小規模農業 「農村不要論」に異議─持続可能性や価値など議論(生協流通新聞)
2014年09月20日:生協流通新聞
生活クラブがシンポ
「産業政策としての農業の大規模化や“農村不要論”に反論」─。 生活クラブ連合会はこのほど、近年のグローバル競争のなかで忘れがちな小規模農業の価値と可能性について考える「家族農業・小規模農業の価値シンポジウム」を開催した。
安倍内閣の規制改革会議による「農協解体論」を筆頭に、農村から大都市への人口集中をさらに進める「農村不要論」など、農業に対して産業政策の観点のみからの発言や提言が相次いでいる。
シンポジウムにはパネリストとして、講演を行なった農民作家の山下惣一氏のほか、JA加美よつば営農販売部長の後藤利雄氏、西日本ファーマーズユニオン常務で無茶々園代表取締役の大津清次氏、JA全農・販売企画部の宗和弘氏、生活クラブ東京・副理事長の植田泉氏が参加。
国連では今年を「国際家族農業年」と定め、家族農業の飢餓根絶や天然資源保全などに対する「持続可能性」を指摘。シンポジウムでも農業について産業政策のみの議論は無意味であることや、家族農業と地域づくりをセットにした取り組みなどが提起され、生協など消費者との提携では、現行の産直ネットワークの組み換えや積極的な“援農”による支援、生産以外の福祉も含めた地域活性化への貢献―などがあげられた。
また、山下氏は「小規模農業の可能性について価値を論じる本日が始まり」であり、今後も実践や議論を通じて考えていきたいと総括した。