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持続可能な食料生産を維持・発展させるために!-「共同宣言」報告会

山形県遊佐町とJA庄内みどり(遊佐支店)、生活クラブ連合会の3者は、1月26日に遊佐町で「地域農業と日本の農業を守り、持続可能な社会と地域を発展させる共同宣言」の締結式を行い、4月24日には東京で報告会が開かれ組合員ら約90人が参加しました。(2013年5月15日掲載)

鳥海山の岩石採取問題と「10年後の遊佐への展望」から始まった3者協議

鳥海山山麓で進む岩石採取。中央奥の雪が積もっている場所が採石現場(2011年2月撮影) 遊佐町では、1986年頃から鳥海山東部の山麓で岩石の採取・採掘が続いています。JA庄内みどりの水田は採取場の下方に広がっているため、採掘が湧水など水環境に変化が起きるのではないかとの懸念が町民の間に広がっています。2010年にはJA庄内みどり遊佐地区農政対策推進協議会と遊佐町共同開発米部会が、時田博機町長に岩石採取に反対する意見書を提出しました。
 こうした動きを受けて町は鳥海山湧水域の水環境保全土地購入要綱を策定し、採石場の隣接地の山林14ヘクタール余りを公有化しました。そして、生活クラブとともに遊佐町の水環境を守り発展させていくためのシンボル的な場所として積極的な活用をはかるため「共存の森」と命名しました(11年12月)。翌12年からは、「共存の森」が豊かな水環境をつくり出すことを願って森づくり活動が始まりました。
 報告会で生活クラブ連合会の田辺樹実は、「ほぼ同時期に生活クラブと共同開発米部会との間で、10年後の遊佐で活力ある生産をするためには何が必要かなどについて議論していました。それらが相まって、町をふくめた3者で協議を進めることが決まり、共同宣言の締結に結びつきました」と経過を報告しました。

広範囲にわたる共同宣言の推進項目

報告会で挨拶した時田町長(左)、JA庄内みどりの阿部代表理事組合長(右) 共同宣言では、7つの推進項目が掲げられています。その内容は、持続的な食料生産を維持・発展させるために、第一次産業の社会的価値を高めていくことや環境保全、再生可能なエネルギー資源の開発など広範囲にわたっています。
報告会の挨拶で遊佐町の時田町長は、「日本の第一次産業を守り発展させること。そのための担い手の育成や自然環境を守る」などの必要性を強調し、あらためて共同宣言に掲げられた推進項目に町全体で取り組むことを宣言しました。また、JA庄内みどりの代表理事組合長の阿部茂明さんは、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が“危険水域”に入っていることをまず言及。そのうえで「共同宣言を契機にして豊かな地域と農業振興を図ることを誓います」と述べました。
 生活クラブ連合会の加藤好一会長は「宣言に基づいた実践こそが大切」との意気込みを述べるとともに、TPPに対しては「共同で取り組んだ飼料用米は、日本の農政に影響を与えた実績があることを自負しています。しかし、TPPはその農政が大きく変わる恐れがあります」と指摘しました。
 なお、報告会の後に開かれた第1回の遊佐共同宣言推進会議では、遊佐町の食料自給率向上モデル事業のほか、生活クラブのデポーフロアに遊佐コーナーを設け、遊佐産品や共同宣言の内容をアピールする「まるごと遊佐推進事業」や、年間を通して遊佐ツアーを実施する「遊佐町インカムツアー事業」など17の事業概要が示されました。

岩石採取絶対阻止に向けた署名活動を提起

 また報告会では、遊佐町の担当者が鳥海山山麓の岩石採取阻止に向けた署名活動の状況を、共同開発米部会の担当者が生活クラブと遊佐町共同開発米部会が10年後の遊佐を見据えた「ゆめ遊佐プロジェクト」の方針を説明しました。
 遊佐町では12年7月から、岩石採取に関連して水環境保全条例(仮称)の検討会議がスタートし、条例骨子案のパブリックコメントを募っています(募集は4月30日まで)。条例の基本理念は「健全な水環境の保全を、連携、共同により推進することと、地下水脈を保全する施策は予防原則に基づくものでなければならないこと」(遊佐町企画課)。具体的な施策には、全国的に例がない地下水利用の規制や、水源涵養保全地域を指定し公有地化することなどが盛り込まれる予定です。
 岩石採取阻止に向けた署名運動は、条例制定と対をなす取り組みとして、JA庄内みどり、遊佐町共同開発米部会、生活クラブなど19団体が2013年4月に趣意書を起案しました。現在、鳥海山山麓で行われている岩石採取は2013年9月までの許可となっていますが、採石業者はその更新を認可権者の山形県に提出すると見通されています。趣意書は、貴重な水資源を守るために、開発行為の絶対阻止に向けた署名活動の展開を呼びかけており、生活クラブは6月下旬を締め切り期限として、各単協で署名活動に取り組みます。


地域農業と日本の食料を守り、持続可能な社会と地域を発展させる共同宣言

  遊佐町と生活クラブ生協及びJA庄内みどりの三者は、長い提携と交流の歴史の上に立ち、連携と共同のもとにお互いの地域、生活課題を解決していくために、手を携えて「地域農業と日本の食料を守り、持続可能な社会と地域を発展させる共同宣言」を締結する。
 この宣言では、持続的食料生産を維持発展させ、食料生産と消費の関係にとどまらず、日本農業の生産構造の改革を通じて、私たちのくらしの維持向上を目指す。
  1. 私たちは、私たちの生命を維持する食料や、飼料、原料の国内自給率と農業、漁業、畜産など第一次産業の社会における価値を高め、国内の食の自立や、健康の維持増進、地域環境の保全をともに担う。
  2. 私たちは、生命の根源に関わる大気・水・大地等への環境破壊をもたらすような放射性物質や化学物質、またそれらを直接に破壊する行為を削減するため、NON-GMO宣言の推進など連携しながらそれぞれの立場で継続的に運動を進める。
  3. 私たちは、土壌・森林・河川・地下水・海などの自然資源の利用にあたっては、自然資源の地域内循環の維持再生を第一に心がけ、そのために継続的な活動を行う。
  4. 私たちは、日常生活及び生産活動における使用資源の省資源化など積極的なごみの排出抑制を行い、生活、生産の場からごみ削減のための取り組みを進める。
  5. 私たちは、日常生活及び生産活動において、使用するエネルギーをできる限り節減するとともに、生産活動においては、生産・流通のエネルギー効率の改善と、安全で持続可能な再生可能エネルギー資源の開発、利用を通じて、過度に原発に依存したあり方ではなく、持続可能な社会を目指す。
  6. 私たちは、それぞれの事業内容に関する事柄について、安全・安心・健康・環境などに影響を及ぼす情報は、できる限り、共有、公開し、私たちの相互間および地域社会の人々とともに連携し、協働による事業展開を目指す。
  7. 私たちは、日本の食料自給率の向上、食の安全をはじめ、くらしと生命を守るため共同してお互いのネットワークを強化するための取り組みを行う。

 以上、宣言の具体的な取り組みのため、三者がそれぞれの事業計画の展開にあたって、常設の連携窓口を設置するものとする。

2013年1月26日
           
山形県飽海郡遊佐町 町長 時田 博機
生活クラブ事業連合生活協同組合連合会 会長 加藤 好一
庄内みどり農業協同組合 代表理事組合長 阿部 茂昭

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