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真の循環型社会をつくろう!!

容器包装の3Rを進める全国ネットワーク(以下、3R全国ネット)主催の集会が10月25日(火)、生活クラブ運動グループなど賛同団体のメンバーや衆参両院の国会議員ら約120人の出席のもと衆議院第二議員会館で開かれました。8月31日に「容器包装リサイクル法を見直し、発生抑制と再使用を促進するための仕組みの検討を求める」国会請願が、衆議院及び参議院の環境委員会において全会一致で採択。3R全国ネットは「容器包装リサイクル法の見直しが新たな段階に入った」として、国会内で集会を開きました。(2011年11月11日掲載)

法改正への道を開いた重みのある請願採択

請願採択までの経緯を説明する中村秀次さん 容器包装リサイクル法(以下、容リ法)改正の国会請願は2004年にも提出されましたが、この時は審議未了となりました。しかし、これを受けて環境省・中央環境審議会の廃棄物・リサイクル部会と、経産省の産業構造審議会環境部会廃棄物リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキンググループは、翌年「事業者が分別収集、選別作業にかかる費用を一定程度負担する」といった中間方針をとりまとめました。ところが、日本経団連の反対で2006年の容リ法改正には反映されませんでした。このため、3R全国ネットは再度、同法の見直しを目標に請願活動を続けてきました。
 今回の請願事項は(1)容リ法の役割分担を見直し、分別収集・選別保管のあり方を検討する、(2)リデュース(発生抑制)、リユース(再使用)を促進するため、リユース容器の普及や容リ法の対象範囲の拡大、(3)製品プラスチックのリサイクルを進める仕組みのあり方を検討する、です。
 この請願が採択されたことについて3R全国ネット事務局次長の中村秀次さんは、集会で参加者にこう呼びかけました。
 「後戻りさせない政策づくりを国会で確認していただいたと言える重みのある採択。これをバネに来年早々、次の容リ法のしくみを検討する市民案の叩き台を提案するので議論してもらいたい。法改正へは市民だけでなく市町村と緊密な連携を取っていくことが必要。多くの市民、市町村に声掛けして『大きなうねり』を全国的につくっていこう」

「少ないモノで豊かな社会」を目指そう

環境システム工学が専門の森口祐一さんが講演 基調講演は、東京大学大学院教授の森口祐一さんが「3R社会の将来展望―容器包装とプラスチックを中心に―」と題して行い、「循環型社会は大量生産・大量消費・大量リサイクル社会なのか?」と、現行法による環境政策を批判し、こう続けました。「そもそも、2000年制定の循環型社会形成推進基本法は再生利用(リサイクル)を重視しているが、これは環境への負荷の面で望ましい形ではない」と指摘しました。
 容リ法見直しに向けては、特にプラスチックについて法の枠組み、分別対象、回収ルールの不統一などの問題点を挙げ、また循環型社会について「市民がより広い視点で環境問題や社会のしくみに関心を持ち、優れた技術や熱心な市民の行動を生かした『少ないモノで豊かな社会』になるべき」と述べました。

連携を深め改正の実現を

大河原雅子参院議員(左)、山下真・生駒市長 集会では、国会議員や関係省庁の担当者、自治体関係者、事業者がそれぞれの立場から意見を表明しました。このうち、民主党参議院議員の大河原雅子さんは「みなさんが超党派の議員に声をかけてくださったことが実りました。これをバネにして市民が、自治体が求める容リ法をつくりましょう」とコメント。奈良県生駒市長の山下真さんは「是非とも首長間の連携を深めていきたい」と語りました。

みんなが協力して「資源循環型社会」をつくろう!

生活クラブグループの活動を報告する小畑聖子さん(千葉) ところで、3R全国ネットには生活クラブ連合会をはじめ全国約200の団体、約180人の個人が参加しており、当日はこのうち6団体が発言しました。生活クラブからは、生活クラブ千葉理事の小畑聖子さんがグリーンシステムや今回の請願に係る署名活動を報告した後、こう訴えました。
 「今度の容リ法改正はわたしたちの思いを込めたものにしなければならない。わたしたち市民が自覚を持ってそういう容器を選んでいけるよう、企業のみなさんにはゴミになりにくい容器を提供、国会議員のみなさまにはそのインセンティブが働く法整備をしていただきたい。市民、企業、議員、自治体みんなが協力し合わないと『資源循環型社会』は成しえない」

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