生活クラブ独自のしくみ
「生産者支援基金」で
生産者を応援しています。

生活クラブでは、国の基準よりも厳しい放射能自主基準を設け、基準を超えた消費材は供給を停止しています。
国の基準値を超えて出荷を停止した場合は電力会社から損失費用が補償されますが、生活クラブの自主基準値を超えて供給を停止しても生産者には何も補償されません。
このような場合に生産者に損失費用を補償する生活クラブ独自のしくみとして、2013年6月に「放射能汚染に立ち向かう生産者を支援する基金」(生産者支援基金)をつくりました。

放射能汚染に立ち向かう生産者を支援する基金

積み立てのあらまし

生活クラブの「放射能汚染に立ち向かう生産者を支援する基金(生産者支援基金)」は、組合員と生産者のカンパで造成されています。
2014年度~2015年度に組合員から協力いただいた生産者支援基金への積み立て額は、生活クラブ全体の合計で4318万5211円となりました。
生産者からは、合計359万9136円がカンパされ、2013年度の震災復興支援カンパ2000万円とあわせて、基金造成額は6678万4347円となりました。

生産者支援基金の収支 (2016年5月末現在) 生産者支援基金の収支 (2016年5月末現在)

放射能を低減する活動への支援

生産者支援基金は、万が一検査結果が自主基準値を超えて、消費材の供給を停止した場合に、生産者に補償を行うために設置したものです。
しかし、幸い2013~2015年度には自主基準値を超えた消費材はありませんでした。
このため現在は、自主基準値を超えない場合でも、「放射能が継続して検出されている消費材の除染対策」にも基金から費用を支援できるようにしています。
2015年度には、生椎茸の放射能セシウム低減化のためのプルシアンブルー処理の実用化実験の費用として3件((有)丸エビ倶楽部、木更津市椎茸生産組合、中伊豆椎茸部会)、レンコンの放射能セシウム低減化のためのプルシアンブルー処理として1件(栃木県開拓農協のレンコン生産者)、計4件の支援を行いました。

生産者支援基金の今後

放射能の検出値は低減していますが、東京電力福島第一原発の事故は収束しておらず、放射能汚染水の問題、廃炉への道のりなど、課題は山積しています。
このため、今後も生産者支援基金は継続します。
ただし、現状における適用ケースに対しては現在の積立額で十分まかなえると想定されるので、積み立てはいったん停止し、3年ごとの見直しを行うことにしています。


生活クラブ生産者VOICE 放射能汚染に立ち向かう生産者を支援する基金

栃木県 開拓農業協同組合 加藤効示さん
「被害者が加害者になっては
いけない」という思いで
検査を進めています

栃木県開拓農協は東京・神奈川・千葉のデポーで扱っている「開拓牛」と「ほうきね牛」の生産者です。福島第一原発の事故があったあの2011年、私たちは、放射能の影響で栃木県産の牧草の一番草が使用禁止になるという被害を受けました。そんな被害者である私たちが加害者になってはいけないと思い、その年の7月には放射能検査器を独自に購入して検査を開始したのです。

牛肉は県でも放射能検査をしていますが、検出精度が生活クラブの自主基準を満たしていませんでした。そこで私たち栃木県開拓農協は独自に検査機関に委託して、出荷する牛全頭の放射能検査を続けています。検査は牛肉だけではなく、牛が食べるエサや、寝床に敷くもみ殻など、飼育環境にまつわるものまで行ないます。特に牧草や配合飼料、稲わら、飼料用稲、飲み水、もみ殻、たい肥については3ヶ月ごとに実施しています。(検出下限値はセシウム合計20ベクレル/kg以下)。また、エサやもみ殻など敷料の保管は屋内を原則にしています。

このように事故から5年を経ても、私たちがさまざまな放射能対策を継続していることをぜひ理解してほしいと思います。

千葉県 漁業協同組合連合会 川名将之さん
県や漁協、製造者と連携して
生活クラブの自主基準を
達成していきます

千葉県漁連では消費材の原料魚の放射能検査を、提携する製造者とともに検査機関に委託して行なっています。また、私たちは県を代表する漁業団体ということもあり、千葉県と連携した放射能検査も行なっています。千葉県沖・房総沖の海産魚介類の放射能検査では、2014年度・2015年度ともに放射能の検出が最大値でも10ベクレル/kg未満であり、国のガイドラインでは千葉県産の海産魚介類は放射能検査の対象から除外してよいという結果でした。しかし千葉県は消費者の安心のために、現在でもマイワシなど大量にとれる魚は週数回、ヒラメなど海底付近に生息する魚は週1回のペースで検査しています(検出下限値は各セシウム1ベクレル/kg以下)。

また放射能検査計画をつくり、旬を迎える魚介類や各地域で代表的な水産物についても検査を行なっています。千葉県漁連は千葉県の検査計画に対応するために専門の職員をひとり配置するほか、会員漁協と連携して検体を提供しています。私たちはこれからも、千葉県や会員漁協、提携製造者と連携した放射能検査を行なうことで、生活クラブの自主基準を達成していきたいと考えています。