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「遺伝子組み換え作物」問題で"事業連帯"の可能性が

「遺伝子組み換え作物」問題で

  2008年12月1日、韓国の68生協が加盟する「生協全国連合会」の役員ら9名が来日しました。生活クラブ連合会との第1回交流会として、5日間の日程で生活クラブの活動視察を行ったり、NON-GMコーンについての合同学習会にも参加。活発な交流が行われました。(2008年12月25日掲載)  

交流開始から25年、生協連合会間で交流する時代に

韓国では1970年代の終わりごろから消費者協同組合(生協)が誕生し始めました。そして、その運動をより活発に体系的にする目的で、全国52の生協の指導者たちが集まって1983年に設立したのが「生協全国連合会」です。現在では韓国の生協は全国に220ほど。うち68の生協が「生協全国連合会」に加盟しています。全国レベルの連合会は「生協全国連合会」以外にも2団体があります。
  1983年は、生活クラブが初めて韓国の協同組合との交流を始めた年でもあります。この年、韓国信用協同組合(信協)が生活クラブの活動を学ぶために来日。その後も日韓の交流は活発に続き、ソウルの南東に位置する城南(ソンナム)市の「住民生協」と「生活クラブ東京」、ソウルの南西に位置する安山(アンサン)市の「京畿南部ドゥレ生協」(元ドリム生協)と「生活クラブ千葉」など、単協どうしの定期交流も含めて、盛んに行われてきました。
  そして機が熟し、今回初めて生協連合会どうしでの交流がスタートする運びとなったわけです。交流開始については、2008年春に日韓で協議し、合意事項として「毎年1回の交換訪問交流をすること」「主題の範囲は両国の連合会が相互共有できる社会的問題、グローバリゼーション過程で生協が対応する問題、その他生協と地域社会の活動に関する問題などとすること」などを定めています。2008年度はまず日本が韓国側を招請し、「相互理解を深める」ことをテーマに交流を行いました。

食への不安から急成長する韓国の生協

イ・ジェウク事務総長

交流会第1日目の12月1日は、千葉にある社会福祉法人生活クラブ風の村と、さくら風の村の視察。2日目の12月2日は東京・新宿文化センター会議室において、まず生活クラブ連合会加藤好一会長が、次に生協全国連合会のイ・ジェウク事務総長が活動報告を行いました。
  イ事務総長の報告によると、韓国の全生協組合員世帯数は合計45万世帯。組織率は約3%と日本の10分の1弱で、歴史が浅いぶん、韓国の生協は小規模なものが多く、これから成長していこうとするパワーとエネルギーに満ちているようです。イ事務総長は「われわれは25年間活動してきて45万の組合員を得た。これを2010年には100万にしたい」と話していました。2008年1年間で5万人増やしたとのことで、その勢いがうかがえます。
  ソウルなどの都市部では、大手スーパーマーケットに車で乗り付け、1週間分をまとめ買いするのが一般的な食料品の購入方法といわれますが、最近はアメリカ牛肉のBSEに対する不安や中国製食品のメラミン混入事件などをきっかけに、安全な食品を求める人が増え、スーパーマーケットやデパートにも有機農産物のコーナーができているそうです。そのような流れの中で、安全で安心な食べ物を供給し、その生産を守ってきた生協に注目が集まり、加入者が増えている、と生協全国連合会はとらえています。

NON-GMコーン輸入で連帯したい

全農畜産生産部の川崎浩之さんと、CGB社のジェイムズ・スティッツレインさん

その後、会場を生活クラブ連合会会議室に移して、「日韓のGM(遺伝子組み換え)コーンスターチ輸入増問題と私たちの取組み」と題した生活クラブ連合消費委員会との合同学習会が行われました。
学習会では、全農畜産生産部の川崎浩之さんと、全農の関連会社であり、米国でNON-GM(非遺伝子組み換え)コーンの集荷・流通を担当しているCGB社のジェイムズ・スティッツレインさんがレクチャーを担当。まず、全農とCGB社がNON-GMコーンをどのようなシステムによって確保しているかの説明がありました。全農の分別流通システム「IPハンドリング」で供給されるNON-GMコーンは、生活クラブが提携している畜産生産者の飼料にもなっています。
  次に、2007年から2008年にかけて、日本・韓国ともにNON-GM コーン輸入量が激減している事実が示されました。その理由は、バイオエタノール需要の増大により、NON-GMコーンの価格が高騰し、あまりの高騰ぶりに、NON-GM を諦めて、GMコーンに転換する日本の畜産生産者や食品会社、生協も増えているとのことです。全農とCGB社は、消費者の需要がある限りNON-GM コーンを扱い続けるスタンスですが、川崎さんは「需要が減りすぎると物流が維持できなくなる」と指摘。会場からは「NON-GMコーンを入手しつづけるには、需要をまとめ、必要量をCGB側に伝えていくことが必要なんですね」との声も聞かれました。
  生活クラブ連合会の福岡良行専務理事によると、「韓国では今春からGMコーンスターチの本格輸入が開始され、反対世論が高まっています。その先頭に立つ韓国の生協全国連合会に、米国のNON-GMコーンを日韓で協力して輸入しようと生活クラブから提案しました」。この申し出に対し、韓国側からは「日本からの提案をありがたく受け止めた。これから韓国の各生協と相談して、よい結論を出したい。これを機会に両国生協の事業連帯が進むことを願っている」(イ・ジェウク事務総長)という返答がありました。

生活クラブ東京の多機能複合施設も訪問

モク・ヨンジュ連合会副会長

翌12月3日は、同じく生活クラブ連合会会議室で、「生協と地域社会活動」をテーマに、生活クラブ神奈川、韓国バルン生協、韓国チュンチョン(春川)生協の3つの単協がそれぞれの活動報告を行いました。
  4日目の12月4日は、西東京市にある「パスレル保谷」とその至近にある「社会福祉法人悠遊」のグループホームを訪問。パスレル保谷は、2007年10月に生活クラブ東京が建設し、生活クラブ東京とその関連グループが活動を展開している多機能複合施設で、デポー、保育園、高齢者向けデイサービス施設、共用オフィス、イベントスペース、分譲住宅などがあります。生活クラブの組合員活動から生まれたさまざまなワーカーズコレクティブやNPOがここを拠点として、店舗を開いたり、デイサービスや訪問サービスを行ったり、ワークショップを行ったりしています。複数の市民活動が集まり、結びつき、かつ、地域に対して開かれたユニークな施設です。
  訪問メンバーは熱心に写真を撮り、パンフレットを集め、スタッフに質問を浴びせていました。モク・ヨンジュ連合会副会長からは「とくにデイサービス施設がよかった。生協運動の根本である、人を大切にする美しい福祉の姿を見ることができた」との感想が聞かれました。韓国にはまだワーカーズコレクティブが少なく、生協の事業は法律で有機農産物とエコ商品の共同購入のみに制限されています。しかし、韓国の生協が日本のワーカーズコレクティブの活動内容や仕組みに強い関心を持ち、今後の参考にしようとしていることが、この日の視察からよくわかりました。
  生活クラブ連合会では今後、生協全国連合会と3か年計画で連合会どうしの交流を実施していきます。2009年は韓国が招請し日本が訪問、2010年に正式に覚書を作成し調印する予定です。生活クラブ連合会の福岡良行専務理事は、「よりよい社会のために生協が果たすべき可能性は国を超えて共通しています。今回は具体的に、GM問題での連帯の可能性を探るよい機会となりました。この交流の成果を消費材のGM対策継続という成果として実らせたいと思っています」と、交流活動の意義を語っています。

韓国の生協全国連合会のみなさん

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