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このままでは国産鶏の卵が食べられなくなる!?

このままでは国産鶏の卵が食べられなくなる!?  ―国産鶏を守る緊急集会を開催-

 まさに“天井知らず”の勢いで高騰する飼料価格。原油も異常な高値を記録、資材費などの生産者負担は増えるばかりです。しかし、肝心の鶏卵相場は1kg185円と低迷したまま(2008年7月現在)。その生産に必要なコストである235円を大きく割り込むという深刻な事態が続いています。このままでは国産の採卵(以下、国産鶏)鶏を飼育している小規模な農家は倒産廃業を余儀なくされ、「食」の安心の根幹である《種》の自給が「ゼロ」になる危険性が高まっています。こうした危機的な状況を生産者と消費者の共通認識とし、国産鶏の存続と利用拡大を広く社会に呼びかけるため、「国産鶏を守る緊急集会」が7月4日に東京で開かれました。(2008年7月22日掲載)  

鶏卵の親鶏の自給率は「6%」という現実

中島 学さん

 今回の集会を主催したのは国産鶏を飼育する鶏卵生産者、生活クラブ生協連合会をはじめとする消費者団体、国産鶏の開発企業や育種機関などの17団体からなる「国産採卵鶏を守る緊急集会実行委員会」。生活クラブ生協連合会(以下、生活クラブ)の提携生産者である長野県の農事組合法人「会田共同養鶏組合」の中島学さんが実行委員長を務めています。
  「国産鶏」は日本の気候風土に合うように何世代にもわたって育種改良された鶏。岐阜県にある(株)後藤孵卵場が《種》を保有し、国内で持続的な開発を続けてきました。これなら農場から食卓までの生産履歴が確認できるだけでなく、飼料管理の方法やワクチン投与などの生産情報も開示することも可能です。ところが、これに対して「外国産」の鶏は品質よりも数を産むこと(産卵率)を重視する育種改良から生まれ、生産履歴などの情報もすべて企業秘密。その《種》もヨーロッパに本部を置く多国籍資本2社が“独占”しています。
  日本の鶏卵の自給率は95%ですが、卵を産む親鶏となると約94% が「外国産」。国産鶏のシェア(市場占有率)は6%にしか過ぎません。こうした現実を踏まえ、中島さんは集会で次のように呼びかけました。
  「『食』の自給という何よりも大きな安心を手に入れるには、絶対に国内で《種》を守り育てていかなければなりません。この全国緊急集会は、そのための大きな第一歩。《種》が国内で生産できなければ生産履歴のきちんと証明できる畜産物の生産にも大きな支障が出てきます。その重要性を消費者、生産者、国産鶏の開発改良に関わる方々と共有し、《種》の自給力を高めていくためにも、ともに力をあわせて国産鶏の存続と普及拡大を社会に強くアピールしていきましょう」

飼料価格の高騰で倒産廃業の危機が

国産鶏のヒナ

 いま国内で国産鶏を開発しているのは後藤孵卵場(以下、ゴトウ)が大半である。ゴトウは世界に数社しかない採卵鶏の育種会社のひとつであり、生活クラブが共同購入する鶏卵を産む『さくら』と『もみじ』の開発者でもあります。この国産鶏を飼育するのは中小規模の農場が中心。こうした農場が飼料の高騰などにより経営危機に追い込まれ、倒産廃業などの事情により、飼育羽数が減少すれば、《種》を国内に存続させるためのゴトウの育種も困難になってしまいます。そうなれば私たちは鶏卵を手に入れられなくなるかもしれないのです。
  というのも、気候変動や鶏インフルエンザなどの発生、為替相場の急激な変動などにより、外国鶏種が輸入停止になり、採卵鶏のヒナの海外からの供給が完全にストップする可能性は常にあるからです。そうなったとき、国産鶏の《種》がゼロになってしまえば、私たちは鶏卵を口にできなくなってしまいます。こうした点を憂慮し、日本の気候風土の中で育種した《種》を保有することは「食の自立を可能にすることであり、食の健全化を図る上で大切なこと」と訴えるのは、独立行政法人「家畜改良センター岡崎牧場」の米田勝紀さんです。

インターネットで“国産鶏の鶏卵情報”を

 集会では各生産者がどのような方法で国産鶏を育てているかを発表。山梨県で6万羽の鶏を飼育する黒富士農場の向山茂徳さんは「身近な地域で手に入れることができるナタネ油や味噌、おからなどに乳酸菌と納豆菌を加えた発酵飼料を作っています。オーガニックの卵を作るために、海外で無農薬のトウモロコシを栽培してもらっていたこともありましたが、自分の暮らす地域の農業を守ることこそ肝心と気づき改めました」と報告。向山さんも生活クラブの提携生産者のひとりです。
  「おいしくて安心して口にできる国産鶏の卵をつくるために餌に魚粉や米ぬかを使い、普通のトウモロコシよりも高価なNON-GMのトウモロコシを鶏に与えています。2006年には卵かけご飯の店を開き、作った米とおいしい卵を安く食べてもらっています」と発表したのは、兵庫県豊岡市で国産鶏1万羽を飼育する西垣養鶏場代表の西垣源正さんです。
  また、生活クラブの提携生産者である 農事組合法人旭愛農生産組合(赤座農場)の赤座繁樹さんは「国産鶏の再生産を安定して続けていくには国産鶏の卵の適正価格を理解してもらわなければなりません。それには積極的な情報提供を欠かさず、鶏種、生産条件、給餌飼料などの生産コストの内訳を開示。あわせて外国産の鶏が産む一般の鶏卵とは異なる国産鶏の鶏卵相場などもホームページなどに掲示していく必要があります」と提案。市場流通の鶏卵情報に相当する《国産鶏の鶏卵情報》の発信を充実させていくことの重要性を訴えました。

5年かけて国産鶏のシェアを10%に!

 さらに(有)鹿川グリーンファームの代表取締役専務の丸尾敏晴さんと生活クラブ連合会の連合消費委員長である若林裕子さんが集会宣言を読み上げ、〈純国産鶏の養鶏産業における現状を把握したうえで、生産者と消費者が協力して維持拡大し、日本の畜産・農業の復活に向けて取り組んでいきます〉とアピール。これを受けた生活クラブ連合会の福岡良行専務が「この集会に先立つ記者会見で後藤孵卵場の日比野社長が『国産鶏のシェアを5年間かけて10%にしたい』と宣言しました。とても心強い言葉です。実に厳しい状況が続いていますが、国産鶏を守っていく意味をそれぞれの地域でアピールしながら賛同者を増やし、ぜひ日比野さんの宣言を具体化するために力をあわせて頑張りましょう」と提案し、緊急集会を締めくくりました。

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