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「国産なたね消滅」の危機を回避!!-国の交付金が実質一年延長へ-

「国産なたね消滅」の危機を回避!!─国の助成金が一年延長へ─

 政府の「高品質なたね産地確立対策事業」が今年で打ち切られ、なたね農家への交付金が廃止されようとしているなか、「生活クラブ国産なたね協議会」は7月下旬、その継続と施策充実を求める団体署名と要望書を内閣総理大臣、農林水産大臣に提出しました。農林水産省における懇談で同省の内藤生産局長は「特定の作物に交付金をつけることは難しく、なたねへの交付金継続は難しい」との姿勢を崩しませんでした。しかし8月25日、農林水産省は実質的に1年延長する方針を打ち出しました。(2008年9月5日掲載)  

「交付金の継続はできない」が一転

団体署名を提出する若林裕子委員長

「国産なたねが姿を消す」-そんな危機感を抱いた「生活クラブ国産なたね協議会」(以下・協議会)のメンバー10人が農林水産省を訪れたのは7月31日。生産局長室で1時間近く、内藤局長に「高品質なたね産地確立対策事業」の継続と、国産なたねの自給率向上を図る施策の充実を要請しました。  
  冒頭、生活クラブ連合会連合消費委員会の若林裕子委員長が「国産なたねの生産維持・拡大のための交付金継続と施策充実を求める団体署名」(詳細は別添内閣総理大臣宛650筆、農林水産大臣宛648筆)を提出。続いて内藤生産局長らとの懇談が行われました。
  懇談の中心は、「高品質なたね産地確立対策事業」の継続についてでした。同事業は2006年、なたね生産農家の農業経営の安定などを目的にスタートしましたが、2008年度の収穫をもって終了することが決まっていました。団体署名提出前のヒヤリングで農林水産省は、「国産なたねのような特別な作物を生産する限られた団体が限られた消費者に渡すような物に対して交付金等の農業補助金を出すような措置は問題視されている」「これ以上の予算化はできない」と強調していました。
  この日も、「食用油は輸入原料に頼りすぎている危険な状況にある。少しでもなたね栽培をひろげることが大事」、「北海道の滝川市では、2億5千万円をかけてなたねの乾燥調整施設の建設を検討している。国産なたねの生産に真剣に取り組み始めた産地の熱意を摘み取りたくない」などと事業の継続を求める協議会に対して、内藤局長は「継続はできない」という姿勢を崩しませんでした。
  しかし、要請が功を奏したのか、8月25日、農林水産省は、これまでの事業予算である残額分を国に返還せず、2009年産作付けに対して新たに、「国産なたね産地自立化促進対策事業」を打ち出しました。 具体的には、2009年産のなたねに対しても交付金対象とするというもの。実質1年間ですが、この間、農林水産省との交渉に当たってきた連合会開発部加工食品課の守屋馨課長は「団体署名や要望書、そして農林水産省の生産局長らとの懇談、協議会の行動の成果といえるでしょう」と感想を述べています。

国産なたねの生産量はピーク時の0.3%

国産なたねの生産量がピークだったのは1957年、25万8000haの作付けがあったといいます。それが2006年にはわずかに800ha(57年比で0.3%)、生産量は900tしかありません。生産量が激減したのは、国の政策がなたねから国産果樹へ誘導したことや、国産なたねが心臓疾患に影響があるといわれるエルシン酸を多く含んでいたことなどが大きな理由です。このため、なたねの自給率は大幅に低下、原料のほとんどをカナダやオーストラリアなど海外に依存するようになってしまったのです。
92年に低エルシン酸の国産なたねが開発されたことをきっかけに生活クラブは「自給力向上」のために青森県のJA横浜町、北海道のJAたきかわの生産者との話合いを続け、作付けを拡大してきました。そして近年、生産量の低下傾向に歯止めがかかってきています。この裏付けになったのが交付金制度でした。
現在、国産なたねの販売価格は1俵(60㎏)12,000円、うち6,667円が交付金です。なたね1俵の生産には7,804円の経費がかかるため、交付金が廃止されると生産を維持することはほぼ不可能になります。こうした事情から、協議会は急遽、これまで様々な運動を共にしてきた全国の諸団体に、「高品質なたね産地確立対策事業」の継続と施策充実を求める団体署名の協力を要請したのです。
前述のように、国産なたねについて交付金は実質1年の延長という方針が打ち出されました。ただ、その先については予断を許しません。油脂原料や畜産飼料もふくむ穀物は、世界が食料危機に直面しているいま、「カネにあかせて買える時代」ではなくなってきています。食料原料の抜本的な国内自給体制の整備と推進が求められる理由は、そこにあります。
前出の守屋課長は、「引き続き2010年産以降の新たな施策について、関係各所へ働きかけるとともに、新規産地開発や東北農業試験場で開発された新品種の拡大、なたね油の利用促進、他生協への働きかけを進めていきたい」としています。

●団体署名の内容

《団体署名呼びかけ人:生活クラブ国産なたね協議会 構成団体:JA横浜町、JAたきかわ、JA全農、(株)全農食品、米澤製油(株)、生活クラブ生協連合会》

 世界的な穀物事情の逼迫、食料資源の燃料化、旱魃等による不作など穀物・油糧作物の供給体制は決して安心できるものではありません。また、今後の人口増加、中国・ブラジル・インドなど新興諸国の経済発展に伴う食生活の変容(食肉消費の増大、飼料穀物需要の増大など)等を考慮すると、国内資源の維持・発展は国家的責務と考える必要があります。昨今の穀物価格の上昇を背景に、食料品の値上げに伴う社会不安が世界各国で起こっています。とくに第3世界の貧困層にとっては生存の危機ともいえる状況です。こうした事態は一過性のものではなく、構造的な問題と考えます。
  海外での飼料穀物・油糧種子の需給関係を緩和するためには、国内での種子資源の開発と確保とともに、今後とも国内での持続的生産を維持し、さらに拡大すべきと考えます。よって、国産ナタネの生産維持・拡大のための交付金継続と施策充実を求める団体署名を提出します。

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