市販向けとは違います! 消費材「レギュラーコーヒー」は生活クラブだけのオリジナル品です(大矢 泰司さん)
取り組みのきっかけは
インスタントからレギュラーコーヒーへの方向転換
当社と生活クラブとの出会いは、生活クラブがコープ商品のインスタントコーヒーを取り扱っていた頃のことです。当時のインスタントコーヒーは内容物の表示が不明で、原材料を点検しようにも企業秘密とされ、どのような豆や原料から作られているのかわからないものでした。そこで「インスタントはやめて本物で」と、レギュラーコーヒーに切り替える方向性が出されたことが、当社のコーヒーを取り組んでいただくきっかけとなりました。1975年のことでした。
コーヒー文化は比較的新しく、レギュラーコーヒーが一般に普及し始めたのは1973年頃ですから、まさに時代を先取りした消費材導入の決定だったと思います。
当初は、一般業務店やホテルなどに卸していたNB(ナショナル・ブランド)の「ロイヤルブレンドコーヒー」から取り組みを開始しましたが、翌年、世界最大のコーヒー豆の産地であるブラジルで霜害が発生し、他の産地でも天災や内戦等の影響で、市場では異常ともいえる高騰が続きました。
そこで、レギュラーコーヒーの定着に加えて、価格の安定化と原料豆の安定供給、配合比の確認による品質保持を目的として、現在の生活クラブのPB(プライベート・ブランド)の「レギュラーコーヒー」が誕生しました。
おすすめ消費材のアピールポイント
交流会に参加すると、組合員のみなさんから「生活クラブで取り組んでいるUCCのレギュラーコーヒーは、一般市販品と同じではないのですか?」という質問をよく耳にします。
当社が納入している消費材の「レギュラーコーヒー」は、生活クラブ独自の仕様で生産しているPB品です。同じものは生活クラブの組合員以外は購入できません。包材費用を極力抑えて、中身のグレードアップを目指し、組合員のために一般市販品とは違う特別仕様の消費材として開発したものです。
下記は、アイテムごとの材への思いをアピールポイントとしてまとめたものです。
「レインフォレスト・アライアンス認証」のコーヒー豆を配合しています。
この認証は、地球環境保全のため熱帯雨林の維持を目的に設立された国際的な非営利団体「レインフォレスト・アライアンス」によるものです。認証品の産地である農園や森林は、野生生物の保護・土壌と水源の保全・労働者とその家族および地域社会の保護・生計の向上の達成を目的に運営されています。
●手軽に一杯分『簡易ドリップモカブレンド』
少子高齢化・世帯数減少による個食対応として開発しました。エチオピア産のモカコーヒーを70%配合しています。
業界基準では、ブレンドコーヒーで生産国名を表示するには、その生産国産の豆が30%以上配合されていればよいとされています(冠表記といいます)。たとえば、この場合は、エチオピア産モカコーヒー30%でも「モカブレンド」という名称が使用できます。そのため、他メーカーの例では原価を抑えるため30%以上は配合しないことが多いのですが、それではモカ特有のフルーティーな香りや味わいはあまり感じられません。この消費材は業界基準の倍以上、70%の配合でおいしさを追求しています。まだ利用されていない方はぜひ、お試しいただきたいと思います。香りの違いがわかっていただけます。
●牛乳と相性ぴったり『フレンチローストコーヒー(粉)』
生活クラブのパスチャライズド牛乳を注げば、おいしいカフェオレができるように焙煎を濃いめに仕上げています。また、酸味が少ないブラックコーヒーとしても楽しんでいただけます。
●原材からこだわった『有機栽培インスタントコーヒー』
2014年に登場し、組合員の口コミにより前年比180%と利用が大きく伸びています。香りを重視するフリーズドライ製法で、原料豆はコロンビア産の有機栽培アラビカ種100%です。包材にはビンを使わずチャック付きアルミ包装を採用してコストを抑え、グレードの高いインスタントコーヒーを適正価格でお届けできるようにしました。他メーカーのインスタントコーヒーを利用されている方も、ぜひ一度お試しください。
まだまだ書ききれませんが、これまでに開発してきた消費材への思いの一部として紹介しました。一般では、いまだ売り手市場の流通商品が多いなかで、組合員の立場に立った新しい材の開発をこれからも進めていきたいと思います。
(2015年7月掲載)
※掲載時期によりパッケージが現在のものと異なる場合があります