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「核燃料施設等に係る新規制基準骨子案」に対する意見を提出しました

生活クラブ連合会は8月9日の理事会で政府へ提出する意見を決定し、原子力規制委員会に提出しました。意見の全文は次のとおりです。

2013年8月9日

1.意見:一般公衆の放射線被ばくの実効線量の限度を発生事故あたり、多くとも1mSvに制限する必要があります。通常の運転時においても、万が一の事故発生時においても、一般公衆に余分な放射線被ばくを認めない方針をたててください。

記載場所:各所、設計基準の各所

理由:国際放射線防護委員会の勧告では自然放射線被曝および医療被曝を除く一般公衆の年間被曝限度を1mSvに設定しています。福島第一原発事故以来、緊急事故対応時の基準が流用されています。使用済燃料再処理施設の新規制基準(設計基準)骨子案P.48の※4)に記載されている説明は、とうてい認められません。一般公衆の放射線被ばくは、可能な限り少なくすることが大原則です。1mSvという基準値は、被曝させてもよい許容値ではありません。したがって、設計基準の範囲内(平常時もしくは設計基準事故)で運転している時にあっては、一般公衆が余分な放射線被ばくすることは認められません。

2.意見:放射性物質及び放射線の放出について、重大事故に対応できるモニタリング設備の測定結果について、自動的に情報公開する仕組みを要求してください。

記載場所:重大事故対策における要求事項-モニタリング設備

理由:福島第一原発事故で、放射性物質が北東方向に多く流れたという情報が公表されず、一般市民の無用な被曝の増大を招いたことの反省が必要です。情報隠ぺいの体質について、国民の疑念を晴らすことができる規制基準方針の立案をお願いします。

3.意見:核燃料施設等で起こる重大事故の知見が不足しています。まず、福島第一原発事故を完全に収束させ、事故の調査を完了することを求めます。

記載場所:ありません。

理由:福島第一原発事故は、未だに終息していません。これまで核開発事業に携わってきた全ての人々は、福島第一事故の終息と事故で汚染された国土の復旧を責任をもって遂行しなくてはなりません。事故の原因・要因・経過・操作記録・測定データなどの全ての情報を隠ぺいすることなく集めて公開して、核施設を安全に運転する能力が人類にあるのかどうかという最初の一歩から再検討することを求めます。

 

4.意見:この新規制基準による適合性審査に合格した核燃料施設等が重大事故を起こした場合、「想定外」である場合も含めて、原子力規制委員会の合格判定時の各委員に賠償責任を課すことを方針としてください。新基準の文章において、主語のない「想定する」は、原子力規制委員会が主語であることを明記し、責任所在を明確にしてください。

記載場所:ありません。

理由:原子力規制委員の責任は、人類の未来にとって重大です。今後、二度と福島第一原発事故のようなことを起こさないと確認できないのなら、人類は核施設の利用をあきらめるべきです。福島第一原発事故の原因となった津波について、一部には「想定外」として免責する論調があります。しかし、予見不可能なことは「できない」というのが科学的な態度であって、適当に条件を見繕って答えをでっちあげることは非科学的な態度です。福島第一原発の安全審査が非科学的に行われてしまったから、今回の事故を防ぐことができなかったともいえます。原子力規制委員の責任は重大です。核廃絶を望む多くの国民の意思に反して、核施設の利用を原子力規制委員が認めるのであれば、その責任を全うすることを新基準の中で宣言してください。

5.意見:検討が拙速です。私たちはこの新規制基準で合格した核燃料施設が安全な施設であることを認められません。重大事故を起こした場合の賠償責任のために国民の税金や電気料金を上げることがないことを方針としてください。

記載場所:全体

理由:私たちは、この新基準で核燃料施設等の安全が保証できると信じることができません。むしろ、この新基準で様々な核施設を稼働することは、再び福島第一原発事故のようなことを誘発するのではないかと危惧をしています。重大事故が発生した場合の諸費用について、国民の税金や電気料金をあてにしないでください。

  

6.意見:そもそも「想定外」の事態に対し、完全な対策をとることは不可能なので、最適な安全対策は核燃料施設を稼働しないことですから、このことを方針としてください。

掲載場所:全体

理由:「想定外」の事態に対する解決方法はただ一つで、核施設を稼働しないことです。

以上

【2013年9月24日掲載】
 

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