生産者リレーエッセイ

 記事一覧

vol.68

阿部 正直さん提携先下村企販株式会社

提携品目 鉄なべフライパン ほか

鉄のフライパンは一生もの!

阿部 正直さん


 
 

 

当社は洋食器や金物加工の町・新潟県燕市にあり、業務用・家庭用のキッチン用品の企画・販売をしている会社です。生活クラブとのお付き合いは1975年に始まり、包丁や鉄製フライパン、調理用品などをご利用いただいています。今回は当社自慢の「鉄なべフライパン」についてお話したいと思います。

鉄のフライパンは丈夫で長持ち、そして安全です

両面エンボス加工鉄製フライパン26cmフライパンといえば、フッ素樹脂加工(テフロン加工)を思い出す方が多いかと思います。一般に広く使用されており、軽い・錆びない・焦げ付かない・お手入れが簡単など、便利なフライパンとして知られています。

 

でも、フッ素樹脂は塗ったものですから、使用中にどうしても剥がれてきます。使用頻度にもよりますが、2~3年で買い替えなければなりません。また、このフッ素樹脂は、加熱し過ぎると分解して有毒ガスが発生することが証明されています(一般に二百数十℃以上)。便利なものは使い方を間違えると危険です。

 

それに比べて、鉄製のフライパンは第一に安全です。原材料が安全なのです。原材料の鉄鉱石は自然界において酸化鉄(錆びた鉄)として多く存在しています。余談ですが、酸化鉄は化粧品の着色顔料として、黄酸化鉄はファンデーションに、赤酸化鉄は口紅などに、黒酸化鉄はアイシャドーに使用されており、皮膚への刺激が少ないことで知られています。

 

鉄のフライパンの長所には、熱に強い・蓄熱性がある・丈夫で耐久性に優れている・焦げ付きやサビが出ても簡単に再生できる・鉄分の摂取ができる、などがあり、食材の旨味を封じ込めて美味しい料理を仕上げます。

余熱があるうちに水洗い、でサビは防げます

反面、短所として挙げられるのは、サビが出やすい、焦げ付くことがある、が最も多く、次に、重いことです。そもそもサビは、鉄が空気と触れることで発生します。よって地球上にある限り鉄がさびないということはありません。
しかし、この問題は油(なたね油など)を上手に使うことで簡単に解決できます。使用した後は洗って乾かし、油を塗って保管する……という方法が知られていますが、もっと簡単な方法があるんです。

 

フチ切りその方法とは、調理が終わった後、フライパンに余熱があるうちにササラやたわしで水洗いすることです。この時、洗剤は使用しません。ここがポイントです! なぜ、この方法がいいのかというと、水のみなのでフライパンに適度な油が残るんです。この残った油が鉄と空気を遮断する働きをしてくれるのでさびにくくなります。水洗いの後は火に当てて、水分を飛ばすことをお忘れなく。フライパンを使用するたびにこれを繰り返すと、「油なじみ」がよくなるのです。この油なじみが進むと、とても使いやすく、手放せない便利な道具になります。

焦げ付きの原因は予熱不足
さらに使いやすさを追求したフライパンも

窒化加工 鉄深型いため鍋24cm次に、焦げ付きの原因として最も多いのは、調理前の予熱が不十分であることが挙げられます。予熱が十分かどうかは、箸先などから水滴をフライパンに落とし、落ちた水滴が玉になって消える程度、を一応の目安にするとよいでしょう。玉にならなければ予熱が不十分、玉が割れてはじけるようなら加熱しすぎです。

 

最後に、重いことも短所といわれますが、家庭ではフライパンを振ることをお勧めできません。なぜなら家庭用コンロは外食のお店のものとは熱量が違うからです。家庭用は高くてもせいぜい4,000~5,000kcalであるのに対して、業務用は40,000kcalくらい。だから、フライパンを振って焦げ付かないようにしながら余分な水分を飛ばすので、カラッと仕上がるのです。家庭のコンロで振ればせっかくの熱だまりがぬけてしまいます。フライパンはコンロに置いたまま、金属のへラやトングなどで調理することをお勧めします。


窒化加工 鉄玉子焼サビを防ぐお手入れ方法を前記しましたが、もっとさびにくいものがいいという方には、「窒化加工鉄製フライパン」をご紹介します。フライパンの表面に窒素(空気の構成成分)を浸透させ、表面を硬くして鉄イオンを露出しにくくしたものです。塗ったものではありませんので剥がれることなく、人体にも安全です。サビは鉄イオンが表面に露出し酸素と化学反応することで発生します。それを抑えてさびにくくし、さらに焦げ付きにくさもプラスしています。鉄のフライパンをさらに使いやすくするために、加工技術を進化させたものです。

 

多少、面倒でも安全な道具で美味しく調理したいという方に、鉄のフライパンはお勧めです。安心して存分に使えて、サビが出たり、焦げ付いたりしても簡単に再生でき、「一生もの」になる鉄製のフライパンをぜひお勧めします。すでに使われている方はそのよさを再確認のうえ、使い続けてください。

(2015年6月掲載)


【次回生産者】

有機栽培インスタントコーヒーなどの生産者、UCC上島珈琲株式会社の大矢泰司さんです。お楽しみに。

ページの先頭に戻る