生産者リレーエッセイ

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vol.44

加藤 成利さん提携先枕崎市漁業協同組合

提携品目 かつお炭火焼たたき、かつお、他

“かつおのまち”枕崎からお届けする自慢のかつおをご賞味ください

加藤 成利さん


 
 

グリーンコープの紹介で生活クラブと出会う         

かつお炭火焼たたき 枕崎市漁業協同組合は、福岡地区事業生協連合(現・生活協同組合連合会グリーンコープ連合)の紹介で1990年から生活クラブと取り引きさせていただいており、これまでさまざまな問題に取り組み、ご指導をいただいております。2010年5月からは「かつお炭火焼たたき」をSマーク認定消費材として組合員のみなさんにご利用いただいております。

枕崎は薩摩半島の最南端に位置する“かつおのまち”

 当組合は、鹿児島県薩摩半島南端に位置し、前浜は東シナ海に面した枕崎市にあります。枕崎市は人口約2万4000人、年間平均気温は17~18℃と温暖で、平均湿度は75%前後とやや高めですが、過ごしやすい環境にあります。主要な産業は水産業および水産加工業と農業ですが、枕崎といえば何といってもかつお。300年以上の歴史を誇るかつお漁業を中心に繁栄してきた町です。
 枕崎市漁港は69年3月に全国に13港しかない特定第3種漁港*の指定を受け、以来、遠洋漁業と沖合漁業の拠点港となっています。また、99年7月には漁港単独では日本で初めて貿易港に指定され、南の水産物の流通拠点となっています。
*特定第3種漁港…利用範囲が全国的な漁港のうち、水産業の振興のために特に重要であると政令で定められた漁港。本州と九州のみに分布。

一本釣りのかつおを船上で急速冷凍

漁場へ向かう第三協洋丸(自営の遠洋一本釣り船) 日本では季節の風物詩ともいえる「上りかつお」「戻りかつお」が有名ですが、これは近海で獲れ、鮮魚として出回るかつおです。かつおは魚類のなかでも抜群の遊泳力をもち、熱帯・亜熱帯の海域に生息し、日本近海のような温帯域には季節的に回遊してきます。フィリピン海域から黒潮に乗って北上を始め、3月頃に枕崎沖に現れ、その後、四国、紀伊半島を回り、5~6月に伊豆、房総、常盤沖を経て夏には金華山沖から三陸沖に至ります。これを「上りかつお」といい、高知で水揚げされる時期をもって一般的に「初かつお」と呼ばれています。北上したかつおは、秋になると親潮の勢力の強まりとともに南下します。これが「戻りかつお」と呼ばれるものです。
 当組合で扱うのはこれとは別のもので、1年中、赤道周辺の太平洋の真ん中を回遊しているといわれる「南方かつお」を原料としております。漁場まで2週間ほどかかるため船上で冷凍処理され、冷凍魚として陸揚げされます。
一本釣りは魚を傷つけず、資源にもやさしい漁法です かつおの漁法には大きく分けて、魚群を一網打尽に漁獲する「巻き網」と、昔ながらの「一本釣り」の2つがあります。
 魚群量にもよりますが、巻き網は船上に巻き上げるまでに時間を要します。かつお・まぐろ類の回遊魚は泳ぐのをやめれば呼吸ができずに死んでしまいますし、網の中で暴れるので圧迫されます。その後、船内凍結されますが、ほとんどは緩慢凍結で鮮度にバラつきが出ます。そのため、基本的に加熱加工品として使用されます。
 一本釣りは1匹ずつ釣り上げるため自然にも資源にもやさしい漁法です。釣り上げたかつおは生きたまま、温度が-15℃以下を保つよう管理されたブライン液と呼ばれる濃い塩水の水槽に投入し、急速凍結します。この凍結方法は通称B-1(ブライン凍結1級品)と呼ばれ、キズや打ち身などが少なく鮮度にバラつきがありません。当組合では鮮度のよいこのB-1かつお原料のみを加工し販売しています。

かつお炭火焼たたきの工程

 水揚げされたかつおは自営の冷凍庫で保管し、加工する分だけを前日に加工場に輸送します。「かつお炭火焼たたき」は次のような工程でつくっています。

  1. かつおは凍ったままバンドソー(帯鋸)で頭・尾などを落とし、背節(せぶし)、腹節(はらぶし)の4つ割りにして、グラインドカッター(回転刃)で骨と皮の一部を削り、-45℃以下の超低温冷凍庫へ。ここまでが一工程です。解凍せず凍ったまま加工しているので、「木材を加工しているように見える」とよくいわれます。
  2. 規格重量に合わせてカットします。焼き上げ工程で水分が抜けるのを考慮し、約10%多い重量にカットして超低温冷凍庫へ戻します。これが第2工程です。
  3. 凍ったまま焼成機に投入し焼き上げていきますが、まず、背節だけ、腹節だけというように部位が偏らないように平均にコンベアに乗せていきます。皮目には薄くブライン液が残っていますので、95℃のスチームで約10秒間表面を洗浄し、6メートルの炭火炉の上を通して2分半かけてじっくりと焼き上げます。表面だけ焼き、芯は凍ったままの状態です。
  4. すぐに真空処理をしてパック詰めし、金属探知機で検査したあと急速凍結のフリーザーに投入。焼き上げた部分を約30分かけて凍結し、超低温冷凍庫で保管します。

 冷凍かつおの鮮度保持は品温を上昇させないことが重要です。すべての工程で目視検査を行ないますが、その際にもできるだけ外気温にさらさないように素早く処理します。生産者が一生懸命に獲ってきたかつおの品質を落とさないように、原料入庫から出荷まで品温管理を徹底しています。

炭火で焼き上げたこだわりのかつおをご賞味ください

 私たちの一番のこだわりは、約1,000℃の強力な炭火による焼梱包作業き上げです。ガスなどの炎は空気などを熱することで熱を伝える加熱方法のため熱効率が悪く、焼きムラができやすいのですが、炭火は強い赤外線を発生して直接かつおを加熱し、燃え残った灰からの熱放射も加わります。とくに遠赤外線のエネルギーが大きいので表面を素早く焼くことができ、うまみ成分を閉じ込めると同時に余分な脂肪分は炭火に落ち、その煙でいぶされることでより香ばしい香りがつきます。栄養価においてもたんぱく質が多く脂肪分は少なめで、カルシウムの吸収に欠かせないビタミンDが豊富に含まれ、とてもヘルシーです。お子さんや女性の方にもっともっと食べていただきたいです。
 最後になりますが、当組合では漁獲から原料保管、製造、販売まで一貫体制で管理しお届けしていますので、「高鮮度のかつお」としてどこにも負けないと自負しています。今後ともさらなる品質向上に努めてまいります。


【次回生産者】

トマトジュースなどの製造元、長野興農(株)の岡田勝さんの予定です。お楽しみに。

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