生産者リレーエッセイ

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vol.56

川名 将之さん提携先千葉県漁業協同組合連合会

提携品目 ひじき、あさり、真さば、いわし、しじみ 他

生活クラブとの提携が ひじきの価値の向上に繋がりました

川名 将之さん


 
 

千葉県漁業のご紹介

 千葉県は、沖合を黒潮、親潮の寒暖両流が流れる日本列島の中央部に位置し、県土の三方を海に囲まれています。約529Kmに及ぶ海岸線は変化に富み、来遊する魚群や沿岸に生息する生物の種類が豊富で、多様な海の資源に恵まれています。このような恵まれた自然環境のもと、多種多様な沿岸・沖合漁業と、これらの漁獲物を対象とする水産加工業が発達してきました。
 千葉県漁業協同組合連合会は、1952年の設立以来、海の環境保全を図るとともに、水産資源の持続的利用と水産業の発展、水産物の安定供給に努めています。

はじめてのひじき刈り取り産地見学交流会を開催

産地見学交流会で「浜の母さんたち」の手作りのひじき料理を試食 千葉県漁連で唯一のSマーク消費材となるのが「ひじき」です。2014年4月、生活クラブとの交流活動の一環として、ひじきをテーマにしたはじめての産地見学交流会を開催しました。
 連合消費委員会のメンバーがひじきの産地・東安房漁業協同組合(南房総市千倉町)を訪れ、刈り取りから半製品ができるまでを視察。また、“浜の母さんたち”が手作りしたひじき料理の試食や意見交換を通して、房州ひじきの「栄養価値が高い」「茎が太く長い」「海藻の旨みを感じる」などの特性と価値を再認識いただく機会となりました。

 

茎が太くて、長くて、やわらかい
独特の製法で作られる房州ひじき

磯場に繁茂するひじきは黄褐色 千葉県南部の南房総では、親潮と黒潮がぶつかる海流と独特の海底地形の影響で栄養豊かで良質なひじきが育ち、3月から4月にかけての大潮の干潮時が年に1度の収穫時期になります。潮が引くと、海流の恩恵を受けて茎が太く長く育ったひじきが磯一面に広がっています。生のひじきは写真のように黄褐色。待ちかねた漁協の組合員がいっせいに鎌で丁寧に刈り取りを開始します。ゴツゴツした岩場で、潮溜まりにつかりながらの作業です。
 潮が満ち始めるころ、刈り取ったひじきを籠に目一杯、20~30kgは詰めて背負い、足元の悪い岩場をトラックまで何往復もして運びます。
 集められたひじきは鮮度を落とさないように漁協の加工場に搬送し、約2時間釜で茹で、そのまま約2時間蒸らし、機械で30分以上かけて乾燥します。この鮮度とおいしさを逃さないよう収穫から半製品まで一貫した製法は「房州製法」とも呼ばれ、こうしてつくられたものを「房州ひじき」と呼んでいます。手間暇がかかる製法で、千葉県と徳島県(牟岐東漁協)など、一部でのみ行われている加工製法です。生の原藻をすぐに加工するため、水で戻しても太くてつややか、しっかりした食感とひじき本来の旨みが味わえます。
ゴツゴツした磯場に育つひじき。干潮を待って刈り取ります 今でこそ、房州ひじきの価値が認められるようになりましたが、一般的にひじきは茎の細いものが商品価値が高いとされていました。これに対して、房州ひじきは、製法特性から生じる「シオノコ」と呼ばれる白い粉をカビと誤解され、また、茎が太く、見た目の悪さから価値が低く見られがちでした。この白い粉の正体については包材にも記載していますが、実は旨み成分なのです。
 生活クラブとの提携は35年以上になりますが、組合員さんが自分たちの目で確認することで、製品特性を理解し、製品価値を見出していただきました。「他産地のひじきと比較して最初は慣れなかったが、今では生活クラブのひじきでないと」と言ってくださる組合員の方もいます。生活クラブとの提携が今日のひじきの製品価値の向上に繋がったと言っても過言ではありません。

2度の震災を乗り越えて

 古い話になりますが、当地区は関東大震災で海岸が隆起し、ひじき資源が一度絶えたといわれています。しかしながら、約80年前、先人たちの努力により千葉県勝浦のひじきを移植し、再び根付かせたのが、今のひじき生産の根底となっています。これがなければ生活クラブとの提携はなかったかもしれません。ひじきは先人たちが震災から復興し、築き上げてきた大きな財産なのです。
 先の東日本大震災では、千葉県の漁業施設・加工関連施設も大きく被災いたしました。 東京電力の汚染水問題はいまだに収束せず、時間を要するものとなっていますが、われわれ生産者としてできる対策はしっかりと行ない、生産者団体として消費者へ提供する責任を果たしていきます。

魚介類は「ビオサポ」の中心消費材です

 本会では、ひじき以外にも千葉県産の魚介類を供給しています。真さばや真いわし、あさりなどの素材系の消費材から、いわし味付缶、さばの味噌煮、さんま野菜漬などの簡便性を高めた消費材まで約70種類になります。昨今、「魚離れ」がいわれるなかで、生活クラブでは「ビオサポ」の活動が始まりました。魚介類にはさまざまな栄養素が含まれていて、まさに「ビオサポ」の中心のひとつとなる消費材です。
 魚は、とくに子どもたちに食べてもらいたいと思っています。それには親が食べる機会をつくってあげることが大切で、「おいしい」と言って一緒に食べてもらいたいです。私たちは、そんなきっかけとなる消費材の提供に努めていきたいと思います。今後も、千葉県漁連の消費材をご利用くださいますよう、お願い申し上げます。

【次回生産者】

納豆の生産者、(株)カジノヤの宮下正一さんです。お楽しみに。

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