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全国的に注目を浴びる「飼料用米」

全国的に注目を浴びる「飼料用米」

 食料自給率の向上に向けた先進的な取り組みとして全国的に注目を浴びている「飼料用米」。6月5日には、参議院農林水産委員会のメンバー15人が農林水産省の担当者とともに山形県の庄内を訪れ、飼料用米の生産現場の視察や農協、行政関係者との意見交換を行いました。

飼料用米シンポジウム

同日には東京で、JA庄内みどり遊佐支店、平田牧場、遊佐町、そして生活クラブ連合会の代表者をパネリストにむかえ、飼料用米の成果と課題を探るためのシンポジウムが開かれました。飼料用米の広がりをレポートします。 
(2008年6月23日掲載)

相次ぐ国会議員の視察

 庄内を訪れたのは参議院農林水産委員会の郡司彰委員長、平野達男、加治屋義人の各理事と舟山康江参院議員、それに農林水産省の担当者ら約30人。穀物価格の高騰を受けて食料自給率への関心が高まっている中、自給率を向上させる具体的な取り組みとして注目を集めている飼料用米の実情視察を目的にしました。一行はまず、平田牧場の畜産現場を視察。その後、遊佐町の飼料用米生産者・三浦澄雄さんの水田を訪問、栽培方法や課題などについて説明を受けました。  
  飼料用米を生産するための課題はいくつかありますが、大きくは「多収穫とコスト削減」といわれています。食用米に比べて価格が安いことによりますが、このため生産者はいずれもコスト削減に取り組んでいます。そのひとつが「直播(じかまき)」といわれる栽培方法。わずかに芽の出た種もみを散布機で直接、水田に播く方法で、田植えの必要がないために農機具の燃料費が節約できます。三浦さんもこの栽培方法を採用しています。  
  この後、平田牧場の本社で意見交換があり、JA庄内や行政関係者からは「交付金などの補助制度を継続、充実してほしい」など、生産者の所得増を求める意見や要望が強く出されたといいます。  
  国会議員が飼料用米の現地視察に訪れたのは、4月に大河原まさこ参議院議員らが「飼料用米に関する懇談会」で視察したのに続き今年は3回目。メディアで取り上げられる機会が多いだけではなく、国も強い関心を示していることがうかがえます。

飼料用米の栽培はわずか21戸からスタート

JA庄内みどり・遊佐の今野 進さん

 庄内地方における飼料用米の栽培は1996年にさかのぼります。当初、庄内地方の各市町村で栽培が試みられ、最盛期には220ヘクタール、1,000トンの収穫量を上げたこともありました。しかし、食べるお米の2割にも満たない価格の上、助成金が減額されるなどの理由で栽培面積は激減、2003年には最盛期の4分の1にまで落ち込んでしまいました。飼料用米の取り組みは「風前の灯」だったのです。
  転機が訪れたのは翌2004年。規制緩和の一環として制定された「食料自給率向上特区」に遊佐町が名乗りをあげたからです。JA庄内みどり・遊佐の今野進さんらがNPO「鳥海自然ネットワーク」を立ち上げ、町内の休耕田を遊佐町から借り受けて飼料用米の作付けを始めました。とはいえ、この年、遊佐町で飼料用米の作付けをした農家は全農家数の2%弱、21戸を数えるだけでした。

遊佐町・小野寺 喜一郎町長

6月5日、東京で開かれた「日本の食卓を救う! 飼料用米シンポジウム」でパネリストの一人、遊佐町の小野寺喜一郎町長はその当時をこう振り返りました。
  「減反政策がいつまでも続くとは思えなかった時、当時の生活クラブ連合会の河野会長から飼料用米の話がありました。自給率を向上させるという内容でしたが、百姓は自給のことより自分の生活をいかに守るかに関心があり、自給は国が考えることと考えがちです。ところが河野さんは、『自給力を高めることに夢、ロマンをかけよう』と説得するわけです。このロマンという言葉に私はコロッといってしまい、農家の説得にも当たりました」  
  前出の今野さんはその話の輪に加わっていた一人。シンポジウムで、「正直なところは、最後の遊びのつもりでやってみるかというノリでした。しかし、現実はどうでしょう。穀物価格の高騰などを受けて飼料用米が自給率向上の方法として注目を浴び、視察が殺到しています。当時はまさか、こういう事態がこんなに早く来るとは思いませんでした」と、飼料用米を取り巻く環境の変化について、実感をもって指摘しました。

栽培面積は庄内で50倍超、地域も全国へ

 04年に21戸、7ヘクタールで再スタートした遊佐町の飼料用米の作付けは、助成金の整備などもあり、07年には230戸、130ヘクタールに拡大、遊佐町はいまや「全国一の飼料用米産地」になりました。
  08年度はさらに増え、産地も遊佐だけに止まらず庄内全域に広がり、面積は300ヘクタールを超えると見込まれています。遊佐町でのさらなる拡大、酒田市が新規拡充することなどによります。この結果、平田牧場三元豚9万頭分の飼料が確保できる見通しが立ったといいます。  
  飼料用米の広がりは庄内だけに止まりません。生活クラブの他の提携産地でも取り組みは加速しています。栃木県の栃木開拓農協では、黒磯、鹿沼両市と契約栽培作付けに向けて協議が進められました。5.5ヘクタールに作付けされた飼料用米は平田牧場三元豚に給与されるほか、肉牛用の実験にも使われる予定です。また、宮城県のJA加美よつばから作付けの申し入れがあり、平田牧場での利用に向けた調査が進められています。  
  飼料用米の利用は豚肉だけではありません。千葉県の旭愛農生産組合、青森県の常盤村養鶏農協では、採卵鶏での飼料用米の利用が継続しています。また、埼玉県の鹿川グリーンファームは、JAほくさいと15ヘクタールの契約栽培に向けた協議を進めています。

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