住み慣れた地域での暮らしをサポートします! 「生活クラブ安心システム連合」設立総会を開催
生活クラブは組合員どうしの互助に始まり、エッコロを介した助け合いやワーカーズ・コレクティブ等の立上げ・運営によって、自分たちの暮らしや介護の問題、地域の福祉活動・事業に取り組んできました。今では生活クラブグループの福祉事業は事業所が770か所、利用登録者5.6万人、その事業高は144億円、ケア時間は123万時間(2013年度実績)へと広がりました。これら一つひとつの活動・事業は、住み慣れた地域で私たちが心豊かに生きるための欠かせない機能として息づいています。
一方で日本は人口の4人に1人が65歳以上という世界でも類を見ない超高齢社会の時代に突入し、今後は医療や介護施設が絶対的に不足すると言われます。またあらゆる世代に格差や貧困がひろがり、福祉の充実が欠かせない状況です。2015年度から政府は「地域包括ケア」をキーワードに、福祉の担い手を「施設から地域へ」転換しようとしています。
地域に密着して福祉に取り組んできた生活クラブに、今何ができるだろうか。
その問いから生活クラブが生み出した3つの社会福祉法人が手を取り合い、新しい試みが始まりました。
福祉の消費材、「生活クラブ安心システム」ができました!
「生活クラブ安心システム」は、福祉や介護の事業者の基本姿勢を定め、事業所の利用者や地域市民に約束する福祉の方針です。要介護者を含めた高齢者や地域のあらゆる人が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期まで続けられるよう、福祉事業者が積極的に関わり支援していく内容になっています。
安心システムには、地域住民を対象にした《安心支援システム》と、要介護者を対象とした《安心ケアシステム》の2つがあります。
《対象》
サポートエリアに在住する65歳以上の住民および孤立しがちな高齢者、障がい者、生活困窮者等
《基本方針》
事業所が属する日常生活圏域全体に責任を持ち、孤立しがちな高齢者、障がい者、生活困窮者などの地域生活の継続、地域生活者としての参加を支援します。
《例》
24時間365日の相談体制、緊急時にも対応、居場所(カフェ等)を町内に設置運営、市民コーディネーターの養成と実践の場の提供、生活支援(買い物・家事代行・安否確認・旅行等)を有償で運営実施し暮らしの豊かさを提供。
《対象》
要介護者(事業所の利用契約者)
《基本方針》
利用契約を結ぶ利用者の在宅生活をできる限り支えるために、制度外のケアを含めて最期まで地域生活を継続できるよう「支えきる」ことをめざします。
《例》
24時間365日のケア体制、緊急時にも対応、支えきる担当者会議を開催、10の基本ケアに沿った介護を提供、単身世帯や高齢者世帯への定期的な安否確認、介護者の集いの定期開催、暮らしの豊かさにつながるサポート(有料サービス)。
また、高齢者が自立した生活を続けられるよう、2つのシステムは右の10の基本ケアを原則としています。
生活クラブ安心システム連合 設立総会を開催しました
2015年7月8日、「生活クラブ安心システム」実践の基盤となる生活クラブ安心システム連合の設立総会が行なわれました。
設立に向けて、生活クラブを母体とする3つの社会福祉法人、社会福祉法人悠遊(東京)、社会福祉法人いきいき福祉会(神奈川)、社会福祉法人生活クラブ風の村(千葉)、そして生活クラブ共済連の4団体が連携し準備をしてきました。
*第1回理事会で選出された2015年度役員(右写真)。左から伊藤由理子副理事長(共済連)、鈴木礼子理事(悠遊)、小川泰子理事長(いきいき福祉会)、小林徹也監事(悠遊)、池田徹理事・事務局長(風の村)
開会挨拶で池田徹氏は、「福祉を本気で考えないと乗り切れない時代になってきている」と述べ、本人の意志を尊重した地域での暮らしを社会福祉法人として率先して支援していく抱負を語りました。
100名を超える参加者が見守る中、「生活クラブ安心システム」の基本方針等を含む議案はすべて満場一致で可決され、今後は3社福を中心に実践を重ね、新たにこの趣旨に賛同する会員を募り活動を拡げていくことが確認されました。
生活クラブ安心システム連合の理事長に選出された小川泰子氏は「社会福祉法人が3つもあることは生活クラブの財産。私たち3社福はいわば福祉における生産者であり、組合員はその消費者。安心システムという安全基準をもった生活クラブの福祉を思い切り使い込んでほしい」と述べ、組合員が生活クラブの福祉に参加し利用することで社会と未来を変えていこうと訴えました。
生活クラブ安心システム連合は、全国組織である安心システムユナイテッド(2015年4月29日設立)に協賛しています。「安心システム」を掲げた地域福祉の取組みは生活クラブの外にも広がっています。
生活クラブ安心システム連合に参加して、自分のまちの安心システムを実践しよう!
生活クラブ安心システム連合は、この会の趣旨に賛同しともに同じ姿勢で地域福祉に取り組む意志のあるワーカーズ・コレクティブやNPO、単協、提携生産者等、生活クラブグループのどの団体でも参加できる組織です。
会員はサポートするエリアを設定し、安心システムの基本方針をもとにオリジナルの「私の街の生活クラブ安心システム」を作成・実践します。連合は会員への助言や支援を行ない、技術習得のための研修等を開催します。詳しくは下記へお問合せください。
【問合せ先】
生活クラブ共済連内
生活クラブ安心システム連合事務局(担当:岡村)
TEL: 03-5285-1865 FAX: 03-5285-1864
【2015年7月29日掲載】