国会に声が届いた! 私たちの請願署名で原発事故の時効の延長が実現しました。
昨年から取り組んできた「子ども・被災者支援法」の請願署名。生活クラブ連合会の会員単協から集まった署名は、提携生産者が構成する生活クラブ親生会から寄せられた5,029筆を含め62,286筆に上りました。1月28日には第二次署名提出式が行われ、全国から国会へと届けた署名は、昨年(2013年)11月12日に提出したものと合わせて、およそ20万筆になりました。(2014年2月26日掲載)
私たちの声を受け、時効の期間が10年に延長
請願の要求項目は、「子ども・被災者支援法の幅広い適用と具体的な施策の実施」と「賠償の時効問題の抜本的な解決」の2項目です。後者の時効問題について、昨年12月4日に大きな成果がありました。「東日本大震災における原子力発電所の事故による生じた原子力損害に係る賠償請求権の消滅時効等の特例に関する法案」が参議院本会議で可決、成立したのです。
弁護士の海渡雄一さんは、この法律を「おおぜいで働きかけた成果」と言います。この法律は、「特定原子力損害に係る賠償請求権に関する民法第724条」で3年間とされていた消滅時効の期間を「10年間」とし、事故から20年で賠償請求権が自動的になくなる「除斥期間」を、損害発生から20年に変更することも盛り込まれました。これによって、将来的に健康被害が出た場合などにも、賠償が可能になります。国家賠償が対象外という課題が残るものの、東京電力に対して損害賠償請求がまもなくできなくなるという危機的状況からは、ひとまず脱することができました。署名の請願項目のひとつ「賠償の時効問題の抜本的な解決」に向けて大きく前進したと言えます。
すべての人びとに健康で安全な暮らしを
残された請願項目の「子ども・被災者支援法の幅広い適用と具体的な施策の実施」については、先の国会では両院とも審査未了の結果でした。国は避難者たちの帰還を促す政策を加速させていますが、「農作物を直売所で売ることもできない。そんなところで暮らしていけない。」「放射線量の多いところに、どうして子どもを帰すことができるのか」と、被ばくへの心配がある中、支援のないまま帰還だけがすすめられている状況に、集会では避難されている方々から「これではとうてい帰れない」という声が相次ぎました。1月28日から始まった国会では、被災者たちの生の声と全国から届いた20万筆の署名の重みがきちんと受け止められ、今度こそ請願の採択につながるようなフォローアップが必要です。「これからも被害の実態を知らせる活動を続ける」と、佐藤和良さん(「原発事故子ども・被災者支援法」推進自治体議員連盟共同代表、いわき市議)は、今後への意気込みで集会を締めくくりました。
「原発事故から間もなく3年を迎えようとしている今、被災した地域内外で活動を続ける方々の思いに改めて触れることができました。」生活クラブ神奈川の城田喜子さんは、署名提出行動に参加して感想を語ります。
「子ども・被災者支援法の具体化に向けては、支援対象が限定的であり、ましてや避難者に対する施策がほとんどないなど、被災者の意見が反映されず、大きな課題と感じました。全ての人が健康に留意して安定した生活を送れるよう、今後もおおぜいの人が関心を持ち続けて広く働きかけていくことが必要です。」