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生協の食材宅配【生活クラブ】
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第9回エコライフのつどい ―グリーンシステム20周年―

生活クラブでは1994年からガラスの良さを活かしながら使い終わった空びんを回収、再使用するリユースびん(Rびん)を導入し「グリーンシステム」をスタートさせました。その後、牛乳びんのリユースやピッキング袋のマテリアルリサイクルなど取組みを拡充しています。20周年をむかえた2014年11月7日、組合員と生産者ら約100人が参加して「第9回エコライフのつどい」を開催、Rびんの利用者を増やしながら活動を広げていくことを確認しました。(2014年11月26日掲載)

Rびんを利用する仲間を増やそう!

開会の挨拶で、Rびんの利用を呼びかける伊藤三保さん 開会の挨拶で連合理事(サステナブルNON-GMO運動連絡会担当)の伊藤三保さんはまず、市場ではワンウエイびんが増えている現状を説明しながら、「グリーンシステムも回収率は70~80%あるものの、供給本数は2010年の約752万本のピークから2013年には約660万本へと100万本近く減っている」と指摘。その一方で、千葉大学では使い捨て容器の飲料ではなくマイボトルを使うという、学生によるモデル事業が実施されていることを紹介し、「グリーンシステムは20年の実績があり、そう簡単に崩れるものではありません。続けていくことはエネルギー問題の解決にもつながるので、Rびんの消費材を利用する仲間を増やしましょう」と呼びかけました。

継続こそが社会のシステムを変える力

「活動は『ゆるマジ』で」と西村優子さん 第一部で「たのしく伝える リユースびん!~理想は高くハードルは低く~」のテーマで基調講演を行ったのは、Rびんプロジェクト代表でエスコープ大阪組合員でもある西村優子さん。同プロジェクトは、Rびんの普及・推進を通じて真に豊かな社会の構築をめざす市民グループで1999年5月に設立されました。(1)Rびんの商品を増やす「導入活動」と(2)Rびん商品の購入を増やす「啓発活動」をメインに据え、飲料メーカーなどの訪問や、市民講座、幼・小・中学校でのエコ授業などを行なっています。
 講演のなかで西村さんが強調したのは、素材の安全性、環境への優位性、処理費用の健全性などの観点からRびんが容器の優等生だということ。そして、「リデュース、リユース、リサイクルの3Rは知っていても、意外と知られていないのが環境負荷を低減するための優先順位はリデュース→リユース→リサイクルということ。学校の教科書にもそれは載っていません。この情報はとても大事です」と指摘しました。実際、大阪府内の中学校で行った啓発講座では、生徒から「一番驚いたのはリユースとリデュース。リサイクルよりもっといいものがあったなんて」などの声が挙がったといいます。

生産者の説明を聞く参加者 西村さんは、日々の活動で「伝えることはとても困難と感じている」と繰り返しました。しかしその一方で「継続こそが社会のシステムを変える力だ」と強調しました。また、Rびんを広めるためには“100%をめざさない”、“しないさせないムリとムダ”、“焦らない怒らないあきらめない”を念頭に置くことと 説き、こう締めくくりました。「正しいからと言って押し付けない。気づいてくれる日がくることを信じて、自分もまわりもくじけず続けられるくらいに ハードルを下げ、“ゆるマジ”で行きましょう」
 

「グリーンシステム」と「節電キャンペーン」をテーマにの活動報告・交流

40周年記念の「自然エネルギースタディーツアー」を報告する生活クラブ埼玉・内山豊美さん 第二部では、各地の生活クラブや生産者による「グリーンシステム、3R」と「節電キャンペーン、再生可能エネルギー」の活動報告が分科会形式で行なわれました。
 生活クラブ千葉は「Rびんを自治体回収ではなく生活クラブに返して」と訴えるラミネート加工したチラシを届けて、次週にRびんと一緒に出してもらうなどの活動を報告。
 「生産者にとってのグリーンシステム」がテーマの分科会では、食酢の生産者の私市醸造(株)とトマトケチャップの生産者であるコーミ(株)がともに、「生産者にとってRびんは手間がかかりますが、消費材にも環境にも優位性がある。この活動を持続させるには仲間作りと利用拡大を期待します」と訴えました。
 「一人ひとりの工夫で脱原発社会をめざそう!」がテーマの分科会では、生活クラブ東京から各自が節電するポイント、地域でつながって自覚あるまちづくりをする運動、電力小売会社である(株)生活クラブエナジーの「省エネゲーム」の実例の3点が紹介されました。
 

Rびんは20年間で約11億円の税金を節約!

 Rびんの回収本数は20年間で約9300万本 (回収率70.2%)にのぼります。自治体収集には12円/本かかるため、自治体のリサイクル回収と比較した場合に約11億円の税金を節約した計算になります。また、リサイクルに比べると約3万トンのCO2排出量を削減しました。その体積は直径300mの球と同じ大きさで東京ドーム13個分に相当します。

「グリーンシステムの価値と実践はこれからも必要」と木村庸子さん サステナブルNON-GMO運動連絡会担当の連合理事の木村庸子さんは、東日本大震災と東電福島第一原発事故を契機に生活クラブが始めた「節電キャンペーンのまとめ」で、「キャンペーンの成果は大きかった。再生可能エネルギーをつくり出す取組みとともに、Rびんを柱とした省エネ活動もますます重要になってくる」と強調しました。
 生産者や事業者のアピールでは、新生酪農(株)の菊地裕二さんが「びんのメリットは環境に優しく、風味変化が抑えられ、よりおいしいものが届けられること。おいしく環境に優しい牛乳をつくり続けるので飲み続けてほしい」と訴えました。また、洗びんを行なう(株)トベ商事社長の戸部昇さんは、「一般市場ではびん以外の容器の技術革新が進んでいますが1回限りで終わるワンウエイ。リユースを武器にこれからもRびんを広めていきたい」と話しました。

「グリーンシステムの20年とこれから」を報告する戸部昇さん生産者メッセージに聞き入る参加者

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