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大船渡市で「生活困窮者自立支援法」シンポジウムを開催

2013年12月、「生活困窮者自立支援法」が国会で成立しました。全国で深刻化する生活困窮の実態を受け、自治体が主体となって、総合相談、家計支援、中間的就労による就労訓練などを行なうことで、「生活保護の一歩手前のセーフティネット」の役割をめざすもので、東日本大震災で大きな被害を受けた大船渡市でも2013年度にモデル事業の実施を予定しています。生活クラブ連合会が、グリーンコープ共同体、ホームレス支援全国ネットワークとともに設立した公益財団法人共生地域創造財団(以下、財団)は、岩手事務所を拠点として、大船渡市の委託を受けて在宅被災者の見守り支援を続けてきました。今回の法制定を受け、地方・被災地における生活困窮者自立支援法の方向性を考える機会として、大船渡市でシンポジウムを6月28日に開催しました。(2014年8月19日掲載)

 盛駅前の「カメリアホール」(大船渡は椿(=カメリア)の名所として知られる)で開かれたシンポジウムには、大船渡市内や近隣地域で地域福祉や被災地支援にかかわる方々を中心に、146名が参加しました。財団の岩手事務所スタッフが、これまでの活動でつくってきた関係をたどり、民生委員や社会福祉協議会の方、市職員などへもねばり強く声かけをし、週末の開催にもかかわらず100名を超える参加に結びつきました。

被災地における生活困窮者支援の重要性

 厚生労働省社会・援護局地域福祉課課長の矢田宏人氏が「生活困窮者自立支援法が目指すもの」と題して講演。法案の概要をコンパクトに解説した上で、過疎地での取組みのポイントとして、「この法律は決して都市向けのものではないこと(過疎地での孤独死の事例)」、「被災地における生活困窮の相談ニーズの高さ」、「生活困窮者支援を通じた地域づくりの重要性(=多様な主体の参画)」を挙げました。
 つづいて、共生地域創造財団岩手事務所の熊谷新二統括補佐が、経済的困窮世帯への生活再建支援、地域の中で孤立している方への社会参加支援など、「伴走型支援」をコンセプトにすすめてきた活動の事例を紹介し、最近になって「以前から抱えていた問題が被災を機に表出したケースや、被災地外でも起こりうる困窮問題が増えている」とし、支援法の活用にあたっては、複合的に現れる課題を包括的にとらえ、地域を巻き込んだ有機的な支援体制が必要、と指摘しました。

一人ひとりに寄りそう地域づくりに向けて

 パネルディスカッションでは、財団の奥田知志理事長の進行のもと、「大船渡共生まちづくりの会」(大船渡市内での居場所づくり)近藤均さん、「くらしのサポーターズ」(生活再建に関する相談支援事業)吉田直美さん、「よりそいホットライン」(被災地での総合相談事業)山屋理恵さん、財団の熊谷さんが登壇し、日ごろの活動を報告。
 困窮者の相談を切り捨てることなくトータルに受け止めることの重要性、個々人への対応だけでなく、一人ひとりを見守る地域づくりが急務であること、などが語られました。また、意見交換では、自立支援法にかかわる各事業の実施は、家計相談や中間就労などの新たな分野で、若者支援の視点や就労訓練の経験をもつ団体の経験が生きること、「ジョイントベンチャー」(複数の事業主体で受託し、得意な分野を担当しながら地域連携する)のかたちもある、などの指摘もありました。
 シンポジウムには、地元の生活クラブ岩手からも組合員2名が参加。終了後、「支援法の話を初めて聞き、大変なことが始まるのだなと思った。都会だけでなく、自分の地域のことでもあると実感した」「支援法を活かすためには、自分も関われるということを伝えることが大切。人に関わる気持ちを持ちつづけ、地域の問題に気づくことのできる社会を作っていきたい」と、感想を語りました。

被災地の困窮者支援に向けた地域連携に期待

 大船渡、陸前高田などの地域では、応急仮設住宅から復興住宅などへの移転は少しずつ実現していますが、沿岸部の利用計画などは一向にすすんでいないとのこと。家の基礎だけになった土地、骨組みだけの建物が各所にまだ残っており、心が痛みます。
 そんななか、財団の支援で完成した屋根つきのバス停(計3つ)は、地元の方々が清掃などの日常的な管理を担い、子どもたちの描いた絵が道の傍で心和む風景をつくりだしています。高齢者などが集える場として立ち上げたコミュニティ農園では、3棟のビニールハウスで、お盆に向けて仏花などが栽培されていました。
 財団の岩手事務所は、6月上旬に移転。新しい事務所は駅からもアクセスが良く、大きな道路に面していて、相談事業などにも向いています。
 財団の活動報告を行なった熊谷さんをはじめ、財団の岩手事務所スタッフ(男性3名、女性3名)は、19歳~50代と年齢層もさまざまですが、被災経験をもつ当事者が職員として活動されていることで、地元の方々の感情に寄り添った事業が可能になっています。
 今回のシンポジウムを機に、財団を含め、被災地における困窮者支援に向けた地域連携が一層すすむことが期待されます。

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