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福祉の先進事例から学ぶ視察ツアーを実施

生活クラブグループのひとつに生活クラブ共済連があります。共済連は協同組合の特徴を生かしたたすけあいの運動を進めていますが、7月18日に第4回福祉視察ツアーを開催しました。今回は首都圏を中心に京都や大阪の組合員26人が参加し、千葉県内の先進的な福祉の取組みを視察しました。(2012年9月19日掲載)

バリアフリーならぬ、バリア“アリー”の介護施設

夢のみずうみ村入口の私の予定ボード、時間帯毎に自由に自分の予定を貼り付ける 福祉視察ツアーは生活クラブ共済連設立の目的のひとつである「連合し協同する力で地域の福祉・たすけあいを広げる活動」として、共済連・福祉事業連絡会で企画実施しています。福祉分野では講演や書物による情報取得が多く、ひとつの単協だけでは視察を企画することがなかなかむずかしい側面があります。それに対し国内外の福祉の先進事例を学ぶ共済連の福祉視察ツアーは、「百聞は一見にしかず」のたいへん貴重な経験で、回を重ねるごとに参加者が増えています。
 第4回目となる今回は、多くの人が参加できるよう7月18日に日帰り企画で実施し、翌19日にオプション企画を組みました。
 最初に訪れたのは、自己選択・自己決定で過ごすことを基本にした通所介護施設である「夢のみずうみ村」浦安デイサービスセンターです。
 デイサービスとは高齢者が日帰りで通い、レクリエーションや食事、入浴などのサービスが受けられる介護施設です。一般的なデイサービスでは決められたスケジュールにしたがってお年寄りが集められ、レクリエーションなど一斉に与えられたメニューをこなす方式が主流です。
 一方、浦安デイサービスセンターは約1000坪の元工場を改装した大きな建物がひとつの“街”を形成しています。この街の入口で今日一日どう過ごすか、利用者自らがメニューを決め、自由に過ごします。街には山あり川あり、銀行や郵便局、カジノ、マッサージ店、料理・手芸・木工の各教室、喫茶店、映画館、コインランドリー、お風呂屋、ライブハウス、カラオケなどがあります。いたるところがフィールドアスレチックになり、今は新たにプールをつくっています。

夢のみずうみ村にある富士山、様々な登り方がある 街のお店などを使うためには「ユーメ」という貨幣が必要です。自分でクイズを解いたり、山を登ったり、時にはカジノで稼ぐ。これらの行動が自然に頭や体のリハビリになります。そして、みんなお腹を空かせてお昼はマイ箸、マイ食器でバイキング形式の食事。自己選択・自己決定を徹底しています。
 このような具体的な手法は大いに参考になります。しかし、重要なのはリハビリメニューをこなすのではなく、各自が障がいを受け入れて生きていることを楽しむという考え方です。至れり尽せりの介護はともすれば主体性を奪う恐れがあります。一方、それぞれの人がどこまでできるかをきちんと見極め、最低限の補助をする介護のしかたは、埋もれた各自の意思を引き出します。そして、「機能の回復」から「生活の回復」「人生の回復」を進めています。
 要介護3の認定を受けた人の改善割合は、全国平均では12%程度ですが、「夢のみずうみ村」では77%という驚異的な割合です。参加者は「この数値こそが『夢のみずうみ村』の取組みが人間の尊厳の回復とむすびついた結果であるのでは」と視察後に話していました。

たすけあいの実践につなげられるヒントなどの成果が

「就職するなら明朗塾」で説明を受ける参加者 次に視察したのは八街市にある障がい者就業・生活支援センター「就職するなら明朗塾」です。
現在、日本では障害者雇用促進法によって民間企業・国・自治体は一定の割合で障がい者を雇用する義務があります。しかし、法律の制定以来、民間企業全体平均は一度も目標である1.8%を達成したことがないのが実態です。
 「就職するなら明朗塾」は障がいを持った方の職業的自立を実現するため、身近な地域で就職面の支援と生活面の支援を一体的に行なうことを目的としています。また、行政やハローワーク(公共職業安定所)、千葉障害者職業センター、社会福祉施設、医療施設、特別支援学校と連携しながら、障がいを持った方の就業やそれに伴う生活に関する指導・助言・職業準備訓練のあっせんなどを実施しています。
 就業訓練としては社会人マナーや身だしなみ、PCスキル、公文式学習などの学習プログラムに加え、実地研修として部門ごとに班に分かれて就業トレーニングを行っています。具体的には「おいしい班」は600食のお弁当の製造、「ファーム班」は野菜や果物とその加工品の生産・販売、「製菓班」はお菓子とケーキ類の製造・販売です。
 また、これらの販売や祭り、コンサートの開催を通じて地域とのつながり、理解を得ることを大切にしています。
就労支援では、施設側が求人情報に合うと思われる障がい者を選択するのではなく、障がい者が希望した応募先には全員紹介するといった個々の自己選択・自己決定を尊重した取組みを行っています。
 参加者は「就職するなら明朗塾」を視察した印象を次のように語りました。
 「就業支援担当の職員は、自らの立ち居ふるまいが企業から信頼され就職率を高めると考えています。実際、私たちの訪問に真摯に対応する姿勢にそれが表れていました」

風の村 利用者視点の一例、前に体重をかけて立ち座りができる 翌19日にはオプショナルツアーとして、同じ生活クラブグループでも遠距離でなかなか機会がない大阪や京都、群馬の組合員が「生活クラブ風の村」を訪問しました。
 「生活クラブ風の村特別養護老人ホーム八街」は、身体や精神に障がいなどがあって、家庭での介護がむずかしい、65歳以上の高齢者が入所する施設です。ここでは当初より全室個室など利用者視点を貫いていますが、それ以外でも常に利用者目線で施設のあり様を考え、より良いものに更新し続ける運営方法を視察しました。
 「生活クラブいなげビレッジ虹と風」は生活クラブ生協のお店であるデポーと、デイサービスセンター、惣菜・弁当製造販売、診療所、福祉用具の販売・レンタル、子どもの一時預かりなどの地域のくらしに必要な機能がそろった複合施設です。
 それぞれの機能や施設を運営するUR(独立行政法人 都市再生機構)や行政との連携、生活クラブ生協を中心とした社会福祉法人生活クラブとNPO、ワーカーズ、株式会社の役割分担など、地域住民のニーズに総合的にとらえて運営していることがとても参考になりました。(施設の詳細は生活クラブ風の村のHPをご覧ください)
 全国でも注目の取組みを目の当たりにした福祉視察ツアーの参加者は、「単協などでの実践につなげられる具体的なヒントやノウハウを得ることができました。なにより“元気”を持ち帰ることができた」と口々に感想を述べていました。
 今後の福祉視察ツアーの企画としては外部の先進事例に加えて、利用者視点や先進性などで全国から注目されている私たち生活クラブ関連グループ内の視察ツアーも検討していきます。そして、各単協や地域でのたすけあいや福祉の取組みがさらに発展するよう努めていきます。

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