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【大震災から2年】vol.2 丸壽阿部商店「養殖業者のためにも前進あるのみ」

東日本大震災では、生活クラブの組合員や提携生産者も大きな被害を受けました。生活クラブではグループ全体で支援活動にあたるとともに、第1次・第2次カンパに取組みました。あれから2年。現在の生産者や組合員の状況、これからの支援活動などを連載で紹介します。
2回目は「生かき」の提携生産者である(株)丸壽阿部商店(宮城県)の現状を、専務の阿部寿一さんのビデオメッセージとともにお伝えします。(2013年3月4日掲載)

来シーズンには三陸産のかきで

丸壽阿部商店専務の阿部寿一さん 宮城県南三陸町にある(株)丸壽阿部商店。専務の阿部寿一さんの自宅は津波で流されてしまいました。工場は高台にあったため津波を免れ、細々とではあるものの以前より行っていたわかめや昆布の加工を震災後の2011年5月から再開しました。しかし、事業の中心であるかきの加工は三陸沿岸の養殖事業者の施設がほぼ壊滅し、復旧が遅れているため、生活クラブへは2011年に続いて2012年度も広島産の供給を余儀なくされています。
 阿部寿一さんは、養殖かきの今後についてこう説明します。「生活クラブへのこれまでの供給実績からすると、来シーズンはメインである唐桑産で8割~9割はまかなえそうです。また、他の三陸の産地でも養殖かきの生産が始まっているので、震災前とほぼ同程度にもどるのではないかと期待しています」
 丸壽阿部商店は震災前、気仙沼市の唐桑や南三陸町の歌津、志津川、そして石巻などから養殖かきを仕入れていました。あれから2年。復旧、復興に向けて産地や個々の養殖業者が見せる表情は必ずしも一様ではないといいます。漁場整備の進捗状況に差があるだけではなく、後継者がいないなどの理由から被災により廃業を選択せざるを得ない人まで産地の事情はさまざまだからです。
 こうしたなかで、復旧に向けていち早く動きだしたのが、宮城県漁業協同組合の唐桑支所(かき部会)でした。

養殖再開に向けて先陣を切った唐桑の養殖生産業者

唐桑のかきの養殖施設 大津波による死者・行方不明者が105人、被災世帯が550戸を超えた唐桑半島。被害は養殖施設にも及び、1500台以上あった養殖いかだのほとんどが流出。また、殻付かきを剥く作業場の加工施設も多くが被害に遭い、900隻あった小型船もその大半を失いました。誰もが養殖の再開には相当の時間がかかると思ったとしても不思議ではありません。

畠山政則さん ただ、漁協唐桑支所運営委員長の畠山政則さんは次のように振り返ります。
「この地域で『地震があったら津波。命の次に大事なのは船。だから沖出しする』との言い伝えを皆が実践したことで大型船の8割は被災を免れました」。
 また、被災直後訪ねてきた取引先の一人から「かき養殖をあきらめてほしくない」と背中を押されたこともあり、畠山さんは養殖再会に向けて舵を切りました。「漁師は海に出なければ生活が成り立たない」(畠山さん)からです。
 畠山さんは、大津波からおよそ1ヵ月後には避難生活を強いられていた養殖業者を集めて全体会議を開き、養殖再開に向けて漁場に沈んでいる漁具や小型船の回収などを提案しました。これには「家族をなくした人もいる」などの反発もあったと言いますが、提案が地域に浸透していったこともあり、6月には宮城県内の先陣を切ってかきの種の仕込みが始まりました。

「産地にあわせた販売のお手伝いが私の存在意義」

かきの生育状況を確認する畠山さん 畠山さんが取引先の言葉に背中を押されたころ、阿部さんも似た経験をしています。それは生活クラブの存在でした。
震災の約1ヵ月後、生活クラブ連合会の役員らが義援金を手に訪ねてきました。「その時、今後について聞かれましたが、義援金をいただいて『止めます』とは言えませんよ」と苦笑しながら、阿部さんはこんなエピソードを披露します。

水揚げされたかき 「震災後しばらくは水道が復旧せず、水は隣町の登米市まで毎日3往復して確保していました。そこで、生活クラブと生活クラブ親生会の義援金を井戸掘りの資金に充て、2011年の7月にはそれが使えるようになりました。生活クラブからの支援は、事業の再開を決意する私の背中を押してくれたといっても過言ではありません」
 阿部さんは三陸沿岸の養殖業者ともっとも近い位置で生活をしている加工業者であり、産地の刻々の状況変化に精通しています。養殖の復興が進んでいる唐桑についても「加工施設の建設が予定より大幅に遅れているなど課題があり、今シーズンも剥き身加工ができず殻付の出荷でした」と説明しつつ、自らの役割についてこう話します。
 「養殖業者はつくるプロですが、販売のプロではありません。とすれば産地の状況にあわせた販売のお手伝いをすることが私の存在意義。養殖業者がやる気を起こして、なおかつ生活の再建が進むように、私も前進していかなければならないと思っています」

東日本大震災の復興支援は、まだまだ必要です

生活クラブでは2013年度以降も、息の長い復興支援に取り組んでいく必要があることから、組合員のみなさんに「復興第3次カンパ」を呼びかけます。具体的な方法については、各単協のニュースなどをご覧ください。引き続き、ご協力をお願いします。

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