伝統的な製法でつくる ここにしかないごま油です。小野田製油所
提携品目:ごま油、ごま辛味オイル ほか
◆江戸時代から続く製油業、戦後からごま油の専業に
(有)小田製油所は東京都新宿区中落合で、江戸時代末期より油の製造を家業として営んでいます。江戸時代には、『絞油屋(こうゆや)』と呼ばれる灯り用、食用などにつかう油を、その地でできた油糧作物から絞ってくれる商店が町々にありました。小野田家の祖先も当地ではじめ、昭和の初期より「玉締機(たまじめき)」を導入して本格的な搾油業を開始。戦後よりごま油を専業とし、今に至っております。
玉締機は江戸時代の搾油法である「立木法」をもとに日本で昭和初期に開発、機械化された搾油機で、煎って擂(す)って蒸したごまを御影石や鋳鉄製の玉で圧搾して油を絞るのが特徴です。しかし、昭和30年代に新しい搾油機が輸入されるようになり、製造する会社がなくなってしまいました。全国に残る40台弱のうち11台が当社にあり、いまでは貴重になった玉締法という伝統的な製法でごま油をつくり続けています。
先代社長の父・小野田昭の知り合いだった、なたね油の生産者・米澤製油株式会社の安田大三さんの紹介で生活クラブと出会い、1976年9月からごま油の取り組みを始めています。
◆おき火で丁寧に焙煎し、じっくり時間をかけて絞る風味豊かなごま油
一般的な市販品のごま油は製造時の生産効率をよくするために、まず、ごまを高温で焙煎しますが、そうすると、ごまは、煎り上がる前に焦げてしまいます。また、圧搾時も一瞬のうちに高圧をかけ一気に絞り出すため、その際に発生する摩擦熱で再度焦げてしてしまい、この二重に焦げた香りと色がつき苦味も出てしまいます。
当社のごま油は、白ごまを薪の柔らかい熾火(おきび)の熱で時間をかけて丁寧に焙煎し、ごまの甘みを引き出します。ロールという機械で擂りごまにしたものを蒸気で蒸してから玉締機に仕込み、ゆっくり時間をかけて圧力を少しずつ加えていき油を絞ります。その一番絞り油のみを木綿のフィルタを通した後、一昼夜静置し、最後に和紙の袋でろ過します。こうしてこの香りほのかで、黄金色のごま油ができあがります。
ごまが痛がらないように低温でゆっくり焙煎して、玉締機で丁寧に絞ったこのごま油には、ごまに含まれる優れた栄養素(セサミンをはじめとする抗酸化物質、不飽和脂肪酸のリノール酸、オレイン酸など)が傷むことなくそのまま残っています。このごま油を皆様にたくさん食べていただきたいと思います。揚げもの、炒めもの、ドレッシングはもちろん、このごま油はお菓子づくりにも使えます。いろいろとお試しいただければ幸いです。
世間一般には存在しない、ここにしかないごま油です。何とかこの伝統技術を守り続けていけるよう、たゆまず努力して参ります。しかし、さらに続けてゆくにはやはり皆様に食べ続けていただかない限りできないと思います。
ごま油にはここに書ききれなかった優れた効能、レシピなど、まだまだ素晴らしいことがたくさんあります。そういうことを私はたくさんの方々に伝えていかなければと思っております。生活クラブの中でたくさんの交流をしたい。そして、たくさんの方々にこのごま油の話を聞いていただき、理解していただきたいと切望しております。生活クラブ組合員の皆様、そして職員の皆様、ぜひともたくさんの交流をこれからもよろしくお願いいたします。
(2013年3月掲載)
※掲載時期によりパッケージが現在のものと異なる場合があります