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放射能の新たな自主基準づくりの準備が始まる

3月11日に起こった東京電力・福島第一原発事故。国土の相当範囲が放射能に汚染されてしまった現状は、まさに未曾有の事態といえるでしょう。
生活クラブは今回の事故が発生するまで、1986年に起きたチェルノブイリ原発事故を契機に決めた自主基準を運用してきました。それは当時の国の輸入食品の暫定基準である370ベクレル/kgに対し、10分の1(37ベクレル/kg)という考え方でした。そして提携生産者による自主検査をあわせて、年間約60検体の放射能検査を継続して実施してきました。
しかし、このような蓄積をゆるがす国内での原発事故の発生によりすべての消費材検査をしきれないため、いったん自主基準の運用を停止し国が新たに定めた暫定規制値を適用せざるを得なくなりました。
生活クラブはこの判断と同時に放射能汚染の状況や幅広い知見を集積し、新たな自主基準をつくることを決定。あわせて急ぎ自前の放射能検査機器を購入し、「消費材全品目の放射能検査を実施しながら、速やかに情報を公開する」という対応をすすめています。

自主基準づくりは、自主管理委員会のもとに「放射能基準検討専門委員会・準備会(以下、準備会)」を設置して議論を始めました。
すでに9月、10月と会議を行い、現時点で把握されている国内の汚染状況や行政などが実施する放射能検査の問題点、欧州放射線リスク委員会(ECRR)など低線量被ばくの影響を指摘する情報の確認などを行いました。さらにチェルノブイリ事故後、旧ソ連やウクライナなどでは暫定規制値が1ヵ月後、1年後、5年後と低い数値に見直され、5年後の法律でどのような環境下でも年間1ミリシーベルト以下とすることが定められたことを確認しました。
この準備会の主たる役割は、1.放射能の汚染実態の把握、2.国内外の公的な基準の把握、3.基準値の比較検証のための知見調査、4.自主基準を検討するための課題の整理で、メンバーは連合会の担当理事や連合会事務局、それに希望する単協の準備会の会議のようすオブザーバーなど、総勢16人で構成されています(座長は連合会・槌田博品質管理部長)。そして自主管理委員会で自主基準を検討し、生活クラブ連合理事会で2012年度に決定する方針です。

なお自主基準を検討する際は、今後、国の暫定規制値の運用を解除した場合に、一時停止している自主基準を単純にそのままの数値で運用することができるのか、もし見直しが必要になるとしたらどのように見直すのか、原発による放射能汚染が起きた当事国として深い論議が求められます。
準備会では今後はさらに国土などの汚染実態の把握をすすめながら、消費材の全品目検査の結果を踏まえつつ、一定の知見を集約できた段階で学習会をかねた報告会を開催することを検討しています。

放射能汚染問題は国内事故にもかかわらず、政府から正確な情報がもたらされなかったために海外情報に頼らざるを得ませんでした。しかしその情報も、食べたり飲んだりという日常生活からの視点はありません。そこで生活クラブが、私たちが置かれている状況を把握するために消費材の全品検査に取組み、データを集積しつづけていることは、具体的で実現可能な自主基準づくりを進めるための実は近道だと思います。「放射能基準検討専門委員会・準備会」メンバー生活クラブ山梨理事長 中野裕子さん
放射能の影響に「これなら安全」と呼べる値(しきい値)はありません。ゼロ以外、どのような数値にしても何らかの影響が出る恐れがあります。胎児や子どもと大人を分ける基準値にするのか、それとも、事故が起きる前の自主基準(37ベクレル)のように一つの数値を提案していくべきなのか、まだ分からないし悩ましいかぎりです。
いま、自主基準値を低く設定することや拙速にゼロとすることも簡単でしょう。それで一時的に組合員の加入が増えるかもしれません。が、その先は「地球の裏側などで収穫された食品を輸入して食べる」となり、自分勝手な議論に陥る懸念があります。新たな自主基準づくりは困難でなかなか結論にたどりつかない作業です。それでもそのプロセスを公開し、組合員の広範な討議を経て策定していくべきと思っています。

【2011年10月21日掲載】
 

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