誰でも使いやすい形の「リユースびん」に!!
お待たせしました!「重い」「開けにくい」など、これまでに寄せられた意見に対し、組合員が組合員のために開発したSマヨネーズの登場です。びんはかわいく、しかも誰でも使いやすい形のリユースびん!中身も容器もあちこちに「生活クラブだからこそ」が散りばめられてます。でも、これは生産者の努力と設備投資ぬきにはできませんでした。生産者に応えるためにも重量比で15%利用アップが目標です!Sマヨネーズをどんどん利用しましょう。(2010年2月2日掲載)
34年前に開発以来、びんにこだわる
スーパーの売り場を眺めても、いまやびん入りのマヨネーズを見かけることはほとんどありません。しかし、生活クラブは容器をガラスびんに、と考えていました。プラスチックからの化学物質の溶出や塩ビに使われる可塑剤・フタル酸エステルの溶出が環境汚染につながらないかと懸念したからです。
びん容器は密閉性が高いので品質を保つのに優れ、また、チューブなどのプラスチックに比べてリサイクルしやすいという特長があります。その一方で、容器自体が重くて持ちづらいという難点があるのも事実です。
「化学調味料の不使用や遺伝子組み換え原料の排除など、私たち組合員の要望に対し次々に改善されてきたマヨネーズですが、利用は2000年度をピークに低迷してしまいました。その原因は従来のびん入りが重く開けづらいことにあると生活クラブ連合消費委員会は考え、組合員自らが開発を行う『みんなでTRY!消費材開発』の一環で容器の検討を06年からすることになりました」
連合消費委員でチームの一員となった木村庸子さんはこう振り返ります。ひとつの消費材のために検討チームを設けるほど、「マヨネーズは生活クラブにとって大切な消費材のひとつであり、生産者の努力に応えるためにも大きな課題でした」と話します。
マヨネーズ容器検討チームはチューブ容器もふくめて調査し、1年以上かけて答申書をまとめました。それに対し各地域にある生活クラブが出した意見は圧倒的に「びん」を支持する声でした。
「本当にみんな真剣に議論し、悩みました。そんな討議が2年も続いた頃、誰でも使いやすいユニバーサルデザインへ変更した350mlびんでのリユースの可能性が見えてきたのです」(木村庸子さん)
マヨネーズは常に新びんを使用
生活クラブはびん容器にこだわるとともに、容器包装ごみを減らすためにいろいろな生産者の間でびんを繰り返し使う「グリーンシステム」に1994年から取り組んでいます。たとえば広口びん(350mlびん)の規格をひとつに統一し、トマトケチャップの生産者やジャム類の生産者、小梅干しの生産者などで洗びんして何度も使い回すのです。ところが、マヨネーズには製造時に加熱殺菌する工程がないので雑菌が残るリスクがあり、二次洗浄を行う必要があったのですが、工場の立地上、機械を新たに設置することができず、「洗いびん」を使用することができなかったのです。それがこのたび、マヨネーズは常に新びんを使うことでリユースする仕組みができることになりました。
連合消費委員会は容器容量検討会議を設置し、マヨネーズにも使う350mlびんの開発に着手しました。
「考える際は、老若男女や力の強弱などを気にせず誰でも利用できる『ユニバーサルデザイン』のびんの開発をめざしました。そして、重くて持ちづらいとか、フタが大きくて開けづらい点などを解決しようとしました」
検討会議メンバーとなった連合消費委員の小林テル子さんはこう話します。 そして、以下のような改善をした新しいびんが誕生しました。
- びんのカタの部分を「ハ」の字型にし、持ちやすいようにしました。
- その部分に雫型のカットを入れ、すべりにくくするとともに力を込めやすくなりました。
- キャップをスクリュー式ではなく、「ツイスト式」にし、何度もひねらなくてすむようになりました。
- これまで取りにくかったカタ部分の内側の中身が、取り出しやすくなりました。
- びんの太さを女性や子どもの手の大きさに配慮して設計しました。
重量比15%アップの利用が目標
一口にびんのデザインを変えるといっても、生産者は工場のラインなどを整備しなければなりません。
「オリエンタル酵母工業はもちろん、同じびんを再使用する生産者が新たな負担を伴うにもかかわらず、賛同してくれたことに感謝したいと思います」(小林さん)
今回のリユースびん入りのマヨネーズの開発について、オリエンタル酵母工業の松下寛和さんはこう話します。
「私たちは容器の議論をずっと見守っていましたが、生活クラブは『びん』だろうと思っていました。しかし、びんの形状がまったく異なるため、工場の設備の入れ替えに投資をしたのも事実です。容量も500gから310gに減るので、利用がどこまで上がるか固唾を飲んでいるところです。
生活クラブのマヨネーズは、まろやかな味を演出するために業界では当たり前になっているグルタミン酸ソーダなどのアミノ酸調味料をいっさい使っていません。いわば家庭でつくるようなマヨネーズといえます。ぜひ一度、味わってみてください」
そして、連合消費委員長の一政伸子さんはこう呼びかけます。
「生活クラブの消費材は、いずれも組合員と生産者がともにつくり続けてきました。今回もまさにそうで、マヨネーズを大きく進歩させることができました。このような生産者の努力に応えるためにも、連合消費委員会では利用を重量にして15%アップを目標にしています。これを機会にひとりでも多くの人に、このマヨネーズの味を知ってもらいたいと思っています。みんなで利用しましょう」
*2010年2月4日、一部に不正確な表現がありましたので削除・修正いたしました。