飲んで守ろう! パスチャライズド牛乳 組合員が長野県の牛乳生産者を訪問しました
10年先の日本の食料を考えた時、牛乳や鶏卵など第一次産品を確保することは困難になると予想されます。
生活クラブは危惧される食料問題に対し、国内の自給力を維持・向上させていくことを大きなビジョン(展望)と捉え、第一次産品=ビジョンフードの自給対策に乗り出しています。
8月には組合員12人が長野県の牛乳生産者を訪れ、ビジョンフード産地推進会議を行ないました。
(2015年10月5日掲載)
きびしい酪農の現実
「健康な牛を育てるにはエサがもっとも重要で、非遺伝子組み換え(NON-GMO)のエサを与えています。しかし、NON-GMOのエサは種類が限られるので苦労が絶えないことを理解してほしい」と、南信酪農組合(*)の三村誠一さんは、生活クラブの組合員に語ります。
エサ代が上がる一方で、消費が伸びないために日本では、廃業する酪農家が増えています。「酪農を続けられるのか」と組合員から尋ねられた三村さんは、「やるしかない」とぽつり。この言葉が日本の酪農の現実を表しています。
飲む約束=予約がちからに
それでも三村さんは生活クラブに期待を寄せます。「私の牧場では子どもが後を継ぐことになりました。私がしぼった牛乳で組合員のみなさんが子どもを育てられたように、今後は息子がつくった牛乳でお孫さんが育まれることになると思います。そうすれば、生活クラブとは、末永い関係が築けると思うのです」
生活クラブは、新生酪農(株)という酪農家と共同出資でつくった自前の牛乳工場をもっています。ですから組合員が望む牛乳をつくることができます。そして、三村さんのように牛にNON-GMOのエサを与え、パスチャライズド牛乳に適した厳しい乳質基準をクリアする酪農家・酪農組合との提携を築きあげています。
日本の酪農は、いま危機に瀕しています。しかし、飲む約束、つまり予約をすることで酪農・牛乳生産を守ることができます。将来にわたってパスチャライズド牛乳を維持できるかは、おおぜいの組合員にかかっています。
(*)南信酪農業協同組合…新生酪農安曇野工場に原乳を供給する酪農団体で、現在22戸と提携しています。
生乳の栄養を活かしたパスチャライズド牛乳
市販の牛乳のほとんどが120~140℃2秒間という超高温で殺菌されるのに比べ、生活クラブの牛乳は72℃15秒間という必要最小限の加熱にとどめています。だからラクトフェリンなどの熱に弱いホエーたんぱく質も熱変性しないで、そのまま残っています。
ビジョンフードよやくらぶ Vol.6 2015年40週号(10月1回)の記事を転載しました。
※生活クラブ北海道が供給している牛乳は、規格・産地・提携生産者等が異なります。