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「2010シャボン玉フォーラムin重茂」(協石連主催)を開催

「2010シャボン玉フォーラムin重茂」(協石連主催)を開催

 5月29、30日、「協同組合石けん運動連絡会」(以下、協石連)が主催する「2010シャボン玉フォーラムin重茂(おもえ)」が開催されました。今回は生活クラブが「肉厚わかめ」の共同購入で提携する重茂漁業協同組合(以下、重茂漁協)と生活クラブ岩手が受け入れ団体となって行われました。フォーラムは今年で22回を数えますが、生産地での開催は初めてのことです。(2010年6月11日掲載) 

初めての生産地での開催

静かに佇む重茂の漁港

 「ここでは、合成洗剤を絶対に使わないことを、申し合わせた地域ですから御協力お願い致します」と書かれた看板が、集落に入る道に掲げられている岩手県宮古市の重茂。この本州最東端の地区で、「2010シャボン玉フォーラムin重茂」が開催されました。シャボン玉フォーラムは、石けんを使う暮らしを通して足元から環境問題を考えることを目的に設立された協石連が主催する集会。重茂漁協は昆布漁の時期にもかかわらず、全国から訪れた約300人の受入れ態勢をとってくれました。
  集会の実行委員長で重茂漁協の代表理事組合長の伊藤隆一さんは、会議に先立ち次のように挨拶。

伊藤隆一さん(上)、盛合敏子さん

  「暖流と寒流がまじわり世界の三大漁場として知られる三陸沖が重茂の漁場です。その生命の糧である海を守るため、合成洗剤の追放や魚付き林を守る活動を古くから続けてきました。しかし現在、青森県六ケ所村で進められている核燃料の再処理施設の建設は、未曾有の海洋汚染を引き起こす可能性があります。海からの恵みで生きる生産者と消費者が、力を合わせて尊い環境を守ることがなにより重要であると考えます」  
  全体会では重茂漁協女性部・部長の盛合敏子さんが「――海・燦々と―― 私たちの合成洗剤追放運動」をテーマに、どのように重茂で石けんを広めていったかを話しました。  
  「女性部の支部長は月に一度、430人いる会員の家を訪問し、石けんの注文を受け付けています。毎月家庭に訪問して、足りなくなった置き薬を補充するような活動と思っていただけたら分かりやすいかもしれません。この取組みの背景には35年前に女性部が決議し、1980年には漁協の総代会でも可決された『合成洗剤追放』の決議があります。これらの決議のもとに私たちは、重茂にある商店に置かれていたすべての合成洗剤を買い取り、かわりに石けんを販売するようお願いをしました。また、各家庭の台所まで入り、石けんの使用についてチェックをしたこともあります」  
  このように多彩で積極的な石けんの普及活動に対し、女性部は会員の率直な意見を求めるため2004年にアンケートを実施しました。すると「重茂に住んでいるのだから海を守る義務がある」などの意見が寄せられ、ほとんどの人が「石けんを使うのは当たり前」と考えていることが分かったと盛合さんは説明します。

「六ヶ所再処理工場」を考える分科会も

吉田由美子さん

 2日目は「六ヶ所核燃料再処理工場反対の取り組みについて」、「もう一度見直そう石けん運動の原点」、「重茂の豊かな海と昆布の収穫から加工までの体験」、「十二神山千古の森の環境整備と原流散策」の4つの分科会に分かれて討議。
  六ヶ所核燃料再処理工場の問題を考える第1分科会では、協石連・代表幹事の吉田由美子さんが「シャボン玉フォーラムは石けんを入口にして、いろいろな環境問題を考える場です。今回は核燃料再処理の問題を取り上げ、現状や各団体の活動を共有し、話し合ったことを地元に持ち帰って活動に生かしましょう」と挨拶し、会議のコーディネーターを務めました。  
  生活クラブなど協石連に参加する団体の多くが呼びかけ団体になっている、「六ヶ所再処理工場」に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワークの活動や再処理工場に関する最新情報の報告を受け、生産の現場、各消費者団体の活動の発表がありました。  
  「漁業者にとっては再処理工場の動きは最大の危機と捉えています。海中に放出される放射能について、国は広大な太平洋で希釈されるので容認されるレベルと言っていますが、私たちが考える安全の認識はその水を直接飲んでも大丈夫というレベルです。漁協では反対の声をあげることに対し、組合員から風評被害を懸念する意見もありました。しかし、風評被害は一時で終わりますが、放射能汚染は末代まで続きます。今、立ち上がらなくては末代に顔向けできないという結論に達し、岩手県内の各漁協に連帯の呼びかけや国への反対署名運動などに取り組んでいます」(伊藤隆一さん)

石澤直士さん

 また、六ヶ所村と同じ青森県にある常盤村養鶏農業協同組合・代表理事組合長の石澤直士さんは、「1990年前後は県内でも反対運動が盛り上がりましたが、今は再処理について県民はあまり多くを語らないというのが実情です」と明かし、「再処理工場をふくめ青森県を覆う問題の根幹には、経済問題があるといえます。ですから世論や運動を広げるためには、県内経済について対案を提示する必要があると思っています。たとえば県内には有効活用されていない農地が約8万haありますが、そこで飼料用米をつくれば県内の畜産飼料をほぼ賄えることになります。つまり、飼料を輸入しているアメリカなどにお金を払わずに、県内で経済が回るのです。このように単に反対を唱えるのではなく、常に対案を出しながら運動するのが重要ではないでしょうか」と続けました。  
  そして、生活クラブ青森の理事長である戸川雅子さんら4団体がそれぞれの活動を報告し、エネルギーや食品汚染で一番困るのは大消費地に住む人々であり、消費者が「購入する力」を意識的に行使することが重要だという認識で一致しました。  

特別企画として記念植樹祭が

大漁旗がはためくもと、参加者はいっせいに植樹を行いました

 豊な海を糧にし、その海への感謝と守るための取組みを間断なく続ける重茂。この生産地での集会を記念し、分科会終了後の特別企画として「フォーラムの森」づくり事業記念植樹祭が行われ、大漁旗のはためくもとで参加者は1500本もの苗木を約1時間半かけて植えました。  
  「フォーラムの森」はこれまでの活動を次世代に引き継ぐとともに、石けん運動を進め環境に責任を果たす意思を持つ人たちのシンボルとして語り継いでいくことを目的とした森です。植樹した樹木は漁協が管理し、協石連に参加する生協の組合員などが下草刈り体験をはじめとした森林・林業体験を行っていきます。なお、植樹はカンパによって賄われ、6月30日まで生活クラブ岩手が窓口となって受け付けています。

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