食の安全Q&A|トランス脂肪酸について生活クラブの見解と対応

Q.生活クラブは「トランス脂肪酸」についてどのような対策を行なっていますか?

生活クラブでは、脂肪の摂取については飽和脂肪酸と食事性コレステロールの多量摂取が心疾患のリスクを高めることから、トランス脂肪酸だけではなく脂肪のとりすぎ全般に注意し、栄養バランスのよい食生活を心がけることが第一であると考えています。

トランス脂肪酸は、食品から摂る必要がないと考えられている物質であり、FAO(国連食糧農業機関)およびWHO(世界保健機関) によって、摂取量は最大でも一日当たり摂取エネルギー量の1%未満とするよう勧告されています。国内ではトランス脂肪酸についての規制はありませんが、諸外国では具体的な対策(注1)が進んでいることから、生活クラブ連合消費委員会などで対応を検討してきました。

生活クラブの消費材については、製造工程においてトランス脂肪酸が生成される食用油脂(なたね油・マーガリン等)のトランス脂肪酸のデータをウェブサイトなどで情報開示し、製品規格においてもNON‐GMO(遺伝子組み換えでない)の堅持とともにトランス脂肪酸の低減対策を進めています(注2)

(注1) 2015年6月に「FDA(米国食品医薬品局)がトランス脂肪酸を禁止」などの報道がありましたが、これは正確なものではありません。

内閣府食品安全委員会によりますと、2015年6月のFDA(米国食品医薬品局)による規制の対象は、トランス脂肪酸ではありません。規制の対象は「部分水素添加油脂」です。部分水素添加油脂はマーガリンやショートニング等の原料となるもので、トランス脂肪酸を含んでいます。
さらに、規制の内容は「使用禁止」ではありません。これまで、部分水素添加油脂はGRAS(=従来から使われており安全が確認されている物質)として自由に使えていましたが、2018年からはGRASの対象から外し、食品に使用するためには新たにFDAの承認が必要となる、というものです。

★詳しくはこちらをごらんください(生活クラブ連合会のサイト外に移動します)
・内閣府食品安全委員会 食品に含まれるトランス脂肪酸の食品健康影響評価の状況について
・内閣府食品安全委員会 公式FaceBookページ
2015年6月18日  2015年6月19日 2015年6月22日 2015年9月16日
・「FDA(米国食品医薬品庁) The FDA takes step to remove artificial trans fats in processed foods((June 16, 2015)
(英文)

(注2)生活クラブでは、消費材の製造工程で発生するトランス脂肪酸の低減対策を進めています。

トランス脂肪酸は、植物油脂に水素を添加して硬化させた「部分水素添加油脂」に多く含まれます。
生活クラブと提携生産者は、水素添加を行わない工程によって低トランス脂肪酸(1%未満)のマーガリンを再開発しました。しかしトランス脂肪酸は、家庭での揚げもの程度の油脂の加熱でもわずかながら発生する物質であり、完全に「ゼロ」にすることはできていません。消費者庁ではトランス脂肪酸の含有量が食品100g 当たり0.3g未満である場合には、「0g」「無」「ゼロ」「ノン」「フリー」その他これに類する表示ができるとしています。

★トランス脂肪酸に関する一般知識については、こちらをごらんください(生活クラブ連合会のサイト外に移動します)。
・農林水産省「トランス脂肪酸に関する情報」

・内閣府食品安全委員会 ファクトシート(科学的知見に基づく概要書)

 →※「トランス脂肪酸」の項目をご覧ください


生活クラブのなたね油・マーガリン類に含有するトランス脂肪酸について

<なたね油>

なたね油には本来トランス脂肪酸は含まれていませんが、脱臭工程の加熱によってトランス脂肪酸が発生します。なたね油は不飽和脂肪酸が多いため、他の油脂に比較し てトランス脂肪酸が発生しやすいとされています。脱臭工程の加熱温度が260℃相当で、トランス脂肪酸の多量に発生することが知られています。生活クラブのなたね油の生産者 米澤製油㈱では、「220℃・90分」を脱臭工程の管理温度とすることでトランス脂肪酸を現状の0.6%程度に抑え、他社製品と比較しても低い水準となっています。

 

 

 

 

 

・生活クラブ「なたね油」:生産者の米澤製油㈱が民間の検査機関へ検査を依頼し、米澤製油㈱より生活クラブが報告を受けた数値です。
・一般のなたね油:「新開発食品評価書 食品に含まれるトランス脂肪酸」(2012 年 3 月食品安全委員会)より

 

<マーガリン類>

生活クラブのマーガリンは、トランス脂肪酸が比較的多く含まれる「部分水素添加油脂」は使用していませんが、原料油脂の加熱等によって発生するトランス脂肪酸は微量ながら含まれます。
内閣府食品安全委員会の報告では、国内に流通しているマーガリン/ファットスプレッド製品のトランス脂肪酸含有量は、平均 5.5%(0.9~12.3)とされています。これに比べて、生活クラブのマーガリンのトランス脂肪酸含有量は低い水準にあります。これは、遺伝子組み換え対策としてパーム由来の原料に切り替えを進めてきたことに加え、部分水素添加油脂ではなく、エステル交換による加工油脂を使っていることから、トランス脂肪酸の含有量をバターよりも大幅に低い水準まで引き下げることができています。

 

2015年49週(12月7~11日)供給分まで

 

 

 

 

2015年50週(12月14~18日)供給分から

 

 

 

 

・生活クラブ「料理やお菓子にも使えるマーガリン」:成分組成に基づき算出した数値です。原料油脂は天然物であり個々にバラつきがあるため分析値では多少変動します。
・生活クラブ「ファットスプレッド」:生産者の月島食品工業㈱が民間の検査機関へ検査を依頼し、月島食品工業㈱より生活クラブが報告を受けた数値です。
・一般のマーガリン、ファットスプレッド:
 「新開発食品評価書 食品に含まれるトランス脂肪酸」(2012年3月食品安全委員会)より
・一般のバター: 
「食品に含まれる総脂肪酸とトランス脂肪酸の含有量」(2011年年3月農水省)より
 ※上記リンク先はいずれも生活クラブ連合会のサイト外です。

★こちらのWEB記事もお読みください。
組合員の手によるマーガリンの再開発スタート(2014年7月掲載)
組合員参加で開発した『料理やお菓子にも使えるマーガリン』デビュー!(2015年4月掲載)

 

 

【2015年9月更新】

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