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組合員と交流し、輸入から消費までを確認

組合員と交流し、輸入から消費までを確認

日本から飛行機で約6時間。パプアニューギニアの高地で栽培されている「エリンバリ・コーヒー」の原料チェリー(実)の買い付けから輸出までを担うコンゴ・コーヒー社の社長ジェリー・カプカさんら3人が2010年11月下旬に来日。12月初旬にかけて組合員と交流するとともに、原料が輸入される横浜港や、生活クラブの提携先である日東珈琲(株)の千葉工場(焙煎)を視察し、輸入から消費までの全工程を確認しました。(2011年1月25日掲載)

最上位にランクされる品質

パプアニューギニア・コーヒー豆(左)、パプアニューギニア・コーヒー粉

 コンゴ・コーヒー社と日東珈琲(株)が出合うきっかけは、国連が1998年にウガンダ共和国、エチオピア、ブルンディ共和国、パプアニューギニア、ブラジルを対象国に指定して進めた「国連グルメコーヒー開発プロジェクト」でした。その狙いは高品質のコーヒーの生産を開発し、消費することで、コーヒー生産国の経済的自立を支援することにありました。このプロジェクトに、コンゴ・コーヒー社も参加していたのです。
  コンゴ・コーヒー社の設立は約20年前。当時、パプアニューギニアでは、外国資本による大規模プランテーション型のコーヒー生産しかありませんでした。栽培地域は平坦地でしかも単作。「コーヒーの木は本来、山の傾斜地で背の高い樹木の日陰で育つとき、もっとも良質のチェリーを付ける」ことを知っていたカプカさんがこれに疑問をもち、自身の住む高地(約1700m)で、先祖伝来の自給自足的な暮らしを続けている地元の小規模農家に自然と調和したコーヒー栽培と生産を薦め、彼らに有利な条件で買い付けるために立ち上げました。2000年には、少しでも多くの利益を生産農家と地域社会に還元するために、パプアニューギニア人のコーヒー会社として初めて輸出免許を取得しています。
  同社のコーヒーは数種類にランク付けされていますが、その一つが「エリンバリ・コーヒー」です。品質は最上位にランクされていて、現在、約170戸の農家が栽培に携わっています。生産が認められている農家は同社規程の研修を受けるとともに、チェリーの選別から洗浄、乾燥など7つの行程の厳しい生産基準を守らなければなりません。
  具体的には、(1)の原料の選定では─完熟チェリーのみ収穫、未熟・過熟チェリーは混ぜないこと。(4)の洗浄では─発酵させたチェリーは清潔な水で十分に洗うこと。発酵工程で出たカスや目視可能なゴミは取り除くこと。水が完全な透明になるまでこれを繰り返すこと。(7)の乾燥では─洗ったチェリーは地面から離した作業台の上で5~8日間よく乾燥させる。この時、目視可能な欠陥豆は取り除くこと。また過乾燥でひび割れないよう、途中定期的に掻き回す─など、事細かに決められています。このほか、農薬や化学肥料といった有害な化学物質は一切、使っていません。生産を認定された農家はこの基準を守るとともに、コンゴ・コーヒー社のスタッフも農家を巡回し、助言や指導に当たっているといいます。こうして生み出されるのが「エリンバリ・コーヒー」です。

横浜港や日東珈琲の焙煎工程を視察

輸入された「エリンバリ・コーヒー」と対面するカプカさんら。左端は日東珈琲(株)社長の長谷川勝彦さん

 コンゴ・コーヒー社と日東珈琲(株)との取引は、プロフェッショナルである同社社長の長谷川勝彦さんらが、「飲んでみるとおいしい」と実感したことからスタートし、生活クラブとの関係へと結びつきました。これを確かなものにするために2008年、生活クラブ連合会の担当者らが、翌年は連合消費委員も参加したパプアニューギニアの現地視察を実施。
  2回の視察で、「原料の栽培から輸入まで各段階の可視性が高く、また価格決定方式も生産努力が農家や地域社会への還元につながる」ことなどを確認しています。 2回の現地視察を受けて実現した今回の来日の目的は、カプカ社長やスタッフに日本における輸入から消費までの流れを視察してもらうことでパプアニューギニアと日本におけるすべての工程の相互確認を完結させること。最終利用者である生活クラブの日常を見てもらい、この関係が一般的な「取引」とは違うことを生産農家や地域社会に広めてもらうこと-などでした。
  パプアニューギニアで出庫されたコーヒー豆は、船便で約1ヶ月かけて横浜港に陸揚げされ、川西倉庫(株)京浜支店の倉庫に保管されます。同社は保管原簿や入庫原簿を作成、さらに、日東珈琲(株)の発注に応じて出庫される際にも出庫伝票が作成されます。他のコーヒー豆と混ざっていないことを証明するための書類で、カプカさんら3人は、川西倉庫(株)山下営業所所長の牧山秀人さんのトレースの説明に熱心に聞き入っていました。
  倉庫から出庫されたコーヒー豆は日東珈琲(株)の千葉工場で焙煎後、生活クラブに供給され、組合員に届きます。カプカさんらは焙煎工程も視察。さらに、最終利用者である組合員との交流を通して、輸入から消費にいたるまでのすべてを確認しました。
  このように、コーヒー豆生産者→コンゴ・コーヒー社→日東珈琲(株)→生活クラブ→組合員というシンプルさは、生産国、消費国両サイドでいくつもの業者が複雑に介在する一般的なコーヒー流通経路とはまったく異なり、透明性が高いものになっています。

特に感銘を受けたのは女性たちの活躍

連合消費委員会との交流会のひとコマ

 カプカさんら3人は神奈川、東京の組合員のほか、連合消費委員会との交流会を通じて生活クラブの大ぜいの組合員と出会いました。これらの場でカプカさんは、「エリンバリ・コーヒー」を手がけたきっかけと成果をこう説明しました。
  「パプアニューギニアでもかつては、外国資本のプランテーションのコーヒーが高く取引され、その一方で小規模農家のものは安く売られていました。同じコーヒーの樹なのにそれはおかしいと常々感じていました。そこで、小規模生産者のコーヒーチェリーを高く買い、彼らが誇りをもって生産できるようにするために国連のグルメコーヒープロジェクトに参加し、品質の高いコーヒーを生産することを目指しました。私たちはこれをエリンバリ・コーヒープロジェクトと呼んでいますが、スタートして10年が経ちました。皆さんが私どものコーヒーを買ってくださる結果、農家の努力に報いるためのプレミアムを支払うことができ、また、会社の収益の一部を地域社会で有意義に活用することができるのです」  
  収益の地域社会での活用については、交流の場で組合員から「具体的には」などの質問が出されました。カプカさんは、村の小学校2校へ教科書を無償提供していることや、村の水道や電力施設の建設などに充てていることなどを明かしました。  

連合会を表敬訪問。写真右から、カプカさんの夫人で財務を担当するリリーさん、加藤好一会長、ジェリー・カプカさん、輸出担当のローズさん

 輸入から最終利用者までの流通経路を確認し、その利用者である組合員との交流を通じて生活クラブへの理解を深めた今回の視察。カプカさんは、その感想をこう話しています。
  「2009年、組合員の方々にはパプアニューギニアまで来ていただきました。『私たちの飲んでいるコーヒーについてもっと知りたい』ということでしたが、生産農家はその話に感激し、コーヒー栽培にプライドを持つことができるようになりました。今回、生活クラブの活動を学ばせていただく機会をもうけていただきましたが、特に感銘を受けたのは女性の方々が活躍しているということです。私どものコンゴ・コーヒーも女性がたくさん働いているので勉強になりました。また、学ばせていただいた安全な食べ物や環境に優しい生産と消費ということを考えて、今後も皆さんに喜んでいただくコーヒー作りをしたいと思います」

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