「35万人の消費材アクション」スタート集会を開催
21都道府県に32ある生活クラブ。現在、約35万人の組合員がいます。この組合員一人ひとりが持っている「利用する力」を結集していこうと200人以上の組合員と生産者が集い、5月14日に東京でスタート集会を開催しました。(2012年6月5日掲載)
直接会って話し合おう
組合員が毎日の生活の中で生活クラブの消費材を利用していくことは、食に関わる社会的な問題を解決する大きな力となります。たとえば国内の自給力を向上させるために米農家に飼料用米の栽培を呼びかけ、畜産生産者には豚や鶏にその米を給餌してもらい、組合員はできたお肉や卵を食べる約束をします。このような取組みはいまや「こめ育ち」と呼ばれ、社会に広がってきました。これが利用結集の力です。
この力をもっと強くしていくことをめざしてこの秋、各都道府県の生活クラブが生産者と力を合わせて一斉に「35万人の消費材アクション―みんなでいただきます―」を展開します。
そのスタート集会が5月14日に東京で開催され、全国から組合員と生産者200人以上が参加しました。
集会では荻原妙子実行委員長(生活クラブ神奈川理事長)が「日本の農林水産業を壊滅させる恐れのあるTPP交渉、放射能の脅威が明らかになったのに原発を継続しようとする政策がすすめられています。食の安全をおざなりにする動きに対し、共同購入運動の真価を発揮する時です。子どもたちの世代へ食をつなげていくために、人々の共感を集め利用を高めていきましょう」と挨拶しました。
加藤好一生活クラブ連合会会長は「共同購入運動の課題と未来」をテーマに問題提起。
今回の活動のポイントは(1)35万人の組合員があらためて“仲間”になること、(2)組合員に直接会って話し合うこと、(3)生産者と連携して集中して実施することが重要と指摘しました。
続いて3つの単協が活動計画を発表。
長野:「長野は約1600班が班会議を開いて加入のきっかけやお気に入りの消費材などを話し合い、共同購入の価値を確認し合う機会にしたいと思います。そして、班員がもうひとりに呼びかけ、拡大や利用促進のアクションを起こします」(小林テル子長野副理事長)。
北東京:「若い人や加入3年目までの組合員は利用が比較的低い傾向があります。この世代の人たちに消費材がもつ“メッセージ”をしっかり届けるのがポイントだと思います。まちの試食会などへの参加呼びかけなど、会って話す活動をしていきます」(松浦佐智子北東京理事)
横浜みなみ:「組合員にとって自分の参加が何につながるのか、一番わかりやすいのが利用を集める活動だと思います。利用はだれもが主人公になれるテーマで、横浜みなみでは『消費材カフェ』という地域で身近に集まる場づくりを9月に数多く開催していきます」(猪狩裕子横浜みなみ理事長)
生活クラブでは組合員と生産者の車の両輪
提携生産者からは次のような発表がありました。
「消費材は組合員のみなさんと私たち生産者がつくりあげた“宝”です。でも、利用しなければ意味がありません。ぜひ組合員どうしで消費材について語り合い、食べ続けることが生産の継続につながることを考えてほしい。それこそが未来の子どもたちへの“食のプレゼント”になるのではないでしょうか」(牛肉の生産者の北海道チクレン農業協同組合連合会・伊藤重敏さん)
餃子の生産者の美勢商事(株)の小林吉雄さんは「2008年に起こった中国産餃子事件を思い出してください。生命を育むはずの食べものに、何が入っているのか実は分からずたいへんな食不安を起こした出来事でした。一方、生活クラブの餃子は組合員のみなさんが原材料の一つひとつを決めました。このように消費材は組合員と私たち生産者が車の両輪のようにつくっているのです。そのことを35万人で語り合いましょう」と呼びかけました。
集会では続いて「消費材アクションの成功に必要なこと」と題したパネルディスカッションを開催。
パネラーとなった生活クラブ東京の吉田由美子理事長は「秋だけの活動と捉えるのではなく、今年度の活動すべてを消費材アクションにつなげていくように考えることが大事」と述べました。またトマトケチャップの生産者である(株)コーミの牧戸正博さんは「成功に必要なのは“成功”すること! 私たち生産者も今回の消費材アクションが成功するために何ができるかを考えます。組合員と交流会で会う130の生産者と組合員が同じ方を向いて活動することが大事です」と強調しました。
パネルディスカッションは若い世代をふくめ直接会って話を聞き、利用結集の意味を伝えていくことを会場全体で確認して終了しました。
最後に舞台には生産者と生活クラブを代表する組合員60人以上が登壇。一人ひとりがメッセージボートを手にアクションへの決意を発表しました。