生産者リレーエッセイ

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vol.62

菊地 理恵さん提携先全農チキンフーズ

提携品目 鶏肉 鶏肉から揚げ タンドリーチキン とりもつ煮(ピリ辛) 他

あきらめない気持ちで、 生活クラブとともに国産鶏種「はりま」を育ててきました

菊地 理恵さん


 
 

 当社は、1990年に全農(全国農業協同組合連合会)の食鳥販売事業を統合し、全農チキンフーズ株式会社として発足いたしました。現在は、全農チキンフーズグループとして種鶏生産(ブロイラーの親となる鶏の生産)、孵化、飼育、処理、流通と、鶏肉の生産から販売まで一貫して行なう企業として、日本全国に鶏肉を供給しています。また、産地に隣接した加工食品工場での加熱加工品の製造や、他の全農グループ加工食品工場へ鶏肉原料を供給して加工食品の製造委託なども行なっています。

国産鶏種「はりま」との出逢い

国産鶏種「はりま」 当社と、国産鶏種「はりま」との出逢いは、1991年に生活クラブから、「品質がよく安心して食べられる鶏肉を供給できる生産者を探しています。新しい流通の仕組みづくりにも挑戦しています。共同開発してみませんか」とお話をいただいたことがきっかけだったと聞いております。1995年10月に数々の種鶏のなかから「はりま」を選定し、翌年から独立行政法人家畜改良センター兵庫牧場での育種実験を開始しました。
 群馬農協チキンフーズで本格的に供給を開始したのは2001年のことですが、若鶏の最低生産ロットは70万羽、経済安定ロットは200万羽といわれるなかで、当時は班で1羽セットの取組みとして開始したということもあり、利用総数は40万羽のスタートでした。その後、2004年には(株)秋川牧園、その後、四国のオンダン農協も加わり、年間約170万羽にまで生産が増えて、もう少しで経済安定ロットの200万羽に達します。生活クラブとしての「はりま」の取組意義や目的などについては機関紙やHPなどで語られていますので詳細は割愛いたしますが、取組み開始の1995年から数えて19年、本格供給開始から13年と長い年月が経過しました。

大きな挑戦――日本ではじめてのブロイラー育種

生まれたてのはりまの雛 日本で供給されている鶏肉の98%の原種は海外に依存していて、そのすべてはイギリスのチャンキーと、アメリカのコッブです。この2種で世界のブロイラー種(肉用若鶏)の90%が占められています。残りの2%は日本古来の鶏である比内鶏や薩摩鶏などの”地鶏”です。もちろん地鶏は国産種であることに間違いありませんが、ブロイラーと比べて生産成績が劣るため(*)、生産コストが高くなり、普段食べる肉としてはあまり適しているとはいえません。
 そこで、種から国内でコントロールできる肉用鶏種として「はりま」が誕生しました。しかし、世界の9割を相手に供給し、育種改良技術も先行している世界企業に対して、「はりま」は日本で初めてのブロイラーの育種です。飼育中の突然死の多発や換羽(成長過程で古い羽根が抜け替わること)の遅延、種卵の不足や過剰、チャンキーやコッブの生産能力がどんどん上がっていくに対して、遅々として進まない生産性の改良など、紆余曲折もたくさんありましたが、「はりま」もずいぶんと飼いやすく育種改良を進めることができました。大げさにも聞こえるかもしれませんが、小惑星イトカワから帰還した“ハヤブサ”の挑戦と同じように、あきらめない気持ちで19年間、生活クラブとともに国産鶏種「はりま」を育ててこられたと考えております。
(*)地鶏は100日前後の飼育で2.5㎏、チャンキー・コップは現在では50日で3㎏を超える。はりまは58~60日で2.8~3.0㎏。

太陽の光と風が入る鶏舎で飼育されています

さらなる安心を目指して

全農チキンフーズ本社 「はりま」の本格生産が始まった2001年には、BSE(牛海綿状脳症)の国内発生など、食の安全に不安を覚えるような事件もありました。今また、中国産鶏肉のナゲット問題など、食の安心・安全に関わる問題がいわれています。そのようななかで、種から自己コントロールし、すべてが自分たちの手の中でわかる取組み――私はこの素晴らしい取組みをさらに多くの組合員の方に知っていただけるように、学習会にも積極的に参加し、お話をさせていただいています。ぜひ、学習会でお会いした際には気軽に声をかけていただき、「はりま」や日本の鶏肉のことについてご質問ください。

 

【次回生産者】

甘夏みかんの生産者、生産者グループきばるの高橋昇さんです。お楽しみに。

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