産者リレーエッセイ

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vol.9

二葉 晃司さん提携先二葉製菓(株)

提携品目 Sマークたまごパン、Sマークフルーツキャンディ

生活クラブから問題提起をされた時には、面食らうばがりですが、どれも無駄なことはありません。

二葉 晃司さん


 
 

たまごパン

二葉製菓と生活クラブとの出逢いは1977年になります。それまで生活クラブのお菓子といったら「おせんべい」と「かりん糖」くらいで、「飴玉でもあるといいね」の声により、東京カリントさんのご紹介で取り組みを開始しました。
当初は「二色の飴玉」という「グラニュー糖と水飴だけの白い飴と黒砂糖と水飴だけの黒い飴」のミックス物で、今思えばとても生活クラブらしい、無添加で飴の原点ともいえるような物であったのではないかと妙に感心してしまいます。とはいえ、やはりバリエーションとしてもっと種類があっては――との事で、その後はNB(ナショナルブランド)品を何点か取り組み頂き、1980年頃より「たまごパン」の取り組みも始まりました。たまごパンも最初は一般流通品と同じ物でしたが、小麦粉を国産物に変更し、鶏卵も鹿川グリーンファームさんの物を使用したりと、生活クラブオリジナルのお菓子に変化していきました。飴類も徐々に他の提携生産者の原材料を使用し始め、「マスコバド黒飴」「余乳物語ミルクキャンディ(現ミルクキャンディ)」「わたらい茶飴」と、どんどん生活クラブオリジナルキャンディが産まれて来ました。
取り組みも順調に進み、時代も昭和から平成に変わり10年が過ぎようとしていました。するとある時、思いもよらない事態が発生しました。それは「生活クラブでは遺伝子組み換え作物の使用はしない」という、あまりお菓子屋には関係のないような発表がなされました。当時はまだ先代の父が担当していまして、70歳近い人間にはあまり「ピン」とは来なかったようでした。ただ、新聞の記事で読んで「今後はこんな事になるのか」くらいの思いでいたそうです。一応、生活クラブ連合会からの指示で原材料を検証したところ「飴屋には関係ない」くらいでいた父が、「調べたら水飴がとうもろこしから出来ていて、今後は遺伝子組み換え作物になるらしい」事を知り、主原料の水飴の変更を余儀なくされました。それでも父は「昭和30年代、40年代はコーンスターチの水飴より甘藷の水飴が主流だったから、代替品はすぐに見つかる」と思っていました。
ところが月日は流れ、昭和から平成に変わり10年が過ぎようとしていた時代、過去には普通にあった甘藷の水飴などを作っている所がなくなっていました。昔の伝をたどってみても、どこからも返って来る言葉は同じで、「今時、甘藷を使って水飴を作っている所なんかないですよ」でした。時間はどんどん過ぎて行き、担当者からは「見つかりましたか」とプレッシャーを掛けられ、眠れぬ日が続いたそうです。そんなある日、ワラをも掴む思いで飴を作る機械を専門に作っている会社の社長に尋ねたところ、あっさりと「どこそこで見かけたよ」と、“天からの声”といっても大袈裟ではない程ありがたい返事をもらいました。早速、そこに連絡をし、翌日には訪問し、安定供給の約束を取って来ました。 
とりあえず水飴は見つかったには見つかったのですが、それまで使用していたコーンスターチの水飴は10tのタンクローリーで配達され、そのまま工場2階のタンクに送り込まれ、使用の際もコックを捻れば適量が出て来る仕組みでした。しかし、この甘藷水飴はいわゆる石油缶(一斗缶)入りで一缶25kgあります。しかも冬場は固まり、湯煎をしなくては使用出来ない物でした。しかし、生活クラブの方針を尊重し、従業員をなだめすかし、缶入り水飴の使用に切り替えました。
それから2年の月日が流れ、世間的に「遺伝子組み換え」という事が認識され始めた頃、先に問い合わせた水飴屋さんから「以前、二葉さんで甘藷の水飴を探してましたよね。うちでも作るようになったので使って頂けませんか」と連絡が入りました。これは世間がようやく生活クラブに追いついて来たのだと確信しました。いつでも二歩も三歩も先を行く生活クラブ、問題提起された時には面食らう事ばかりですが、一つ一つどれを取っても無駄な事はありません。

二葉製菓


フルーツキャンディ

フルーツキャンディも開発以来10年を越えましたが、消費材として名前以外全ての内容が変更され、生活クラブならではの一品に仕上がりました。水飴を変え、砂糖をビートグラニュー糖に変え、果汁の中の澱粉を変え、クエン酸を素性のはっきりとした物に変え、香料に至っては溶剤の変更、中に果汁を入れたりと数度の改善を施し、進化しました。
この香料に使用している溶剤のエタノールも、かつてはコーンスターチ由来の物で、「要遺伝子組み換え対策品」でしたが、あまりに二葉製菓からの要望が多く、ついに原材料を遺伝子組み換え対象外のサトウキビ由来の物に変えてくれました。生活クラブでの活動が、直接は関係のない所にまで影響を及ぼしたのです。


私も生活クラブを担当して10年以上になりました。この間、仲間である他の生産者の方々の力を借りて成長させて頂きました。常に先を行く生活クラブとの提携、生活クラブ親生会(生活クラブ連合会の提携生産者の団体)での人との関わりに日々感謝しています。これからも楽しみながら消費材開発に努めていきたいと思います。


【次回生産者】

Sマーク粒状せっけん、Sマークせっけんシャンプーの生産者、ヱスケー石鹸(株)の小林衛さんの予定です。お楽しみに。

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