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生協の食材宅配【生活クラブ】
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「ギリシャ産オリーブオイル」の生産地を訪問、オリーブ農園と工場を視察しました

オリーブ農園を経営するレオニダス・ポリメナコスさん


2017年12月、生活クラブの消費材「ギリシャ産オリーブオイル」の提携生産者・株式会社ヴィボンのスタッフと、生活クラブ連合会事務局メンバーがギリシャを訪問し、現地で消費材を製造する「オリックスオイル社」の工場と原料オリーブの農園・搾油場を視察しました。

生活クラブのオリーブオイルは、外国産であっても生産者の「顔」が見える消費材です。国内産の消費材と同様、おおぜいの組合員が共同購入することで、確かな品質の食材を適正な価格で手にすることができます。


外国産でも生産過程のすべてを明確に

生活クラブでは、国内生産されていない、または生産量が非常に少ない食材などに限って、外国産の消費材を取り扱います。外国産であっても他の消費材と同じように、生活クラブの基準に合致していることはもちろん、原料の生産から製品の製造・輸入に至るまで、すべての過程が明確であることを重視した消費材開発を進めています。

人気の「ギリシャ産オリーブオイル」も、そうした外国産消費材のひとつです。オリーブ生産量世界3位(*)のギリシャで収穫された新鮮なオリーブの実を原料に、現地の工場でボトル詰めまで行ない、高度な品質管理のもとで輸入しています。


ギリシャ経済危機をのりこえ、安定供給を続けています

1986年にギリシャ産オリーブオイルの共同購入をはじめてから、消費材の生産を担ってきたのは、ギリシャの「ELEOURGIKI(エロウギキ)」という農業協同組合です。最盛期には75万人の栽培農家を組織し、バルカン半島最大と言われたオリーブオイル工場を持つ事業体でした。しかし2009年のギリシャ債務危機の影響で経営難に陥り、外部の支援を受けるなどの努力にもかかわらず、工場の再建には至りませんでした。

生活クラブと提携生産者の株式会社ヴィボンは、その間も消費材の安定供給に努める一方、新たな製造者を探しました。その結果、エロウギキの支援にも加わった現地企業のひとつ「オリックスオイル社」が新たにオリーブオイルの製造に関わることになり、2015年12月供給分からは同社製の「ギリシャ産オリーブオイル」を組合員にお届けしています。


手作業で収穫した新鮮なオリーブを農場内で搾油

ギリシャ南部、ラコニア県のオリーブ農園


今回訪問したのは、オリーブ果実の栽培から収穫・搾油までを行なう農場のひとつ、ポリメナコスさんの農園です。オリーブ栽培が盛んなギリシャ南端、ペロポネソス半島南部のラコニア県ラギオにあり、150年もの歴史があります。四代にわたって農園を大切に育ててきたポリメナコスさん一家は、誇りを持ってオリーブを栽培しています。

広さは約30ヘクタール。東南にラコニア湾を望む傾斜地で、年間1,000~1,500トンのオリーブオイルを生産しています。各種の観測機器が設置され、データをリアルタイムに分析し最適量の水を自動で散布する「AGROシステム」と呼ぶ独自の管理システムが整備されています。ここで丁寧に育てられたオリーブの実は、毎年11月から2月中旬に手作業で収穫されます。
 

専用器具を使いオリーブの実を落として収穫


高品質なオリーブオイルに最適といわれる品種がギリシャ原産の「コロネイキ種」。コロネイキ種のオリーブオイルは、酸化安定性に優れ、オレイン酸の含有量が高く、リノール酸の含有量が少ないことに加え、総ポリフェノール、総トコフェロールの含有量も高く、健康効果が高いといわれています。コロネイキ種を育てるには、ギリシャの石灰質の土壌と温暖な地中海気候が適していることからも、ギリシャ産のオリーブオイルは高く評価されています。ポリメナコスさんの農園でも、オリーブオイル用としては「コロネイキ種」だけを生産しています。
 

落としたオリーブの実を集める


農場には搾油場が併設されていて、オリーブの収穫から24時間以内に搾油されます。搾油過程でも厳正な温度調整など受入ロットごとに細かく管理されていて、すべてのトレース(生産履歴の点検)が可能になっています。

一般的には、オリーブの実と葉を分けずにオリーブオイルを搾る農場もあるそうですが、ポリメナコスさんの農場では余計な水分を含まないように、葉はできるだけ除いて搾っています。「畑から出たものを出来るだけ土地に返す」ことをモットーに、葉は3年かけて堆肥にし有効に利用されます。
 

農場からコンテナで運ばれる実を搾油場へ

 

機械化され手入れの行き届いた搾油場の機器を視察

 

オリーブの実を手にして語る搾油場担当のサナシス・ポリメナコスさん


ボトル詰めまでギリシャ現地で製品化

新鮮なオリーブの実を原料に、加熱や化学処理を一切行なわずに搾られた原料油は、定温管理のタンクローリーでギリシャ南部の街、トリポリにある工場に運ばれ一時保管されます。工場では、一次ろ過(珪藻土)、二次ろ過(ペーパーフィルター)を行ない、クリーンルームでボトル充填します。出荷スケジュールにあわせて製造されるので、ボトル詰め後の製品は1週間以内に出荷されます。
 

ボトル詰め後、1本ずつ目視で点検します


品質についても厳格な管理が徹底しています。酸度や過酸化物質などの化学的検査は、搾油時の農場とトリポリ工場の両方で行なわれます。最終製品段階でも、国際オリーブ連盟(International Olive Council=IOC)の検査機関でプロの鑑定士による検査を受け、「エキストラバージン」の規格に合格したものだけが消費材「ギリシャ産オリーブオイル」として日本へ出荷されます。


国際基準の美味しさを食卓に

オリーブオイルは、オリーブの果実を直接搾って得られるのが特徴です。製造時に加熱されることはなく、精製も「ろ過」のみのため、オリーブの果実そのものに近い風味を楽しむことができます。できたてのオリーブオイルを味見すると、独特な辛味とオリーブの青い香りが口に広がります。

ギリシャのオリーブオイル生産量はスペイン、イタリアに次いで世界第3位です(*) 。ギリシャ産のオリーブオイルは、原料素材としてイタリアに輸出、ボトル詰めされ「原産国イタリア」と表示して販売されることも少なくありません。日本では最終製品の製造場所が表示され、オリーブの実の生産国までは記載されないことがほとんどです。

IOC(国際オリーブ連盟)が定める食用オリーブオイルの最上の規格が「エキストラヴァージン・オリーブオイル」です。しかしIOCの加盟国でない日本では、国内のJAS基準に従い、酸化度と水分その他の成分の違いから「食用オリーブ油」または「精製オリーブ油」の2つに区分されるだけです。IOCの基準に届かない品質でも「エキストラヴァージン」と表示できるので、消費者にとっては国際基準に合致しているかどうかは表示から判断できないのが実情です。生活クラブのオリーブオイルは、IOCの規格を満たした「エキストラヴァージン・オリーブオイル」です。

パスタやピザなどイタリア料理やもちろん、魚介類や野菜などの多彩な食材と相性が良く、幅広く利用できます。パンにそのままつけても美味しく、塩・胡椒・酢・各種ハーブなどの調味料と合わせたドレッシングにもぴったりです。

ギリシャの農園で丹精込めて作られた生活クラブのオリーブオイル。今後もおおぜいの利用で確かな品質の消費材の生産を支えていきます。

(*) 世界の国別オリーブ生産量…おおむねスペイン・イタリア・ギリシャの順。2014年はスペイン・イタリアの生産量が落ちギリシャが伸びたため世界2位。2016年もギリシャがイタリアを上回り2位でした。

【2018年2月15日掲載】

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