Rびんの活動が環境大臣賞を受賞
生活クラブは、「使い捨てにしない空きびん(Rびん)の再使用」を実践して、ごみやCO2の削減に大きな成果をあげています。こうした実践をしている生協6団体で構成する「びん再使用ネットワーク」が、平成18年度容器包装3R推進環境大臣賞(地域の連携協働部門)の最優秀賞を受賞しました。びん形状の統一により効率的なリターナブルびんの使用システムを構築し、全国の生協にびんの再使用を普及させたこと、また超軽量びんの活用も開始していることが評価されました。
継続的にきわめて着実に取組んできたことが受賞に
授賞式は、4月11日、霞ヶ関の環境省会議室で行なわれました。審査委員長の安井至さん(国際連合大学副学長)から「社会全体の風潮から、なかなか難しい3Rの推進について、継続的に極めて着実に取り組んできている点を評価した」という講評がありました。
若林正俊環境大臣からは「この賞は全国に3Rを推進していくためにスタートしました。しかし、循環型社会の実現は一朝一夕にはできません。今回応募された取り組みはいずれもとても優れていました。このような先進的な取り組みから、循環型社会の実現を進めていきたい」という挨拶があり、各受賞者に大臣賞が授与されました。
続いて北川知克政務官より各部門の最優秀賞受賞者にロゴマークが手渡されました。このロゴマークは受賞団体が3Rを推進していくために活用することができます。「このロゴマークを活用して、今後いっそう3R活動を推進していただきたい」と激励がありました。
これまでに削減したCO2は東京ドーム14個分
受賞者の挨拶で、びん再使用ネットワーク代表幹事の中村秀次さんは「これまでのRびんの取組みによって削減したCO2は、東京ドーム14個分にもなりました。びんのリユースの実践は、びんを使う消費者だけでなく、Rびんを使った製品を作る提携生産者、Rびんを製造するメーカー、そしてRびんを洗う事業者というように、多様な人々の連携がなくては成り立ちません。そういった意味でも、今回[地域の連携協働部門]で受賞できたことを大変嬉しく思います。今後は、Rびんを、ペットボトルに替わるリターナブル飲料ボトルとして普及させることも目指していきたい」と話しました。
さらに、ペットボトル1本とRびん1本で排出されるCO2の量の違いを見せる「CO2風船」を、ぜひアピールに活用してほしいと、若林環境大臣に手渡しました。
私たちの地道な取り組みが、今回の受賞をきっかけに社会全体に広がっていくことを期待します。
■びん再使用ネットワークとは
「びん再使用ネットワーク」は、環境保全・資源循環型社会の構築を目指した生協団体のネットワークとして、1994年4月に設立。現在、生活クラブ生協連合会、パスシステム生協連合会、グリーンコープ連合、東都生協、新潟総合生協、生協連合会きらりの6団体(合計組合員数190万人)で構成しています。家庭から排出されるごみが増え続け、容積比60%を占める容器包装ごみが大きな課題となる中で、「規格統一したリターナブルびん(Rびん)の普及」によって、ごみ問題の解決を目指しています。加盟生協団体は食品の安全性を追求しながら、生産・消費・廃棄までを配慮した共同購入を進め、環境保全のための活動を続けています。
びん再使用ネットワーク
http://binnet.org/
■容器包装3R推進環境大臣賞とは
容器包装3R推進環境大臣賞は、容器包装廃棄物の3Rの推進に役立つ活動の奨励・普及を図るために、容器包装リサイクル法の改正により、平成18年度から環境省が創設したもので、「地域の連携協働部門」、「小売部門」、「製品部門」の3つがあります。今年1月からの公募に、120件の応募がありました。その中から各部門最優秀賞1件ずつ、ほか優秀賞、奨励賞あわせて12件が受賞しました。 地域の連携協働部門の最優秀賞は、規格統一したリターナブルびん(Rびん)の普及で「びん再使用ネットワーク」が、小売部門の最優秀賞は、京都生協の「コープ下鴨」が、製品部門での最優秀賞は、トレーを再生利用したエコトレーで「株式会社エフピコ」が受賞しました。ロゴマークは、最優秀賞受賞団体だけが使用できます。
環境省・平成18年度容器包装3R推進環境大臣賞
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=8252
■3Rの推進とは
3Rは、Reduce(リデュース/使用済みになったものが、なるべくごみとして廃棄される分が少なくなるようにすること)、Reuse(リユース/使用済みになっても、もう1度使えるものは廃棄せずに再使用すること)、Recycle(リサイクル/再使用できないまたは再使用後に廃棄されたものを、再生資源として再生利用すること)の3つの英語の頭文字を表します。 3Rの推進は、上の3つのRに取り組むことでごみを限りなく少なくし、限りある地球資源を有効に繰り返し使う持続可能な社会(=循環型社会)をつくろうとする取り組みです。
【2007年4月18日掲載】