生産者リレーエッセイ

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vol.16

柳楽昌三さん提携先(有)小島米菓

提携品目 胡麻だくさんせんべい

「素材本来の美味しさを大切にしたい」。1枚の「胡麻だくさんせんべい」には、職人のこだわりが詰まっています。

柳楽昌三さん


 
 

胡麻だくさんせんべい

「昔 ながらの素朴な一枚」という理念をかたくなに堅持しています。私ども小島米菓では一枚一枚丹精を込めてせんべいを製造しています。1946年に埼玉県川越市で創業した当時は、「芋せんべい」の製造・販売が主力でした。時代背景も功を奏して「芋せんべい」は大ヒットとなり、余力で貸したお金の返済がなんと「米菓せんべい」の製造機械一式だったのです。それから見よう見まねで試行錯誤の末、ようやく製品化した「米菓せんべい」でした。米菓せんべいはよく売れ、念願だった自社工場を持つまでになり、以来、米菓せんべいは小島米菓を代表する主力製品の役割を担っています。
食に携わるものとして、小島米菓には三つのこだわりがあります。「国産米の使用」「素性の明らかな材の使用」「せんべいに対する真心」。この三つを捨てて利益を追求してはならないということを常に心がけています。
1993年のコメの大不作の折には、一揆のような騒ぎで日本中が大混乱していました。米菓業界も国産米が不足し、輸入米に大きくシフトして現在に至っています。 しかし、小島米菓では一貫して姿勢を崩すことなく、国産米にこだわりました。1985年から庄内産の原料米が「庄内みどり農業協同組合」から安定供給していただいていましたから、なんとか、混乱なく製造できました。これも生活クラブ提携生産者の強みではないでしょうか。 
さかのぼる事38年前、1972年に生活クラブとの出会いがありました。その結果、当時では当たり前となっていた化学調味料や合成着色料などの添加物の使用に対し、生活クラブの趣旨、意向を理解してそれらを一切使わないと、排除を決めました。また生活クラブからの要望の中には醤油、みりん風調味料は生活クラブ提携生産者の材を使ってほしいとの強い要望もありました。当社では「食に携わる者が食の安全性を考える上では当然のこと」と、その要求を受け入れ、それ以来、生じた問題については生活クラブと共に考え、協議してきました。すべて食の安全のためだと思っています。
三つ目のこだわりの「せんべいに対する真心」には並々ならぬ思いが詰まっています。1977年に、生活クラブと開発した「玄米胡麻入りせんべい」は、当社にとっては初めてのオリジナルせんべいでした。生活クラブとの話し合いで見栄えや風味を良くするための合成着色料、化学調味料を使わず、さらに指定の原料をもとに試行錯誤の日々を費やして、ようやく完成品が生まれたときの喜びの大きさは今も脳裏に焼きついています。その2年後、栄養満点の胡麻をふんだんに入れたせんべい「多胡麻」を開発しました。
しかし「多胡麻」という名称を他社に商標登録されてしまい、名称変更を余儀なくされ、「胡麻だくさんせんべい」に変更しました。しかし、組合員は一度食べて美味しければ名前などどうでもよいことを証明してくれました。今となっては、「多胡麻」より「胡麻だくさんせんべい」のほうが斬新なネーミングに思えます。今ではすっかり定着した小島米菓のナンバーワンせんべいです。

胡麻だくさんせんべい


胡麻だくさんせんべい

胡麻をたっぷり使った甘辛味の風味が香ばしく口に広がります。市販の胡麻せんべいの製造方法と違い、当社では胡麻に蒸気を当てない製造方法で工夫しているため、胡麻の油分と風味が飛んでいかないのです。これが自然の風味を生かし、素材本来の美味しさを大切にしたいとこだわってきたオリジナルな工夫と真心です。1枚の「胡麻だくさんせんべい」に込められた職人のこだわりをご理解いただけるように、さらに日々精進を重ねてまいります。


胡麻だくさんせんべい

生活クラブと共に歩んで38年になります。最初の出会いを大切にしてきたことが、小島米菓にとって大きな財産をいくつも得る喜びにつながって、現在があると素直な気持ちで語れます。組合員と一緒に作り上げたせんべいだから、今後も生活クラブと共に学び、取り組んでいきたいと思っています。


【次回生産者】

伊達巻、桜えびさつま揚げなどの生産者、こめや食品(株)の川崎光一朗さんの予定です。お楽しみに。

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