組合員が生産に参加 「加夢onくらぶ」の玉ねぎを出荷しました
生活クラブの提携産地で農業を応援する「夢都里路(ゆとりろ)くらぶ」では、農家や農協の皆さんの助けを得ながら、JA加美よつばのサラダ玉ねぎを栽培し生活クラブ組合員のもとに届ける企画「加夢onくらぶ」を始めました。「加夢onくらぶ」の農園は10a(1000平方メートル)で、加美町の東南部 鳴瀬川の河川敷に位置します。(2013年8月5日掲載)
11月の定植からはじめ、6月に収穫
生活クラブの青果物の「コア産地(*)」である宮城県のJA加美よつば(以下 加美よつば)では、辛くない、生で食べられる「サラダ玉ねぎ」を栽培しています。加美よつばの玉ねぎ1シーズンの注文200tのうち100tが「サラダ玉ねぎ」です。ここ2、3年は需要が伸びてますが、作りにくいなどの理由から生産が追いついていません。
「加夢onくらぶ」に登録した10人のメンバーは11月の定植から始め、4月に畑の草取りをし、6月30日には収穫作業を行いました。収穫量は早生(わせ)種のハッピー501が529kg、中生(なかて)種のラッキーが989kgの合計1,518kgで、それ以外に規格外品が368kgでした。収穫した玉ねぎは規格外のものを除いてビニールハウスに運び、パレット上に重ならないように並べます。このまま、出荷までの間、扇風機で乾燥させます。
出荷前の「調整」はひとつひとつ手作業で
7月は、いよいよ最後の作業、出荷・調整作業です。
調整とは、収穫物を出荷できるような状態にすることで、「玉みがき」と、根を切り、茎を切りそろえる作業、大きさや腐れ、皮のはがれたものなどを選別する作業があります。「玉みがき」とは、軍手をはめた手で腐れなどを確認しながら1個ずつ玉ねぎをみがいて泥や砂を落とす作業です。収穫時やみがき作業時が晴天であれば、泥も落としやすく、玉ねぎもピカピカになりますが、あいにくの雨天だったため、作業効率は悪く、やってもやってもなかなか終わりませんでした。次に玉ねぎの根を落とし、茎も指1本分残して切り揃え、2L~M混みと、L~S混みに分けてコンテナに入れました。
109ケースの「加夢onくらぶ」のサラダ玉ねぎが組合員のもとへ
出荷作業は、加美よつばの中央倉庫にて、玉ねぎ部会のメンバー総出で行います。「加夢onくらぶ」も玉ねぎ部会の一員として、29週配達の班取組み品の出荷作業に参加しました。みがいた玉ねぎを今度は素手で腐れのものをはじいて、段ボール箱入れます。段ボール箱には「加夢onくらぶ」のものとわかるよう、マジックで「班 サラダ 加夢onくらぶ」と記入し、「加夢onくらぶ生産者カード」を入れました。全部で109ケースを生活クラブ向けに出荷することができました。これは、加美よつばから、29週の班向けに出荷したサラダ玉ねぎの30%となります。
どんな人のところに届くのか、またこの生産者カードの裏に感想を書いて送ってもらえたらどんなに嬉しいか、メンバーにとっては、生産者の気持ちを味わいながらの調整・出荷作業となりました。
規格外の玉ねぎは、農場長の三浦たか志さん達により、「がんばるみやぎの農業フェア」や農協直売所で販売した他、皮をむいて加工にまわしていただきました。
加美よつばでの「加夢onくらぶ」によるサラダ玉ねぎの栽培の1年目は、農協職員を初め、玉ねぎ部会の人たちが温かく迎え入れてくれ、日常的な見回りから、畑の耕起、マルチ張り、薬剤散布、草取り、ハウス内での玉ねぎの乾燥など、力を貸していただいて終了しました。3月に強風でマルチがすっかり飛ばされてしまうなどのアクシデントもあり、思ったような収量はありませんでしたが、2年目以降は、少しずつ自分たちでできることを増やしていくことを目標にしていきます。
参加したメンバーの感想です。
- 「自分達で定植したものを収穫する、というのは気持ちが違います。通して経験できたのは良かったです。時間的な問題も有るのでしょうが、JAの方に準備して頂いた後に、ちょっとだけ作業をしに行く、という感じで、申し訳なく感じました。JAと農家の関わりとか、直接聞くことができて良かったです。(東京、50代男性)」
- 「思ったほど出来が良くなかった。規格外の小玉が多いなど、これは冬季のマルチはがれが大きな要因と推察されるが、河川敷で強風が予想されることでマルチの仕方の工夫が足りなかった。結果として苗の定着が悪かったことと雑草に負けたこと等が推測される。機械によるマルチ敷きには手直しと土載せが必要とも思った。(神奈川、70代男性)」
- 「私たち「加夢onくらぶ」の作業は、定植、除草、収穫、出荷の作業を各1日実施しますが、これ以外に、後期、肥料散布、草刈り、耕起、マルチ張り、防除、追肥、防除、中耕、草刈り、防除、中耕、草刈りの作業があり、それら畑を管理する作業があります。これらすべてを加美よつば農協の方々が手を入れて下さっています。感謝でいっぱいでした。加美よつば農協の方がすべてを実施して下さるが、これを夢都里路くらぶで自主的に行うようにしなければ、この企画に参加している私たちはいつまでたってもお客さんになってしまうように感じました。(東京、70代男性)」
- 「収穫するタイミングを知ることができました。畑の草がすごかったので、6月ごろにもう1回草取り作業を行っても良かったのではないかと思いました。(神奈川、60代女性)」
(*)コア産地:生活クラブの青果物提携産地の中でも、先駆的な農業をすすめているところ。現在50産地
加夢onくらぶ農園で育てた玉葱!!
この玉葱は生活クラブ生協の4大食糧産地の1つ宮城県加美郡加美町で栽培されたものです。生活クラブ連合会夢都里路くらぷとJA加美よつばが共同で「加夢onくらぶ農園」を2012年秋この地に開設し、10人の組合員(および家族)がJA加美よつばの助けを借りながらバッハオニオンを栽培しています。
私たち「加夢onくらぶ」は生活クラブ生協の組合員(消費者)であり、食べる人でありながら生産する人(生活する生産者)を目指し、2012年11月の定植作業から、東京・神奈川から通って栽培しました。私たちが栽培した愛情たっぷりの玉ねぎをどうぞ召し上がれ!!
注 意
品質には万全をきして出荷しておりますが、万が一事故品がございましたら、生活クラブヘ連絡下さいますようお願いいたします。
(生産者カードより)