「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令」に関する意見を提出しました
生活クラブ連合会は10月15日の理事会で政府へ提出する意見を決定し、原子力規制委員会に提出しました。意見の全文は次のとおりです。
2013年10月15日
「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令及び福島第一原子力発電所原子炉施設についての核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の特例に関する政令の一部を改正する政令(仮称)(案)等」に対する意見
意見/理由:
1.意見:核施設で起こる重大事故の知見が不足しています。まず、福島第一原発事故を完全に収束させ、事故の調査を完了することを求めます。
理由:福島第一原発事故は、未だに終息していません。これまで核開発事業に携わってきた全ての人々は、福島第一原発事故の収束と事故で汚染された国土の復旧を責任をもって遂行しなくてはなりません。事故の原因・要因・経過・操作記録・測定データなどの全ての情報を隠ぺいすることなく集めて公開し、核施設を安全に運転することが技術者や作業者、関わる全ての人間に可能か、最初の一歩から再検討することを求めます。
2.意見:この諸規程により許可された核施設が重大事故を起こした場合、「想定外」である場合も含めて、原子力規制委員会の合格判定時の各委員に賠償責任を課すことを規定してください。諸規程の文章において、主語のない「想定する」は、原子力規制委員会が主語であることを明記し、責任所在を明確にしてください。
理由:原子力規制委員の責任は、安全管理を行う上で重大です。今後、二度と福島第一原発事故のようなことを起こさないと確認できないのなら、人類は核施設の利用をあきらめるべきです。福島第一原発事故の原因となった津波について、一部には「想定外」として免責する論調があります。しかし、予見不可能なことは「できない」というのが科学的な態度であって、適当に条件を見繕って答えることは非科学的な態度です。福島第一原発の安全審査が非科学的に行われたために、今回の事故を防ぐことができなかったともいえます。核廃絶を望む多くの国民の意思に反して、核施設の利用を原子力規制委員が認めるのであれば、その責任を全うすることを諸規程の中で宣言してください。
3.意見:検討が拙速です。私たちはこの諸規程で許可された核施設が、安全な施設であると信頼することができません。もう一度、原点に立ち戻り全ての核施設の許可を再検討してください。
理由:私たちは、この諸規程で核施設の安全が保証できると信じることができません。むしろ、この諸規程で様々な核施設を稼働することは、再び福島第一原発事故のようなことを誘発するのではないかと危惧をしています。核施設の「想定外」の事態に対する解決方法は、稼働しないことしか考えられません。
私たち生活者の切実な要望に対して、真摯に向き合っていただき、未来に生きる子どもたちに対しても安心して生活ができることを保証してください。
以上