生産者リレーエッセイ

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vol.19

西村 光示さん提携先東京カリント(株)

提携品目 Sマークかりん糖、Sマークミニリングドーナツ

「かりん糖は、生き物!」です。かたくなに伝統を守りながらも、新しい挑戦を続けます。

西村 光示さん


 
 

かりん糖

伝えていきたい菓子がある
「とても懐かしい味なのに、食べるたびに新鮮!」をモットーに、美味しさのために、かたくなに伝統を守ってきました。でも、美味しさを増すために、他のかりん糖会社が挑戦しなかったことにも挑んできたのも、私たち東京カリントです。材料にこだわり、製法にこだわってきました。例えば、無漂白の小麦粉を初めてかりん糖に使用したのもそうです。漂白してしまった小麦粉では出せなかったあの舌触り、まろやかさの秘密です。そして、黒糖。 黒砂糖はカルシウム、カリウム、鉄分を含んだ天然のアルカリ食品と言われています。この黒糖本来の味わいを存分にお楽しみいただけるよう厳選した黒糖で、秘伝の蜜に作り上げ、かりん糖に美味しさの命を注ぎ込んで参りました。
「かりん糖は、生き物!」 です。かりん糖を美味しく生むには、「発酵」「揚げ」「蜜かけ」で職人の経験と技が大切です。「発酵」に肝心なのが、温度と湿度。「揚げ」は丸釜・三度揚げ。「蜜かけ」は味の決め所。それぞれ様々な条件を、「職人の経験と技、そして設備」にて伝統と新しさを見事に調和させることが、東京カリントの「新・伝統芸」です。
出逢い
「うちの生協は組合員のための本当の製品(消費材)作りをしている」と生活クラブ組合員の方より聞き、当時、「甘いものはいらない」と言われながら、何度も何度も赤提の生活クラブの本部にお伺いし、やっとの思いで、甘いお菓子での第1号として1981年に「かりん糖」が誕生したのが出逢いとなりました。
消費材ができるまで
消費材のコンセプト作りから始まり、当時の生活クラブでは、甘いお菓子を敬遠されていた関係上、甘さを押さえたもの、そして安心出来る消費材として、原材料にSマークの消費材を出来るだけ使おうという事に。また、可能な限り国産の原料を使用することとなりました。当時、簡単に考えていて、すぐ完成できるものと思っていました。しかし、なかなか「美味しい」ものが創り出せない。たとえば、「小麦粉」。今では、国産小麦粉使用のかりん糖は、いくつかありますが、当時は、ほとんど外国産小麦粉使用が当たり前。あれこれ試作してもふんわりソフトな食感がでない。そこで、物は試しということで、国麦のグルテンを加えてやっと理想の食感ができました。また、カラメルを抜くのも一つの冒険でした。
今でも、「かりん糖は、黒糖でできているから黒いもの」と思われている方が多いと思います。しかし、黒糖は以前と違い、製造技術が向上してきているので、本当は真っ黒でないのです。どちらかというと赤みかかった黒色なのです。完成した「かりん糖」は、黒ではない。そして、「甘いのが当たり前」なのが、甘さを30%カットし、そして生活クラブの蜂蜜を使用したあっさりとしたかりん糖が誕生(揚げ油は、Sマークのなたね油を使用する計画でしたが、ラインの関係上難しく、国産の米油になりました)。国産のこだわり素材と美味しさのため妥協しない製法や、頑固な職人魂が込められた伝統の技法でつくられた、とっても「贅沢なかりん糖」でしたが、「本当に大丈夫か?本当に評価されるか?」と、とても心配でした。しかし、当初はすごい反響で、みんなびっくり。生産が追いつかず、大欠品してしまったことの思い出は、代々受け継がれてきています。

生地作り


ミニリングドーナツ

生活クラブとのこれから
出逢いからこれまで、生活クラブとの提携は、当社にとって大変勉強になり、欠かす事が出来ないものであり、そして我々の新しい挑戦とともにありました。例えば、「遺伝子組み換え」への対応、「地球環境」への配慮。ついつい生産者の我々は、今までのやり方に固執してしまいがちで、また、資金的な問題から大きな変革がしにくいのですが、生活クラブや組合員は、時代のニーズを一足早く取り入れ、将来の事を掌握された活動をされています。これからも、我々はともに次世代に向けての課題に、挑戦をしていきたいと思います。
まず、「食の安全・安心」。言うまでもありませんが、「食の安全」は、永久に究め続けねばなりません。また、簡単ではありません。原料管理、工程管理、整理・整頓・清掃・洗浄・殺菌・しつけ・清潔(7S)、メンテナンス、社員教育など……、様々な点で取組みを強化していきたいと思います。その内容を様々な交流の場において組合員に伝えることで、「食の安心」へと繋げていければと考えています。そして、「安心な原料の調達」。昨今、こだわりの原料の調達は、厳しくなりつつあります。こだわりの原料は、今までと違い、高い値段で買えるといった時代でなく、生産自体が減少しているのです。一部のこだわった原料の生産者自体、減少しているのは気がかりです。さらに、「地球環境への取組み」。次世代に向けて、やはり最大の課題となると考えています。ゴミ、CO2排出量の減少をいかにするのかが今後のテーマです。
これらの課題の解決のため、これからもより一層お互いの提携を強く密にして、時代のニーズに合った開発や提案に取組みたいと考えています。そして、かたくなに伝統を守りながらも、新しい挑戦を続け、本当の美味しいお菓子(かりん糖、ドーナツ)を伝えていきたいと思います。


【次回生産者】

Sマーク真塩、Sマーク素精糖などの生産者、(株)青い海の大城健志さんの予定です。お楽しみに。

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