生産者リレーエッセイ

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vol.49

中山 秀見さん提携先(株)NSニッセイ

提携品目 塩さけ熟成切り身、ししゃも、昆布巻、他

北海道の魚介類と加工品をお届けしています

中山 秀見さん


 
 

塩さけ熟成切り身 北海道は、まわりを日本海、オホーツク海、太平洋の3つの海に囲まれており、これらの海は魚のエサになるプランクトンが多く栄養豊富なため、たくさんの水産資源に恵まれています。また、波が荒く海水の流れも速いため、身がしまっておいしい魚が獲れます。北海道の漁業生産量は日本全体の4分の1を占め、日本の食料生産を支える重要な役割を担っています。そのなかでもホッケ、スケトウダラは日本全体の90%以上、昆布は80%以上、サケ・マス、ホタテガイは70%以上が北海道で生産されています。漁業に携わる関係者も日本一と自負しております。
 (株)NSニッセイは、北海道小樽市にある水産加工品の製造会社です。1988年に設立し、生活クラブとの取り組みは塩さけに始まり、ほたてや甘えび、ししゃもなどの魚介類、昆布巻や松前漬などの惣菜まで計30種類以上に広がっています。

温暖化の影響で北海道の海の幸にも変化が

ししゃも その北海道の魚介類の水揚げ状況が数年前から不安定になっています。原因は地球温暖化による海水温の上昇にあると考えられます。エサとなるプランクトンが減少しているともいわれ、魚の成長に影響を与えている原因のひとつと考えられています。
 魚は、その種に適した水温の海域に集まりますので、水温の変化は魚の分布に大きな影響を与えます。暖かい南の海を好む魚が北へ移動する現象が見られ、さば、ぶりもここ数年、北海道での漁獲量が多くなってきています。
 冷たい海を好む、北海道を代表する魚でもあるホッケ、さけ、ししゃもの不漁、小型化、漁獲時期のずれ込みに加え、今年は、さんまが不漁、昆布は過去最低の漁獲量です。これは漁業や水産加工に携わる関係者が多い北海道では重要な問題となっています。漁獲量が少ないと値段が上昇します。そうすると必要な魚種が思うように買えなくなり、結果的に製品単価の値上げをせざるをえなくなります。
 「海のもの」ですので、獲れてみなければわからないのですが、今後は自然の変化にうまく対応していかなくてはいけないのかなと感じています。このような状況の中でも、私たち水産加工業者は組合員の皆さんに「おいしい」「買ってよかった」と言っていただける消費材を作り続けることが使命だと考えています。

消費材「塩さけ熟成切り身」は北海道の独自認証品

ミニ昆布巻 8年ほど前、地元・北海道の地域経済発展のために、自慢できる食品として北海道が認証する「道産食品独自認証制度(愛称:きらりっぷ)」を設けることになりました。水産食品では初めての試みです。ロースハム・ナチュラルチーズ・アイスクリームなど16部門の中に「熟成塩蔵さけ」部門があります。
 さけをまるごと、あるいは半身の状態で塩漬けした加工品というと「新巻鮭」を思い浮かべる人も多いと思いますが、北海道では「山漬け」と呼ばれる伝統的な製法でつくられる「秋さけの山漬け(熟成さけ)」が一般的です。当社も自慢の品を応募させていただき、審査を受けることになりました。
 認証の条件として下記の項目があり、この基準をクリアしたものだけが認証品として認められます。

  1. 北海道産の原材料を使用していること
  2. 材料の産地、製造方法が明示されていること
  3. 衛生管理・食品添加物・遺伝子組み換えなどの安心、安全に関する基準
  4. 特別な原材料や伝統的な生産方法など、優れた商品特性に関する基準
  5. 官能検査(試食)

 おかげさまで、当社の製品はいずれも好成績で、認証品第1号として認証されました。生活クラブの自主管理監査制度に真剣に取り組んできた当社にとって、生活クラブの消費材と同じ考えで取り組めばよかったので、初めてという感覚ではなく、苦労はありましたが、順調に進めていくことができました。こういった知識や経験も生活クラブとの関係によって築けたものと感謝しています。この認証品が現在、消費材として取り組んでいただいている「塩さけ熟成切り身」です。

熟成させることで旨みが増す、北海道の伝統製法「山漬け」

 「山漬け」のつくり方を簡単に説明したいと思います。
原料となるさけは、オホーツク海で旬の時期に水揚げされた、脂ののりがよい「銀毛(ぎんけ)」と呼ばれる秋さけを使用します。そのさけのエラと内臓を除去し1尾、1尾、丁寧に塩を擦り込み、大きなタンクの中に隙間なく均一に並べ、どんどん積み重ねていきます。
 タンクの中には約400尾のさけが積み重なります。その上に重しをすることでさけに塩分がしみ込み、水分がじわじわと抜けていきます。北海道に古くから伝わる伝統的な製法で、さけを山積みにして漬け込むことから、一般的に「山漬け」と呼ばれています。
 数日後、山積みされたさけの上段と下段を入れ替えるために、別のタンクに1尾ずつ積み直して、さらに数日間、重しをして漬け込みます。この「山漬け」中に熟成が進み、旨味成分が増すのです。その後、さけの背・腹・尾の塩分を均一にするために塩分調整をし、最後に、さけの旨みを凝縮するために乾燥機に吊るして余分な水分を除去すると、熟成塩さけの出来上がりです。ここまでに14日間かかります。この14日間の手間ひまが「熟成塩さけ」の旨味やコクを引出すために必要な時間なのです。
 今年の山漬けもおいしく漬け上がりました。ぜひ、北海道の海の恵みをお召し上がりください。


【次回生産者】

クリームシチュールウ、カレールウなどの生産者、丸善食品工業(株)の三浦千代さんの予定です。お楽しみに。

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